MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

MAKERSは同年代でこんなに好きって堂々と言えて、こんなに頑張ってる人たちがいる空間。

湯ノ口 直樹さん

株式会社ユノ代表

MAKERS UNIVERSITY 1期生

Q.
現在、どんな事業やプロジェクトに取り組んでるか教えて下さい。

今やってるサービスは、ミールシェアっていわれる食事のシェアリングエコノミーのサービスです。一般の主婦の方など、料理を作るリソースのある方たちが、自分たちの分を作るのに加え、あと3食とか4食とかっていうのを作れるキャパシティーがあるので、普段単身独身、特に単身独身世帯の人で、そういう健康的で家庭的なご飯が食べたいっていう人達をマッチングするサービスになっています。
僕がそもそも単身独身なので、僕が欲しいなと思ったところから出てきました。食事って、すごく生きる根幹に関わりますし、コミュニケーションだとも思っていて、作る人は、食べる人に対して、おもてなしの気持ちがないと本来食事って食べれないんですよね。食べる側って、例えばこのお茶とかが、毒だと思ってたら、口に含むことすらできないんですよ。

だから、食事っていうのは100の言葉を並べるより、作り手さんを信頼しているという、何よりの信頼を表す行為だと思っていて、同じ釜の飯を食うとかって言いますけど、そういう風に食事を通して、人と人がつながるっていう関係性ってあるなと思ったときに、このサービスをやろうと思いました。
あとは、現状の課題として、2030年までには、3人に一人が単身独身世帯になるので、より一人でご飯を食べる機会って増えてきます。そこの解決になりつつも、そういう食事のそういう社会的な側面をつなげられるサービスがしたいなと思ってやっています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前は、どのようなことに取り組んでいましたか?

アメリカで学生をしていました。奨学金をもらってたので成績落とせなくて、めちゃくちゃ勉強したうえで、第二次オバマ選挙の時にその地区の、僕投票券ないにもかかわらず、デモクラティックに投票してくださいみたいな電話掛けたりとか、そういう学生活動は結構してました。

そのころ結構何でもできると思ってたんですね。何でもできると思っていろいろやってたんですけど、何でもできるやつって何でもできないやつで、なんか広く浅いんですよ。「やってる風」になっちゃうというか、結果が出ないんですよね。
なんで結果でないんだろうってへこむんですけど、一つ一つのものに対して熱量が全然ないから、結構言ってるだけだなみたいになってましたね。
それで、落ち込んでる時期があって、冬の休暇で日本に帰ってきたときに何かインターンをして、なんか社会っていうものを知りたい、なんか頑張ってる人に会いたい、って思ったときに、MAKERSをFacebookの友人がシェアしていて申し込みました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

僕の中で昔から好きなものってなくて、嫌いなものもないんですよ。
人に気に入られたい評価されたいというのはあるけど、率先して自分の好きなものって幼少期からずっとなくて、でもそれをコンプレックスにすら感じてなかったんですよ。
今まで広く浅くやってたのも好きなものがないなかで、何者かになりたいみたいな変な焦りや、何者かになれるだろうって期待感やヒーロー願望みたいなものがあって、それでがむしゃらにやってたけど、熱量が全然足りないと。

そこでにMAKERS入ると本当に、変な奴しかいないんですよね。なんか好き。これが好き。みたいな、それ以外はもうなんか全く話が通じない感じ。みかんとか侍とか難民さんとか、銃弾でアクセサリー作るって言ってるやつがいたりとか。
なんか、こんなに同年代でこんなに好きって堂々と言えて、こんなに頑張ってる人たちがいるんだっていうのが衝撃で、そこから好きが無い自分をコンプレックスに感じはじめました。
何でもできるっていうのを僕は思ってましたけど、そんな僕は、なんにもできない。
でも彼らは、好きなことの周辺、いやむしろもう好きなこと以外はできないんですよ。
でもそれだけに関してはすごい熱量をもって、めちゃくちゃやりきっているっていう、それがすごいかっこいいなというのが知れた場所ですね。衝撃でした。

Q.
今の事業に至るまでの紆余曲折や、その間にどういう試行錯誤があったのかを教えて下さい。

最初は本屋とか地方創成とかやろうとしましたね。(笑)
僕にとってなんか好きって何だろうとか、僕って何が熱量持ってできるんだろう探しをずっとやっていて、それでいろいろ事業も変わっていました。
本読むのは好きだけど、これってどこまでの熱量なのかなとか、僕実家香川県なので、地方創成とか興味あるけどどんだけの熱量なのかな、というのを1回やってみるんですけど、なんかしっくりこないというか、みんなむしろどうやって好きって決めてんだろうみたいな風に思っていました。
けどなんか、今はほんと食が楽しくて、自分は食事の分野だって自然とはら落ちしていて、それって多分、食事の可能性がすごいからだと思っていて、人とつながれるっていう力を持っている。
昔思っていた人に評価されたいとかも、最終的に人とつながりたいからだなと今だったら言えて、人とつながれるっていうのが一番自分がしたかったことだなって思います。

