MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

SUPで事業をやろうとしている人間を受け入れてくれるプログラムはMAKERSしかないと思います(笑)

大森 正也さん

早稲田大学 創造理工学研究科修士課程 修了 / かけて株式会社代表取締役 / 一般社団法人サップリーグジャパン理事

MAKERS UNIVERSITY 3期生

Q.
現在、どんな事業やプロジェクトに取り組んでるか教えて下さい。

全日本学生SUP連盟の運営をしており、「海の箱根駅伝をつくる」という目標を掲げています。主なコンテンツは全日本学生SUP選手権の主催です。毎年白熱した試合が繰り広げられています。他にも各大学でのサークルの立ち上げ支援から技術指導、用具販売など幅広く実施しています。

大事にしているのは競技文化とチーム文化です。仲間たちと競技に真摯に向き合った時間が人生の財産になると実感できるコミュニティを目指しています。2020年から横浜市立大学サップチームが日本初体育会SUP部として認可されるなど着実に文化が根付いてきました。SUPレース競技は2024年以降にオリンピック種目入りが現実的に議論されており、それを視野に入れての選手育成に力をいれています。また所属選手がSUPインストラクターとして活躍できるようにアクティビティ事業者への派遣制度も整備しはじめました。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前は、どのようなことに取り組んでいましたか?また、MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERS応募以前から全日本学生SUP連盟を運営していたのですが、「SUPをやりたい学生が集まる場所」くらいのざっくりとしたイメージでした。コミュニティ内で自分と周りの熱量の違いに気付きはじめていたこともあって、コミュニティが目指す方向性を示せていないことに不安を感じていたのを覚えています。それに加えて個人的に「人生どうしようかなあ」と考えていました。大手メーカーに就職することを目指して大学で機械工学を学んでいましたが、それよりもSUPに魅了されすぎていたのです。不安だけどSUPをどっぷり続けられる生活を送りたい。そんな気持ちと世間体の間でゆらいでいた自分の背中をMAKERSに押してもらいたかったのかもしれません。きっと自分と同じように何かに取り憑かれたかのようにハマっている人がいて励ましあえるかもと期待していた気がします。

Q.
今の事業に至るまでの紆余曲折や、その間にどういう試行錯誤があったのかを教えて下さい。ターニングポイントや転機などがあればそれも含めて教えて下さい。

一般的なSUP認知はレジャーです。沖縄やハワイで体験する一回きりのアクティビティと思っている人が多いのが現状です。そのため大学新入生を勧誘するときにも「のんびりSUPしようよ」と声をかけていました。結果、年間100人以上の学生が体験してくれて50人近く入会してくれました。

しかし、年度中の退会率が高く半数近くがやめてしまう状況でした。これは入会者にとってコミュニティに抱いた期待と実態が違ったことに原因がありました。競技としてSUPに取り組む場所であることに触れずに勧誘していたのです。この気付きから入会説明を変更しコミュニティの理念を何度も伝えることにしました。私たちのコミュニティはSUP競技に打ち込む場所であること、最低週一回以上の練習参加が必須であることも示しました。入会者の総数は減りましたが、退会率も減らすことができました。この経験から自分たちが信じる価値観を自信をもって伝えることの大切さに気付きました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

MAKERSに参加してみて、正直になったと思います。MAKERSに参加する前、自分は世渡り上手だと思っていて様々な場所で良い顔をしていた気がします。MAKERSで他の参加者たちと交流していく中で自分の価値観や考えを見つめ直す機会がたくさんありました。同期からもらった言葉で覚えているのは「正也は自分で何から何までやりすぎじゃない?」と言われたことです。自分が全部やればなんとかなると思っていた節があり、人にお願いすることが苦手でした。しかし、MAKERSの仲間の中には大勢の社員を抱えるメンバーがいたりとチーム作りに長けた人がいました。彼らの任せる力を間近で見ることができました。「遠くに行きたければみんなでいけ」と言葉があるように正直にお願いすることができるようになったと思います。

