MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

「ダサい自分を愛して、泥臭く進む」MAKERSは心のあり方を説いてくれるプログラムです。

野尻 悠貴さん

国際基督教大学既卒(2019年夏) / 株式会社Eifer代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 4期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

ドイツ留学に行っており、ヨーロッパを巡っていました。そこで世界の幸せの価値観の多様さに驚きましたね。ウクライナ美女にモテるためだけに、移住してしまったアメリカ人。経済破綻したのを開き直って、平日の夜から老若男女でバーで踊っているギリシャ人。世界って驚くほどテキトーにいきていて、真面目な日本人より幸せそうな人が多くて、自分が幸せになれる場所は選んでいいんだと前向きになってた留学期間でした。

留学中は、とにかく海外でモテたくて、PDCAを回した結果、親日の人が集まる日本語学校なら自分でもモテることがわかり、ルーマニアとやハンガリーなどのマイナーな国の日本語学校を訪問していました。自分は日本より海外のチルな文化が好きだったのですが、意外にも日本で働きたいぜ!という人がそういった場所には多く驚きました。

そのため、留学後は外国人の就活サポートの事業の立ち上げをIT起業でやり、海外で出会ったたくさんの日本語を勉強している子達の就職を応援していました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

弊社ミッションが「ダサくても世界でヒーローになれるを証明する」なのですが、ヒーローの条件(そこに愛はあるか、相手とWINWINのチームになれるか、仕組みを残せるか(ヒーローはそっと去る))が充たせる事業をやっています。

具体的には、モンゴル経済に貢献する観光産業を作るべく、現地の遊牧民の方と共同してキャンプ場を作っています。モンゴルは去年、IT企業でインターンしていた時にたまたま出張で行かせてもらった国でした。
現地でめちゃくちゃ歓迎を受けて、日本語を学ぶ学生達と一緒にモンゴル800を歌って、とても楽しく日本に帰りました。その後、モンゴルのことを調べると「冬は北京の5倍以上の大気汚染や子供の死亡」「政治腐敗」「生計を立てられなくなった遊牧民が定住を強いられているゲル地区」というモンゴルの影もわかりました。

偶然出会ったモンゴルという国で何かしたいなと思い、同い年で日本に留学したモンゴル人のオギと「モンゴルの遊牧民コンテンツなら絶対インバウンド事業を盛り上げられる!」と現在の事業を始めました。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

代表として事業を作っていくためのエンジンを積むためにMAKERSにきました。僕は大学3年の留学前に一度スタートアップでインターンをしていて、「次は絶対自分の会社を創る」と誓っていました。
にも関わらず、留学後、「ほぼ社長みたいな形で事業の代表できるよ!」「固定で給料もらえるよ」という言葉に甘え、そして起業の怖さもあり再びインターンをしました。もちろんたくさんの経験を積めましたが、心の中で常に「これは100%自分の人生をかけられるのか」と自問自答していました。

給料をもらうということは当たり前ですが、あくまでボスはその会社の社長です。ボスが売り上げを作るためにした意思決定には給料をもらっているからこそ抗えない。今度こそ、自分で事業をやろう。そのために言い訳できない環境に行こうとMAKERSにきました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

「ダサい自分を愛して、泥臭く進む」そんなスタンスを得ることができました。僕は4期の中でも、かなり血だらけになりながらこの8ヶ月進んできたと思います。笑。もともと留学でちょっとバズって、インフルエンサー気取りの勘違い野郎としてMAKERSに来ました。

周りのみんなの事業にかける「覚悟」や出している実績と比べると、自分は何て薄っぺらいんだろうと毎日のように感じていました。しかし、やるしかないので、薄っぺらくて人を巻き込めない、事業センスもない自分と格闘しながらモンゴルでの初キャンプ事業を終えました。会社としては初めて売り上げが立ち、その後、会社に残ってくれる仲間や出資したいとの声を頂きました。気がつくと、「薄っぺらくて必死にもがく自分」を愛せていました。自分を愛せるからこそ、MAKERSの仲間とも以前より愛して、そして等身大で話せるようになり、よかったなと思います。

