STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー
環境移送技術で、人と自然が共生する世界を作る。
高倉 葉太さん
株式会社イノカ代表/一般財団法人 ロートこどもみらい財団 理事
MAKERS UNIVERSITY 2期生
- Q.
- 現在、どんな事業やプロジェクトに取り組んでるか教えて下さい。
我々は環境移送技術という人工的に都市部にサンゴ礁を再現する技術をベースに、サンゴ礁を救うための研究や、仲間を増やすべく本物の生き物を見せ合える強みを生かした教育事業を展開しております。
イノカHP:https://corp.innoqua.jp/
- Q.
- MAKERS UNIVERSITYに応募する前は、どのようなことに取り組んでいましたか?また、MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?
元々私はテクノロジーがすごく好きだったので、技術的なものを活かして創業したいと思っていました。
しかし、まだどんなテーマで創業するのかは決まっておらず、いろいろなヒントがいただけたらなという思いでMAKERS UNIVERSITYに応募しました。
- Q.
- 今の事業に至るまでの紆余曲折や、その間にどういう試行錯誤があったのかを教えて下さい。ターニングポイントや転機などがあればそれも含めて教えて下さい。
MAKERS応募前から技術が好きだったので元々は小笠原ゼミを希望していました。
しかし、2月に行われた事前カリキュラムでのリバネス代表の丸さんのプレゼンが衝撃的で、丸ゼミにしようと決めました。
丸ゼミでは、丸さんに叱咤激励を受けましたね。
あの当時、私は家電が好きで、アップルのような会社を作りたい!家電メーカーをやりたいみたいなこと言っていて、そしたら丸さんから、「ほんとくだらない奴だな」と檄を飛ばされ、それから、
「自分の好きなものと向き合いなさい」というお言葉をいただき、その丸さんのメンタリングがきっかけとなり、アクアリウムの業界に入っていったというのがすごく大きな転機でした。
それまで、インターン先でアクアリウムメーカーさんとお仕事はしていましたが、あくまで趣味程度で、自分で事業にしようとは考えてなかったのです。
- Q.
- MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。
丸さんとの出会いが全てです。
どういうベンチャーを立ち上げていけばいいのか、そして、アクアリウムの道を走ると決めてからも、毎月たくさんのご指導をいただきました。
リバネスさんが掲げる「QPMIサイクル」というものがあり、質の高い問題とパッションをベースにビジネスを組み立てる方法を教えていただいたことは、大きな変化につながりました。
※リバネスが提唱する「QPMIサイクル」:イノベーションを生み出すための全く新しい概念です。QPMIとは、Question、Passion、Mission、Innovationの頭文字を組み合わせたものです。より具体的には、次のようになります。質(Quality)の高い問題(Question)に対して、個人(Person)が崇高なまでの情熱(Passion)を傾け、信頼できる仲間たち(Member)と共有できる目的(Mission)に変え、解決する。そして諦めずに試行錯誤を続けていけば、革新(Innovation)や発明(Invention)を起こすことができる。
出典:リバネスの思想 QPMIサイクル https://lne.st/philosophy/principle/qpmi/
- Q.
- 丸ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである丸さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。
ずっと今も続いているのですが、小銭稼ぎや、目先の視座が低く視野が狭いような発言をしたら厳しくご指導いただきました。
コンサルをするとか、アプリを作るとか、社会のトレンドを追うとかではなくて、本当に革新的で新しい事業かどうか、また、しっかり本質を見てるかどうかのご指導のおかげで、ちゃんと世界を変える経営者としての視座や視野をいただいたかなと思っています。
- Q.
- イノカ創業後も、丸さんとの関わりはありますか?
丸さんは弊社の経営顧問としてずっとご指導いただいており、ずっと関係が続いています。
- Q.
- あなたにとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?
「0章〜はじまりの地〜」ですね。
MAKERS UNIVERSITYから全て始まったので、まさに私の原点です。
- Q.
- あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。
我々が実現したいビジョンは人と自然が共生する世界を作るということです。
今、環境保全の取り組みなど、SDGsのおかげで非常にブームになっているものの、やっぱり何か本質的に人間が上みたいな考え方がどうしても拭えていないように感じます。
一方で、実際に我々人間は、自然からいろいろな恩恵を受けていて、人間も自然の一部であります。それを再認識した上で、自然を守ることが本当に企業にとって投資になるというものを目指しています。例えば自然を守って、守った自然を使って新しいビジネスを生み出していくというようなイメージです。
弊社は、NPOではなくて株式会社としてこの分野で活動しているので、本当の意味での経済合理性と環境保全が両立するようなモデルを作っていきたいと思っています。
(*このインタビュー記事は、2021年9月時点のものです)
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PROFILE
高倉葉太 株式会社イノカ代表/一般財団法人 ロートこどもみらい財団 理事
東京大学工学部を卒業、同大学院暦本純一研究室で機械学習を用いた楽器の練習支援の研究を行う。在学時代にはハードウェアの開発会社を設立し、2019年4月に株式会社イノカを設立。「100年先も人と自然が共生する世界を創る」をビジョンに掲げ、生態系を再現する独自の「環境移送技術」を活用し、大企業と協同で環境の保全・教育・研究を行っている。2021年10月より一般財団法人 ロートこどもみらい財団 理事に就任。同年、Forbes JAPAN「30 UNDER 30」に選出。