MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

何世代にもわたって長く愛される、そんな製品を作っていきたい。

高野 慎太郎さん

東京工業大学工学部電気電子工学科 4年/株式会社Makership 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 2期生

高野 慎太郎さんインタビュー写真3

Makership ×VIVITAのコラボワークショップのようすその1

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていて、今、どんな事業やプロジェクトに取り組んでいますか?

僕は小さいころから、モノ作りが大好きで、電子工作をしたり、モノを作って人に見せたりということをずっとやってきて、そのまま高専(高等専門学校)に進学しました。それから、工業系の大学に進学して、そこでものづくりで生きていこうと決めて、大学の時にはアーティストの人に電子工作の部分のやり方とか作り方を教える活動をしていました。その後、自分でその事業でお金を稼いでいこうと思い起業したのが、ちょうど一年前です。その起業したてのころに、MAKERS UNIVERSITYに出会いました。MAKERS UNIVERSITY入学後の今は自分でオリジナルの家電のブランドを立ち上げようと、日々奮闘している最中です。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

高野 慎太郎さんインタビュー写真2

Makership ×VIVITAのコラボワークショップのようすその2

一番初めに、MAKERSを知ったきっかけは、一期生のDEMODAY(https://makers-u.jp/demoday2016)でした。その時に見たDEMODAYが本当にかっこよくて、僕らの同世代、ないしは年下が、バーンと、ステージ上ですごいピッチをしていて、こんな未来を実現するんだと熱く語っていて、それがものすごくかっこよく見えて、既に自分は起業していた身で、物は作れるけれど、実際のビジネスの回し方とか、全くわからないし、特に大きなビジョンを描けていたわけではないので、DEMODAYの舞台でプレゼンをする1期生の方々に憧れを感じました。さらにMAKER UNIVERSITY内でつながれる様々な起業家の方やボードメンターの方たちを見たときに、「あ、この人たちだったら、自分に足りない何か教えてくれるだろう、自分のわからない部分、やったことのない部分を教えてくれるだろう」と思って、そういった部分に期待して、自分も一年後にどれくらいかっこよくなれるだろうかと想像して、応募しました。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してみて、どんなことが得られていますか?

まさに、自分が苦手だった部分、ビジネスにしていくということを教えてくださる人に出会えたり、こういう方法があるよと、自分には見えていなかったやり方を教えてくださるメンターの方に出会えたりして、自分の世界が広がりました。出来ないことではなく、こうゆうことができるようになったという考えに至ることができたことはすごくうれしかったですし、あと、起業した時に、学生から、事業者、経営者っていう身になっていきますが、やっぱりその時ってものすごく孤独で、自分だけこんなに苦しんでるんじゃないかという孤独な思考に陥っちゃったりします。でもそういった時に、頼れる仲間、相談相手がこのMAKERSにいるということが、ものすごく大きな力で、それは自分が今まで挫けずにやってこられた大きな要因だったのかなと思います。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化や進化がありましたか?

元々ものづくりが得意で、技術者として起業して、モノを作っていこうと思っていたのですが、やっぱりモノを作る起業家は、モノを売ってこそ、商売にしてこそ、事業を作っていけると思うのですが、モノを売ったり、ヒトからお金を取るという行為に対して、自分自身が憤りみたいなものを今まで感じていました。しかし、商売の大切さ、お金を回していくことの大切さみたいなことを、MAKERS内の様々なプログラムで、肌感覚で見につけることができ、後々のことを考えると、ここはいくらとったほうが良いよねとか、この人のところからはいくらとってその分の、feedback,outputを返そうみたいなそういう思考に至れたのはとても大きい変化でした。ただモノ作りする人じゃなくて、事業者としての頭になれたことが自分にとっての進化だと思います。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

高野 慎太郎さんインタビュー写真2

Makershipで手掛けた作品の一つ

起業するときは、自分にとても自信があって、自分ならこれもできるあれもできるって思って、起業しました。でも、いざやってみるとうまく物事が進まなかったり、アウトプットが出なかったり、仲間とうまくいかなかったりして、ちょうど1.2カ月くらい前、だんだんと自分に自信がなくなってきてしまいました。そうすると、やっぱり自分は何もできないんだという思考になり、物事が進まない、さらに自信がなくなるという負のループに陥ってしまい、初めて挫折みたいなものを、人生で経験しました。でも、その時に頼れる仲間がいたというのが一番大きくて、ETIC.のスタッフの方ないしは、一緒に事業を立ち上げている仲間、彼らも、僕みたいな経験を、もっと前にしていて、だからこそ、経験したてだから、どういう風に対処すればいいよということを、リアルに丁寧に教えてくれて、さらに自分の心に寄り添ってくれたので、そこはとてもありがたかったです。

