STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー
一起業家でありながらも、一人の人間として居られる貴重な「居場所」です。
山脇 燿平さん
筑波大学社会国際学群4年/EVERY DENIM共同代表
MAKERS UNIVERSITY 1期生
EVERY DENIMフィッティングルームの様子
- Q.
- MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていて、今、どんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?
MAKERS UNIVERSITYに応募したのは、ちょうどブランドを立ち上げた時期でした。そこから約1年間で、新商品の開発、全国での試着展示会、藍染めのワークショップ、衣類の染め直しプロジェクト、デニム工場とアパレルの橋渡し、木材や消費財メーカーとの共同開発、クリエイターとのコラボ商品開発、オンラインサロンの運営など、多岐にわたるプロジェクトを展開しています。どれも国内で貴重なデニム産業の集積地である瀬戸内のものづくりを、もっと世の中の人に身近に感じてほしいという思いでやっています。
- Q.
- MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いで応募をし、参加しましたか?
僕自身がそれまで結構そういう起業家の方とかに会う機会が全然なくてですね、当時その募集要項見つけたぐらいの時期まで、一個別のプログラムに参加してまして、そこでメンターの方とかが一人ついていたんですけど、それは事業に対してであって、僕に対してではなくて、なんか全然起業家の方とか知らなくて、というより世の中でどんな人が起業家として活躍してたりとか、どういう人がいてみたいなのを全然知らなかったので、まずああいう人たちにまとめて話が聞けるということがすごい魅力的でしたし、なんか行こうかなって。
- Q.
- 実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化がありましたか?
まずやっぱすごいこういう人たちがいるんだということが刺激になりましたし、なにより同じ一期生として、参加するみんなと、やっぱ歳とかも近いですし、価値観も近い中で、いろいろ刺激し合えるっていうのはすごいよかったなというか、まだ終わってないですけど、すごいいいなーという風に感じています。
白木ゼミに参加していても、僕自身もジーンズってこれ社会課題なのか、世の中に対してどれだけ意義があるのかみたいなところはすごい考えるんですけど、やっぱり自分が変えたいなとかよくしたいなとか思ってればそれでいいのかなっていう風にいま感じていまして、なんかそれをすごい背中を後押しされるゼミではあるなという風に感じています。そういう意味では毎回刺激されるいい会だなという風に思ってますね。
EVERY DENIM試着会の様子
- Q.
- あなたにとって、一番印象に残っている出来事は何ですか?
エピソードで言うと、前回の合宿のときに、MAKERS生の中村暖くんが最後のチェックアウトの時に、もっと自分が大きくなって、身近な人を守れるような存在になりたいっていうのを最後言われてたと思うんですけど、あれが僕めっちゃ印象に残っていて、いままで自分そういう存在いなかったんですよね。ただ今は暖くんと同じようなことを思いますし、最後にみんなに訴えかけた彼の素直な気持ちはすごい印象に残っています。自分も身近な人に手を差し伸べるみたいになれるようになりたいと思いました。
- Q.
- 学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこですか?
みんなで進んでいってる感覚っていうのはめちゃくちゃありますね。他のプログラムだとメンターと参加者だけのつながりなんですが、みんなで進んでいっているというのもありますし、それが本当にすごく強く感じられるプログラムだなというのはありますね。なんか、勝手にめっちゃ同世代価値観意識みたいなのは芽生えますね。
あとは、お互い取り繕ってこういう事業やってて、こういう事業やってて、頑張っていこうぜみたいなだけでは終われない感じ。いろんな面をみせあう感じが良かった。いい意味でMAKERSは縛りが少ないので、やり方を自分で考えるようになった。この規定されたプログラムに沿って皆が同じように進むんじゃなくて、自由なところも多かったから、それぞれの個性が出るようになったというか。ここでこう振る舞ってくださいというのがあったら多分自分もそのように振る舞ってたと思いますし、あんまり多面的な自分は出なかったんじゃないかなと思います。
工場とのやり取りの様子
- Q.
- あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?
「場所ではない、居場所」だと思います。普段の生活の中ではどうしても見られる側の自分が先行してしまい、なかなか起業家ではない自分を出すことが難しいです。そんな中、MAKERSコミュニティにいるときだけは、一起業家でありながらも、一人の人間として同期のメンバーに接することができる。今までそのような2つの自分を重ね合わせられる居場所が自分にはなかったので、MAKERS UNIVERSITYはとても貴重だなあと感じています。
- Q.
- あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。
全ての人が自分の身近なものに対して、もっと喜びを感じられたり、それによって少しでも幸せになれたらと考えています。私たちEVERY DENIMはそのビジョンをデニムという世界中の人が身につける地球着(ちきゅうぎ)で叶えようとしています。たとえば、今の世の中で、洋服の生産過程において、地球や私たちにとって悲しいことが行われていても、それを知ったり実感したりするのはとても難しいです。逆に、みんなが身につけるものをはじめ自分の持ち物を、生産背景を知ったり愛着を持ったりと、様々な方法によって「好きになる」ことができれば、一人一人にとってはたいそれたことでなくても、社会に対する影響はとても大きくなると考えています。
(*このインタビュー記事は、2016年10月当時のものです)
メディア掲載歴
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- 日経新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、山陽新聞、常陽新聞、繊維ニュース、岡山経済新聞、繊維Plus、オルタナS、テレビせとうち、岡山放送OHK、BS12「夢らぼ」
関連URL
その後の活躍
・EVERY DENIMの人を巻き込む力の源泉は、兄弟の絆を戻したデニムの引力だった
・EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」

PROFILE
山脇 燿平
筑波大学社会国際学群4年/EVERY DENIM共同代表
1992年生。筑波大学在学中、ジーンズに関するプロフェッショナルを育成するための試験、第1回ジーンズソムリエ資格認定試験に合格。子どものころからジーンズ好きだった影響もあり、実の弟とともに、瀬戸内の職人が手がけたデニムを販売するブランド「EVERY DENIM」を立ち上げる。全国での試着展示会の開催、大手企業との合同ポップアップショップ、消費者との共同企画商品開発などを行っている。