MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

医師兼起業家として、医師の限界を突破する。

山本 真輝さん

九州大学医学部医学科4年/株式会社e-shock (設立準備中) CEO

MAKERS UNIVERSITY 2期生

山本 真輝さんインタビュー写真3

出場した「福岡市国家戦略特区指定3周年記念イベント『スタートアップが創る福岡市』」の学生ピッチバトルで優勝した際の一コマ

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていて、今、どんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?

祖父母が経営していたパン屋が潰れてしまったこと、また、自分自身が医学生ということもあり、健康にいいパンを作って、祖父母がやっていたことを継ぎたいと考えて、MAKERS UNIVERSITYに応募しました。でも、入った後に、いいモノを作ったとしても、それが本当に届くのは関心がある人だけである、ということに気づきました。例えば、Webサービスだったらニーズがあって、それを満たすサービスがあればいいと思うんですけど、僕が解決したい健康分野というのは、なかなかそうもいかなくて、やっぱり、健康にいいものが届かない相手そのものの行動とか意識とかを変えられないだろうかという風に、自分の着眼点がシフトしました。そして、やっぱり自分がもともと食に興味があるというところで、現在は自分自身の経験を通して調理を指導することによって人々の、行動変容を潜在的に促すサービスを準備中です。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

きっかけは、僕の同じ大学の先輩がMAKERS UNIVERSITY1期に参加していたこと、去年G1カレッジに参加した際に、ETIC.の代表理事の宮城さんとお話しさせて頂いて、君はぜひ参加するべきだと言っていただいたことが、応募を決めたきっかけです。僕は元々、上記で触れたパンのプロジェクトっていうのをやっていたのですが、事業性や主体性がすごく欠如していて、自分の事業に主体性を持ち、しかも、収益性を持たせて継続的に行っていきたいという考えがあり、その点をMAKERS UNIVERSITYで学びたいと思って応募しました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化や進化がありましたか?

進化という点でいうと、僕は日々日々変わっているなあという実感があります。というのも、MAKERSに参加して、様々な方にメンタリングして頂く機会が増えたのですが、多様なメンターの方がいらっしゃって、人それぞれ自分自身のアイデアに対する切り口が全く異なります。それによって、新しい気づきを得ることができ、その方の、考え・思想の一部をどんどん取り込んで、自分の中で咀嚼して、また事業に還元出来ているような気がするので、そういう意味で日々日々進化しているのかなと感じます。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

8月に開催されたメンタリングデイ(Mentoring Day)注1がすごく、自分にとってありがたい機会だったと思っています。月1のゼミがあり、ゼミメンターの方がいるという環境はすごく有難い一方で、色々な存在のメンター、多様な業種・職種のメンターがいらっしゃり、その方々に、メンタリングしていただくというのは、メンターのみなさんの、考え方・見方、あるいは行ってきた事業経験がすごく反映されているアドバイスを頂けるので、いろんな価値観、いろんな視点から自分の事業を見つめ直すことができて、メンタリングデイは本当に貴重な時間でした。

注1)Mentoring Dayとは、MAKERSUNIVERSITY塾生一人一人の「つくりたい未来」の実現が大きく加速するよう、ETIC.の繋がり・リソースをフル活用し、メンバーの生涯のメンターとなるであろう百戦錬磨の先輩起業家やプロフェッショナルたちを一同に集め、1対1の真剣勝負のメンタリングを、1日に複数回繰り返す、MAKERS UNIVERSITYの公式カリキュラム。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

メンターとの信頼関係はとても大きいと思います。僕は、高橋大就さんのゼミに参加しているのですが、御多忙な中、でも月に一回、僕らのためだけに時間をとってゼミ生同士でブラッシュアップ、そして、さらに大就さんからアドバイスを頂けるというのはすごく自分の中でもありがたい時間です。また、メンタリングが終わった後には、みんなで楽しく、ワイワイ飲み会に行って他愛のない話をするっていう時間も、すごく大事な時間ですし、加えて、同志でもありライバルでもある、ゼミ生はもちろん、MAKERS生のみんなっていうのは、これから先、本当に10年20年と、一緒に何か新しい価値を作っていける仲間なのかなと思っているので、そこが他プログラムとの違いかなと思います。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

山本 真輝さんインタビュー写真2

開発したグルテンフリーのパンが取材された際の一コマ

色々考えたのですが、一言で表すと「夢見る大人の小学校」です。僕、小学校の時とか、すごい夢があったんです。例えば、宇宙飛行士になりたいとか、パン屋さんになりたいとか。でもそれって、大学生くらいの年齢、20歳前後くらいになってくると、みんな中々言えないというか、言わない、と思うんですよね。なぜかっていうと、やっぱり現実的に、社会が見えてくると、自分の能力じゃだめだとか、あるいは、環境的にダメだという考えに至ってしまうから。でも、僕がMAKERS UNIVERSITYにいてすごく思うのは、みんな全くそんなことはなくて、自分自身がやりたいこととか、好きなことに本気で、全力で取り組んでいる、そして、好奇心旺盛で、自分自身の好きを追及している人たちなんです。だから、そのようなそんな表現にさせてもらいました。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

僕は医学生なので、病院見学などに行くのですが、その中で既に医師の限界のようなものを感じています。例えば、お医者さんは、患者さんにとってすごく必要な、ありがたい存在であることは間違いないのですが、例えば外来患者さんを見るのは1日せいぜい30人ぐらいが限界で、一方で、患者さんが、病院に来る時間は、その人の生活でせいぜい5%にも満たないです。でも、その残りの95%っていうのは病院の外、例えば、食事・運動・生活習慣・人間関係によって成り立っていて、そこに絶対に病気の原因があると僕は思っています。しかし、そこは医者でも治せない。だから僕は、起業家としてそこをアプローチしていきたいし、一方で、医師としての目も持ち続けていたい、そこを両立できたらと考えています。

(*このインタビュー記事は、2017年10月当時のものです)

山本 真輝さん

PROFILE

山本 真輝

九州大学医学部医学科4年/株式会社e-shock (設立準備中) CEO

MAKERS UNIVERSITY 2期生

1994年生まれ。研究者を志し九州大学医学部生命科学科に入学するも1年で中退。翌年、医師を志し九州大学医学部医学科に再入学する。
実家のベーカリー閉店をきっかけに、祖父母と母の魂を継ぐためローグルテンパン「ジャぱん」を開発し、福岡市内のベーカリーにて販売中。
課題解決を継続して行える人材になるためMAKERS UNIVERSITYに入学する。臨床現場を見るうちに、医師として成し遂げられることに限りがあることを悟り、医療機関の外の課題をも解決できる医師兼起業家になることを目指す。

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