今の事業に至るまで2年、結構あっという間でしたね。確かに当時は1日1日長いなと思ってました。けど就職しても絶対この問題っていつか、僕に直面する課題で、自分は何が好きなんだろうとか、できる風を装って、なになに高校、なになに大学の肩書や、いい会社入ってそれ肩書にして、自分が何者かっぽく見せるんだろうなとか、そういうのを想像したときに、なんか就職するってすごいかっこ悪いなって、僕はそう思ってしまって。
そこに気づいてしまっているのにもかかわらず、何者でもない自分を、もうかっこ悪いなと思いながら就職ってなんか選べなかったです。
それってきっとMAKERSのみんなが、同じ期間、同じタイミングでみんな企業して、同じタイミングでみんな自分の好きを、世界の常識より自分のいや絶対こっちだろっていう未来のほうを引っ張って来るからで、むしろ世界を塗りつぶすぜ、みたいな熱量って凄くかこいいなと思ってました。で、そうなりたいってずっと思って探してたら2年たってたみたいな感覚です。まあその間とりあえず生きなきゃいけないのでアルバイトとか、何でもいいから仕事くださいみたいな状態からでした。時間空いたら僕ってそもそも何が好きなんだろうとか、あ、こうゆうの面白そうってなったら、実験したりとかしてましたね。

Q.
黒越ゼミやクロコムが自分自身や事業に与えた影響、メンターである黒越さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えてください。

好きなものがないから行くのつらかったですね、クロコム。
なんていうんですかね、人の話聞いて、それっぽい事業モデル考えるのは好きなんですよ。
けど、なんかコンサルっぽいっていうか、口だけみたいな。
そうなっているのが、すごい苦痛で、一回ずる休みしたんすけど、けどさすがにここ逃げちゃだめだなと思っていました。

印象に残ったのは、みんなでその年起業したことですね。
みんなで定款てどう描くんだろう、収入印紙高いな、みたいなことを話しながらやってて、それは印象に残ってますね。
あとはやっぱりみんなが頑張っているのをシェアするときに、僕もそれっぽいことはするけど、本当僕なんもないな、みたいな、なんか思い出してたらつらくなりますね。
みんなで一緒にその年登記したので、僕以外もみんな会社4年目なんですけど、一期のクロコムで、一緒に投棄した人たちは、僕が4年目だったら、みんな4年目かというのを感じながら法人税納めましたね。(笑)

※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

そういう意味では今の僕のほうが、凄く自分は好きです。
なんかMAKERSなかったらあんまり生きてる感じなかったですね、多分。
普通になんかそのうちなんかやりたいって言いながら、なんもやってないんじゃないですかね。そういう自分を今から想像すると、なんかかっこ悪いなみたいな。
今の自分は毎日好きが更新されてますね。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

自分は黒越さんのゼミとクロコムに所属していたので、いい意味で放任なんですよね、多分他の企業プログラムとかと違って。
黒越さんは熱量を見てると思うので、本気じゃないと続かないし、どんな人からどんなに支援してもらっても、当人が覚悟決まんないと世界塗り替えられないですし。

あとはやっぱ変な奴がいるっていう。MAKERSの人達ってねじ外れてるから、むき出しなんですよ。頭が悪いんじゃないとかじゃないんですよ、むき出しなんです。
そこのむき出しのままの子たちを、ちゃんと社会に貢献できるというか、このままの熱量のままビジネスとして表現していくために、どうすればいいのかっていうのを、自然となんか身に着けさせるというか、自然と身に着く見たいな場所をコーディネートするのってすごいなって思います。
やっぱりほかのプログラムとか見てても、4年残ってるやつらがこんなにいるコミュニティー見たことがないので。
あとはやっぱみんながいるから諦めないっていうのはありますけどね。2年間とか、なんかなんやかんや続けれたのも、みんながいるからですね。

Q.
あなたにとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

みんながいる場所です。
最初はメンターとか、すごい人達の名前でMAKERSきましたけど、なんか得られたものは全然そっちじゃなかったなっていう。
みんながいるってことの方がほんとに大きいし、かけがえのない感じです。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

今は食事のミールシェアっていう形なんですけど、ピボットするかもしれない。
でもとにかく食事なんですよね。
そういう食を通してつながって、支えあえるような社会がサービスを通じてできたらなと思っています。

(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)

PROFILE

湯ノ口 直樹 株式会社ユノ代表
2016年7月、株式会社ユノを設立。「作ってくれる喜び」と「食べてくれる嬉しさ」をつなげるサービスを開発運営している。食を通して、みんなに幸せを届けるべく活動中。

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