MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

昆虫テクノロジーの力で食料問題を解決する。

葦苅 晟矢さん

早稲田大学大学院 先進理工学研究科2年

MAKERS UNIVERSITY 3期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていて、今、どんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?

応募前の学部時代は商学部で経営学を学びながら、模擬国連というサークル活動に取り組んでいました。
今は食料問題の解決のために昆虫コオロギを食料資源として活用する事業に取り組んでいます。コオロギは栄養価が高く、また雑食性のために未利用残渣を餌に生産することができます。このように未利用残渣からコオロギという新たなタンパク質を生産することで環境にも優しい食料生産にもなります。

さらに今はこの食料生産のシステムをアジアの新興国で展開することを考えています。タイやカンボジアには昆虫食の文化があり、食用コオロギの生産者が存在します。
しかしながら、その生産方法は粗放的であり、またそのコオロギを活用した商品開発力も不十分です。そこで日本で研究した生産技術を東南アジアの食用コオロギ生産に応用することで、現地のコオロギ生産者の所得向上にも貢献することを目指しています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

起業家ゼミに所属することで毎月同じメンターに事業の進捗を見ていただけることには期待していました。今までも著名な方に事業のメンタリングを受けることは多々ありましたが、その場限りでなかなか継続的に長期でメンタリングしていただくような経験はなかったので、その点はとても魅力的に感じました。
特に私は自身の事業のコア技術の確立を目指す中で、自分自身はもともと商学部という文系出身の学生であったために、ゼミの中でもテクノロジー領域のリバネス・丸ゼミの存在には注目していました。またMAKERS UNIVERSITYの場を通して同じように最先端のテクノロジーを志向する同世代の学生や起業という道を選んだ志の高い同世代の学生に出会うことで刺激を受けたいという想いがありました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化がありましたか?

自分が何者なのか?ということを考えることによって自分の新たな強みや弱みを発見することができました。MAKERSUNIVERSITYを通して多様な人材の輪に入ることで自分自身と自分の事業についてより俯瞰的に見ることができるようになったと思います。
これにより例えば事業を通して解決すべき課題をより深く自分視点で考えることができるようになったり、今までの自分にはない視点で考えることができるようになったりしました。
またリバネス・丸ゼミを通してテクノロジーを活用して如何に事業を進化させるかということを多角的な視点で毎回アドバイスをいただけたことは本当に貴重でした。これにより自身の事業の昆虫食と言っても、今までにはない視点でコア技術の確立に向けて動きだすことができるようになりました。

昆虫コオロギ生産の現地視察

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか??

2月の事前カリキュラムで憧れのボードメンターに1年ぶりに自身の事業についてピッチする機会をいただいたことは一番印象に残っています。
緊張しまくりで見せかけの置きにいったピッチしかできませんでしたが、憧れの人に「会ったことがあるだけの人」になるのではなくて、憧れの人とぐっと深い関係になるには、自分の立ち位置がしっかりできていることが大事だなと痛感した良い機会になりました。またその方から短い時間の中で人間として一番大事なこと、起業家として貫通すべき大切な「信念」を教わりました。おかげで広い視野に立ち戻らさせていただき、そのピッチを節目に、見る世界が変わった気がします。これからに向けての大きな宿題をいただいた気分になり、とても印象に残っています。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

これだけ多様性のある異能な起業志向の学生が集まるコミュニティは他になかなかないと思います。集まる同世代の学生のこれまでのバックグラウンドが本当に多様で、手掛ける事業領域も良い意味でバラバラだと思います。このような多様な学生が数十人と集まるコミュニティは人数の規模的にも他にはないのかなと思います。多様な人材が多く集まるMAKERS UNIVERSITYだからこそ、そのコミュニティの中でお互いの持つリソースや情報を交換をできるのは他にはない大きな魅力だと思います。

また単に起業に必要なビジネススキルや知識を学ぶ場でないということが他の学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールとは大きく違う部分だと思います。合宿やゼミを通して単なる座学では得られない起業家、人としての生き方を多く学べるところは他にはない魅力だと思います。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?どんな存在ですか?

どんなに事業でバタバタしていても、ここでは少し立ち止まっても良いと思えるような場所です。MAKERS UNIVERSITYという場は普段はなかなかできないような深い自己内省ができる存在です。落ち着いて数時間自分自身を見つめ直すようなワークショップなどを通じて普段の生活では気づくことのできていなかった自分の長所や欠点を見つけることができるような場所になっていると思います。

また自分とはバックグラウンドも事業領域も全く違って普段の生活ではなかなか出会うことのないような同期の事業の話は自分の場合はどうだろう?と今までとは異なる視点で自身の事業を見つめ直す良い機会になります。このように多様な志の高い同期に囲まれながら自己を内省することで、明日への英気を養う存在です。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

この地球に眠る未利用資源を食料資源として有効活用することで食料問題を解決したいと思っております。その一つが地球最大の未利用資源とも言われる昆虫です。昆虫食の面白いところは昔から食料資源として扱われてきた歴史・文化があることです。この昆虫食を通してどこか懐かしい未来食を創造したいと思っております。

また、現在研究開発を進めている昆虫コオロギの生産技術をもとに経済的にも環境的にも持続可能な新しいオープンな食料生産の形を創造したいと思っております。これによりこの地球のどこでも誰でも食用コオロギの生産に参入することができる世界を作りたいと思っています。これによりアジアの新興国で食用コオロギを生産することで現地の人々の生計向上に貢献したいと思っています。世界の人々の昆虫に対する認識を変えて新しい昆虫食産業・文化の創造をしたいです。

その後の活躍

ソーシャルイノベーターに聞く「コオロギで世界の食糧危機を解決したい」

主な経歴・受賞歴

・経産省University Venture Grand Prix 2015 大賞
・文部科学大臣賞 2016
・TOKYO STARTUP GATEWAY2016 最優秀賞
・森永製菓株式会社アクセラレータープログラム2017 優秀賞
・日本アントレプレナー大賞 2018 部門賞 など

PROFILE

葦苅 晟矢

早稲田大学大学院 先進理工学研究科2年

大学に入学後、模擬国連活動をきっかけに食料問題と昆虫食に興味を持つ。早稲田大学商学部卒業後に理転して同大学院先進理工学研究科に入学。現在、株式会社ECOLOGGIEの代表としてビジネス展開とともに、早稲田大学と東京農工大学と共同で昆虫テクノロジーの社会実装を実現するための研究開発に取り組んでいる。

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