孤独になっていたのは、ただ自分の思考が狭かっただけで、本当は見渡すと、MAKERSの仲間がいたし、ETIC.のスタッフの方は、手を差し伸べようとしてくれている。それをつかまない手はないなと気づけたのが最近で、今は自信を取り戻して。自分なりのペースでやっていけたらなと思えるようになりました。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

MAKERS全体というかMAKERSを運営しているETIC.さんに関して全て言えるのですが、やっぱり、事業だけじゃなくて、人を見るんですよね、そこが圧倒的に違うなと感じます。様々な起業家支援のプログラムがありますが、ただその事業が面白いから助けてくれたり、事業が面白いから、人やリソースを紹介してくれたり、場所を提供してくれたりすると思うのですが、一方でもし事業がうまくいかなかったら、ぽいっとされちゃうような感覚があって、けれども、MAKERSだと、事業はもちろん、ヒトに対してもいろいろと、支援をしてくれます。精神的な部分だったり、本当は何がしたいの?と問うてくれたり、そして、実際事業をやるタイミングでは、こうしたほうがいいよねと様々なメンターを紹介してくれたり、やり方を教えてくれたりということは、ものすごく衝撃的で、こんな組織団体ってなかなかないな!と思いました。

この東京で、こんなあったかい団体に触れあえるなんて、思ってなかったし、やっぱりそういう仲間がいるっていうのがものすごく心強いです。しかも、そういった仲間たちが長い歴史を作っているんですよね。MAKERS以前にも、MAKERS UNIVERSITYの前身となる様々なプログラムがあって、卒業生がいて、そういう人たちが、ペイフォワードの精神で、僕たちにいろいろ教えてくれようとしている。そしてそのペイフォワードの循環が、自分たちをまた成長させてくれるし、僕たちも絶対に下の世代に何かしてあげようと思います。

こういうお金以外の純粋な支援みたいなものを受けられるのはすごくありがたいです。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

僕は、「すきを進める場所」だと思っています。僕は技術者で、モノを作ることは得意なのですが、なかなかそれを事業化したりすることが苦手で、ただ作っているだけで終わっちゃうとか、作り終わらないということがよくあったのですが、それを実際のビジネスとして回していくときに、おしりをたたいてくれたり、こういうやり方があるよっていうのを教えてくれたる。僕みたいなアーティスト的な人間って結構いると思うんですよ。そういう人達が起業した時に陥るのが、進まない、進められない、マネジメントできないということだと思います。そういう人にMAKERSはぴったりだと思っていて、いろんな方が支援してくれるし、頼っちゃっていいと思うんです。自分の事業を進めていく、物事を進めていくことが一番大事なので、しかも好きなことでそれができる。こんな環境なかなかないと思います。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

僕はハードウェアの分野で起業しようと決めたのですが、その中でも特に、人の思いの詰まったモノづくりを広めたいなと思っています。今、周りを見渡した時に見えてくる家電やインテリアは、量産品ばかりで、消費されてしまうものばかりというのが現状です。物はたくさんあるけれど、愛着のあるものは少ないということに気づいて、量産品にしろ、インテリアにしろ、やっぱり作った人の思いが見える、誰がどういう思いで、実際誰が作っているのかということを見えるようにしていきたい、そんな家電のブランドを作っていきたいと今思っています。なぜ家電かというと、誰かが作ったもの、手作りしたものは例えば家具とか、服とかではあると思うのですが、家電に関しては、テクノロジーの部分が今まで企業の中で隠されたりしていたので、まだまだいろんな人が使える状況にはなっていないのです。だからまずは自分で作ってみて、それを発信することによって、いろんな人が、じゃあ自分も作ってみよう、って思えるような未来を作っていきたいなと考えています。さらに人の思いが詰まったものが生活の周りにあふれて、さらにそれが何世代にもわたって長く愛される、そんな製品を、商品を作っていきたいなと思っています。

(*このインタビュー記事は、2017年10月当時のものです)

関連URL

株式会社Makership

Makership ×VIVITAコラボワークショップの取り組み

その後の活躍

21歳で起業。自分でデバイスを作り出してみたいという欲求がエンジンに

高野 慎太郎さん

PROFILE

高野 慎太郎

東京工業大学工学部電気電子工学科 4年/株式会社Makership 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 2期生

幼いころから電気や機械が好きで、群馬高専、東京工業大学と進学し、電子工学を用いたものづくりを学び続ける。
大学編入後ハードウェアスタートアップにてインターンをし、ビジネスを学んだ後、21歳の時に株式会社Makershipを起業。
「ものづくりをエンターテインメントに」をコンセプトに、テクノロジーとアートの分野を掛け合わせる活動として、アーティストや企業向けのテクノロジーコンサルティングや、子供たち向けのワークショップを行っている。現在、自社商品として、プロダクトデザインや機械設計を学びながら、「家電アート」の開発を行っている。

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