Q.
水野ゼミやクロコムが自分自身や事業に与えた影響、メンターである水野さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

水野ゼミでは、水野さんは基本的に全て「いいじゃん(まずやってみなよ)」という肯定スタイルです。それは、「まずやってみなきゃフィードバックできないよ」の裏返しで、「いいじゃん」から具体的なフィードバックをもらうために、とにかく行動することをいつも意識していました。

そんな中で、明確に水野さんからフィードバックを受けたことがありました。当時やっていた日本語の事業でどうしても口説きたい人がいて、とにかく給与という形で高いお金を払って口説こうと資金調達に躍起になっていた時でした。僕が「株を放出して、お金を得ることで覚悟を示します」と発言したところ、「調達は断じて覚悟じゃない。人件費、つまりお金を出さなければ巻き込めないのは覚悟が足りない。本当にその事業を成功させ、人を巻き込む責任を持ちお金じゃないところで口説くのが本当の覚悟」とかなり厳しいフィードバックを水野さんからもらいました。

まさにその通りで、結局僕の覚悟不足で日本語事業はストップしています。逆に、モンゴルの事業は水野さんのいう真の覚悟が自分には芽生えていて、腹をくくって勝負したいと思っているからこそ今も続いていると思っています。

クロコムは、MAKERSの中でも登記して会社を作ることが参加条件のゼミです。クロコムでは、水野ゼミよりもさらに「なぜ自分がやるのか」「本当にその事業を心からやりたいのか」を問われ続けました。「自分の心の声に素直になる」は簡単に聞こえますが、とても難しいです。例えば、心からやりたいことではないけど、周りに賞賛されているから自分に嘘をつき続けて事業をしている人。そんな自分に素直になり、時には「今は起業をしない」選択を肯定するゼミのスタンスは本質的だと思いました。僕も自分に素直になって、それを事業で表現することに苦戦し、初期はメンターの黒越さんにボコボコにされていましたが、何とか生き残りました。
今は自信を持って今の事業を進められているし、だからこそ、Eiferの未来を共に創る人を採用できています。水野ゼミとクロコムは本当に成長させてくれる場所でした。

※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

2期生の田村さん、きゅんさんが主催してくれた佐島マリーナ合宿です。MAKERSの先輩からのペイフォワード企画で、宿泊や食費を完全無料で提供していただきました。2期しか離れていないのに、コミュニティに恩返しする姿勢が本当にすごいと思いました。実際心が折れかけている中で、田村さん、きゅんさんが自分の軸を見つめ直す素晴らしいプログラムを用意してくれました。

さらに、クロコムなどで「お前本気なんか?」と詰められている中、自分の事業を肯定してくれて、MAKERSの同期の距離もぐっと近くなりここでまた頑張ろうとなれました。クロコムは田村さんに加えて、MAKERS1期でホトカミ代表の吉田亮さん、同じく1期でWELgeeの渡部Jessさんなど沢山の先輩がフォローしくてくださっています。MAKERSの先輩は自分の事業もあるなかどこまでもGIVEしてくれるんだなと感じます。自分もMAKERSというコミュニティに早く恩返しできるようになろうと強く思った瞬間でした。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

一生刺激を与え合いたいなと思う仲間に出会えたことだと思います。1人あげるとしたら、医療生をアップデートする事業を行う、同じ4期生の藤本一希君です。
彼とは3年前にベトナムで出会い、MAKERSで再会しました。自分の初事業には海外志向があって、熱くて優秀な彼を誘おうと思っており、モンゴルの初キャンプにメンターとして参加してもらいました。当日はガーナから来てくれ、1週間のキャンプの中で、最高にバリューを発揮してくれました。また社長としての僕の至らなさに愛のある厳しいフィードバックをくれました。

