MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

アーティストが創りだすいろんな違いを持つ人たちが「まなざし」を通して繋がる世界

井手尾 雪さん

京都造形芸術大学通信教育部(2015年9月入学)/株式会社BACK HILL代表

MAKERS UNIVERSITY 1期生

井手尾 雪さんインタビュー写真3

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていて、今、どんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?

MAKERSに応募する前は、日本やロンドンの芸術学校で作品制作に没頭していました。制作を行っていく中で「アートの価値は作品だけではなく、作品を生み出すプロセスにもあるのではないか?」と感じ、ギャップイヤーを使って教育系NPOでインターンも経験しました。異なる領域で活動してみると、これまで培ってきた絵を描いたりするアウトプットのスキルは使えなくなってしまいましたが、「何を表現するのか?」を見出す物事の見方や捉え方といったインプットの「まなざし」は活かせることに気付きました。その気づきから始まり、現在は「人間のまなざしから価値を創出する」というコンセプトを掲げ、「アーティストのまなざし」を売る新規事業の準備をしています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いで応募をし、参加しましたか?

もともと、ロンドン芸術大学で学んだことをきっかけに「もっとアートを用いて社会の中で何かできるんじゃないか?」という漠然とした感覚だけがありました。そして、その可能性を信じてなにか形にしたいと思い、ロンドンでの学部進学を蹴って日本に帰ってきました。しかし、実際にその想いをどういう風にアクションをおこしていけばいいのかは全くイメージがなかったんです。とりあえずいろんなアクションをしてみるものの腑に落ちるものがなかなか見つからない中で、たまたま見かけたのがMAKERSの募集でした。MAKERSって「つくる人」だからアーティストとして通じるものを感じたことと、アート以外の人たちと一緒に過ごす中でなにかが見つかるんじゃないかなと思い応募しました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化がありましたか?

MAKERSに参加するまでは、漠然とした想いだけをもっている状態でした。それが事前カリキュラムの中で、多くの起業家の人たちの想いを表現した言葉を聞いたり、多領域に渡るMAKERSの参加者との対話を通して、コンセプトという形で人に通じる言葉にだんだん落ちてくるようになりました。想いが言葉になってきた時に、実際に何をすればいいのかが見えてきて、実践期間中には具体的なアクションにまで落とすことができました。

このように、漠然とした想いからスタートして、実現させるための具体的なアクションまでのプロセスを、MAKERSを通して自然に導かれていったような気がしています。そのことが、想いはあるけどどうすればわからなかった私にとって、すごく大きな価値になりました。

井手尾 雪さんインタビュー写真1

事業コンセプト

Q.
あなたにとって、一番印象に残っている出来事は何ですか?

実践期間中になにかに行き詰まったりした時に、相談しようと思える仲間が何人も頭に浮かんだことです。それまでは、なかなか自分のビジョンや想いを共有できる人がいなかったので、壁にぶつかった時は自分で考えて自分で解決することを選んでいたのですが、相談できる仲間がいることによって多様な視点を取り入れることができて、解決方法や発想により広がりを持てるようになりました。そんな時に、MAKERSを通してビジョンや想いを共有し合っている関係が自然と生まれていたことに気付きました。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこですか?

そもそも私はMAKERSに応募した時点では起業をするつもりが全くありませんでした。なので、MAKERSを起業支援プログラムだとあまり感じずに応募していましたし、今でもその印象はそこまで変わっていません。MAKERSは、その名の通り「未来を創る人」を支えるプログラムだと思っています。起業を目的ではなく、未来を創るための手段として捉えてるからこそ、起業家に限らずアーティストやエンジニアや研究者など多様な人たちが集まる場所になったのだと感じています。そういった場だからこそ、起業家になるためのハウツーだけを教えるのではなく、自らのビジョンや想いを深めることに重きを置いたコンテンツが多かったところも特徴的な点だと思います。

井手尾 雪さんインタビュー写真2

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

MAKERSは、少し先の未来が生まれてくる場所だと思います。今の価値観や常識にとらわれず、時には周りからおかしいと思われるようなビジョンを本気で描いている人たちに、MAKERSの中でたくさん出会いました。そういった人たちがこれからの未来を創っていくんだなと感じられ、一緒に話したりしてわくわくすることがたくさんあり、これからが楽しみで仕方ないです。理想を語るだけでなく、実際に自らの手で創り上げている人たちが集まっている場所だからこそ、現在進行形でここから少し先の未来が生まれつつあるのかなと感じています。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

いろんな違いを持つ人たちが「まなざし」を通して繋がる世界を創りたいと同時に、そんな世界から生まれるものを見てみたいです。 正直なところ私は、「世界を変えたい」という気持ちがあまりないんです。だけど、「変わり続ける世界の中で変わらないものはなにか?」を見出したいという想いはずっとありました。それがあれば、人間は時代や社会の変化にとらわれず自分なりに生きていけるのではないかと感じています。そんな時代や環境を越えて普遍的なものとして、物事の見方や捉え方の入口となる「まなざし」に注目しています。まなざしが変われば、そこから導かれる行動や結果も自然と変わってきます。だから、どんな人でも絶対もっていて全員異なるものである「まなざし」から価値が創出したいと思っています。

(*このインタビュー記事は、2016年10月当時のものです)

その後の活躍

自分の個性を見つける、四畳半の異国
展覧会『砂の旅券 Emptiness passport in a handful of sand』

井手尾 雪さん

PROFILE

井手尾 雪

京都造形芸術大学通信教育部(2015年9月入学)/株式会社BACK HILL代表

アーティスト。中学時代から芸術学校へ通い、10年以上アートを学ぶ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズのファウンデーションコースをトップの成績で修了。現在は、「人間のまなざしから価値を創出する」というコンセプトを元に株式会社BACK HILLを立ち上げ、「アーティストのまなざし」を売る新規事業に着手している。

戻る