Q.
尾野ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである尾野さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

尾野さんがオリエンテーション時に「10年間走り続ける体力」と話していて、事業をつくるのも無理をしすぎないことが大切なんだと気づかされました。月1ゼミで尾野さんから「競技特化でなく、その土台となるレジャーなSUP人口を増やす活動もした方が良い」と言われたこと覚えています。今ではそれがYoutubeチャンネル開設につながっています。YouTubeチャンネル「サップチャンネル」ではSUPをamazonで買って自分で挑戦しようとしてる方、教えてもらう人がいない方を対象に初歩的なSUPハウツーを解説しています。尾野さんと話す中で派手なことだけでなく一見地味に見えることも愚直に取り組むことの大切さを学びました。あと毎回お酒を飲みながらラフに行われるので、とげとげせずに自然体に相談できたことがとても良かったです。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

自分がみていたのは世界の本当に一部分だったんだなあと気づけたことです。仲間のプロジェクトを真剣に聞く中でSUP界を客観的にみることができました。たとえば物販をしている仲間の事業を見て、販路開拓の方法をSUP界に転用できないか考えたりしました。またスタートアップやベンチャー企業のリアルな財務戦略を学ぶことができて、お金について考えるキッカケがたくさんありました。そして事業のことだけでなく、自分は何をしたいのか・どう生きたいのかを見つめ直すきっかけとなりました。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

僕は他のプログラムやスクールを知らないですが、恐らくSUPで事業をやろうとしている人間を受け入れてくれるプログラムはMAKERSしかないと思います(笑)正直マイナースポーツです。ただ未来への想いだけが強い私を受け入れてくれる懐の深さがMAKERSにはありました。仲間たちは純粋で正直で優しい人ばかりです。心の奥底に自信と不安の両方を合わせもっている。鏡で自分をみているような感覚に何度もなりました。

また、プログラム期間が終了してからも常につながりの機会が提供されています。そのおかげで事業の話ができるMAKERS生とのつながりというのはもちろん、MAKERS生同士で旅行に行ったり遊んだり、楽しく過ごしたりもしています。同期の近藤くんや北見くんはかなりの頻度でSUPにきてくれます。どうやらハマってくれたみたい(笑)
そして何よりも運営皆さんの熱量が高く素晴らしい方々がサポートしてくれているので、これからも安心して挑戦できるなと思っています。

Q.
あなたにとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

「熱量の発電所」想いや熱量が生まれまくっているので充電できます。そして自分も発電して周りを充電します。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

「運動を通じて心身ともに健康な人を増やす」といういたってシンプルな理念をもっています。私自身がSUPに出会い運動習慣が身についたことで、心も体も強くなりました。社会的にも高齢化が進む中で社会保障費が圧迫
され予防・健康管理への重点化により、公的医療予算の軽減を目指していく方向性です。その一つの選択肢としてSUPの魅力を発信していきます。これを読んでくださっている皆さんもぜひSUPを体験してみてください。また全日本学生SUP連盟は「海の箱根駅伝」として観る人に感動を届ける大会を開き続けます。


(*このインタビュー記事は、2020年9月時点のものです)

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PROFILE

大森 正也 早稲田大学 創造理工学研究科修士課程 修了 / かけて株式会社代表取締役 / 一般社団法人サップリーグジャパン理事
湘南ちがさきで生まれ育ち、海が大好きな幼少期を過ごす。早稲田大学在学中からSUP(スタンドアップパドルボード)の選手・インストラクターとして活動。2019年全日本選手権7位。2016年に全日本学生SUP連盟を設立。SUP競技文化を通じて心身ともに成長できる学生コミュニティを運営している。大学院ではスーパーコンピューターを用いた流体シミュレーションを専攻しSUP用具の性能を科学的に評価する手法を研究。将来的にはオリンピックでの国産SUPボード開発を視野に入れながら、選手および起業家の両軸で挑戦を続けている。

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