彼も自分の事業がある中で「お前のことが好きだから来た」と言われた時は泣きそうになりました。キャンプが終わりましたが、あの時の言葉は今でも残っていますし、MAKERS生の中では1番か2番くらいに連絡を取っていて刺激をもらっています。人生をかけて関わりたいなと思える素敵な仲間に出会えたことが嬉しいです。実は他にも4期の志藤大地君にもキャンプは参加してもらっていて、1人ではできないことをMAKERSのみんなに支えてもらえて本当に感謝しています。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

心のあり方を説いてくれるプログラムだと思います。他のアクセラレーションプログラムもいくつか参加したことがありますが、もちろんどのプログラムも素晴らしい出会いに恵まれましたが、ここまで「なぜやるのか」を追求するのはMAKERSだけだと思います。お金が儲かりそうだから、流行りだからではなくて、自分のwhyを痛いくらい掘る。そして時には「事業をやらない」という決断も受け止めてくれる。そんな環境はNMAKERSだけだなと思います。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

「心の所在を確かめる場所」だと思います。メンターの水野さんが言っているのは、好きなコトではなく好きなモノを仕事にしようと言うことです。自分の好きでたまらないモノにカッコつけず向き合い進んでいくこと、それが一番の幸せだと思っています。僕だったらずっとかっこつけてきたんですが、好きなモノ(モノという言い方は変ですが)は「外国人の方」や「親日の海外美女」ですね。その人たちのことはずっと考えられるし、結果としてビジネス案もたくさん生まれます。そんな自分のスキと、好きに向かっている心の所在を確かめる場所だと思います。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

会社のミッションである「ダサくても世界でヒーローになれるを証明する」を体現していきたいですね。自分自身、中高で全然いけてなくて。今もダサいんですけど、ドイツ行ってた時、日本人が1人しかいない大学の学部で寿司パーティーをしてクラブミュージックを流したらすっごい喜んでもらえたり、東欧のマイナーな国で日本語を教えに行ったら初めて日本人にあったといろんな人の家族パーティーに呼ばれたり…自分でもヒーローになれる場所が世界にはたくさんあって、それを見つければ人生ハッピーだと感じています。

例えば今事業をやっているモンゴルも、なかなか世界では知られていないけど、かなり経済や教育でピンチの国です。そこで民間プレーヤーの僕がインバウンドの道を作るだけでも、とっても感謝してもらえます。特に海外は日本に比べるとないものばかりで、日本にあるものを持っていくだけで起業だし、感謝されます。そんな風に、日本人が海外に飛び出していろんな国でヒーローになれる世界を作っていきたいと思います。

(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)

関連URL

ネクストチンギスハン(事業紹介動画)

メディア掲載歴

新R25 【コラム】「俺たちは日本人より、人生の楽しみ方を知っている」僕がヨーロッパで受けた衝撃
新R25 日本人は「肩書き」で口説く。スペイン人は「踊り」で口説く。ギリシャ人は「疲れてない?」
20万いいねを超えるツイートをして思うこと 「テキトーな生き方に触れることで、人生の難易度は下がる」

PROFILE

野尻 悠貴 国際基督教大学既卒(2019年夏) / 株式会社Eifer代表取締役
1996年生まれの23歳。ドイツ留学などをきっかけに50ヶ国ほど世界を周り、モンゴルに出会う。世界で唯一現存する遊牧民の「アポなしでも泊めてくれる文化」や「資本主義に依存しない信頼経済」に感銘を受けた反面、人口が300万人で世界に勝負できる産業が少なく、世界から注目されないモンゴルを目の当たりにする。同い年のモンゴル人オギと「遊牧民文化 X おもてなし」で世界に勝負できる観光産業を創出するべく事業を開始。プレキャンプを無事に終え「モンゴルにリッツカールトンを創る」を目指し、キャンプ場を建設中。「誰もが世界でヒーローになれる」を証明するが会社のミッションで、モンゴル、ネパール、シンガポールなどで事業を展開中。

戻る