MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

障害を持って生まれたことによる「やりたくてもできない」という状況を0にする。

山本 亮輔さん

慶應義塾大学環境情報学部2年 / 株式会社エラフルー 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 6期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

MAKERSに応募する前は、障害を持った子供たちの親自身が、体調不良・兄弟の用事・祖父母の介護などによる急な用事ができた時に、子供を見てもらえる場所がないという課題を解決するために、障がい児限定のシッターサービスの仮説検証をしていました。

もともと弟のような障害を患った人たちの課題を解決するプロダクトを開発して、障害領域でのイノベーションは起こしたいと思っていたのですが、チームメンバーも一人で、事業を興す領域だけ決めていたというのが応募前の状況になります。しかし、障害領域で事業を興したいということだけは、昔から思っており熱意だけ持って応募したのを覚えています。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

現在は、特別支援学校と言われる障害を持った子供たちが通学する支援学校に通学する生徒向けのアトリエ教室やアートイベントをやっております。習い事のようなもので、ヘルパーさんが子供にマンツーマンで付き、子供たちが自由にアートを通した創作活動を行えるようにサポートしています。

背景としては、障害を持った子供たちは、健常児と比べ、学校外での選択肢が少ないことが問題となっております。そして、障害を持っているが故に、アトリエ教室に通うことができず、アートを通して他者と交流して創作活動を行うといったことができない状況にあります。私たちは、そのような課題を解決するため、障害を患っている子供たちに対してをアトリエ教室やアートイベントを開催しています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERSには、同じような高い志を持った仲間ができることを期待して応募しました。また、自分はMAKERSに応募した時は、障がい児のシッターサービスのアイデアと少しの仮説検証だけで応募したので、自分より先のフェーズで事業を回している人から、たくさんの刺激を受けたいと思い応募しました。また、MAKERSのHPに書いてある通り、日本の最前線の起業家との接点も持てるかなと思い、私が尊敬する経営者から、お話を聞きたいという期待感を持って応募しました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

実際にMAKERSに参加してみて、2つ変化がありました。1つ目は、MAKERSのプログラム途中でアトリエ教室の事業へピボットした後、MAKERSを通して出会った投資家から資金調達を行い、チームメンバーを集め、アトリエ教室のユーザーを増やすまで事業をスピード感を持ってブーストさせることができたことです。

2つ目は、MAKERSを通して最高の仲間を得られたことです。事業のゼロイチをやっていると、すぐ壁にぶち当たったり、悩みがたくさんあるにも関わらず、気軽に相談をできる相手が少ない中で、事業はもちろん人生相談をできる人がMAKERS生にいて、人間としても成長できていると実感しています。

Q.
水野ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである水野さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

水野ゼミは自分にとって最高の環境です。水野ゼミのメンタリングでは、直近の会社の経営課題の相談をしたり、一流の経営者としてどうあるべきかなどを学び、毎回のゼミのたびに、視座がとても高くなります。

また、自分自身が高校三年生の時にLife Is Tech!に通っており、経営者の水野さんだけでなく、Life Is Tech!の提供するプロダクトの凄さを肌で実感しております。そして、Life Is Tech!のようなイベントを開催し、自社のテナントを展開していくモデルが、弊社のやろうとしているロードマップにとても近しいものですし、参考になります。また、水野ゼミのメンバーもアットホームで合宿に行ったり、いろんな相談をしあえる仲で、とても頼りにしています。
※Life Is Tech!:https://life-is-tech.com/

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

一番印象に残っていることは、花まる学習会代表の高濱正伸さんと繋がれたことが一番印象に残っております。高濱さんは、私が小学2年生から通っていた花まる学習会の代表であり、脳性麻痺の障害を持ったお子さんがいるとのことで、お話ししたいと前から思っておりました。そしてMAKERS内のプログラムで繋がることができ、実際に自分が障害領域で起こそうとしている事業にとても共感してくださり、投資までしてくださいました。今でも、事業相談をさせていただいたり、アトリエの関係者の方と繋いでいただいたりしています。本当に感謝しています。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

MAKERSに入ってからこそ得られたこととしては、事業相談だけでなく人生相談もできる仲間ができたことが一番大きい部分です。私はそもそも大学1年生の時にMAKERS UNIVERSITYの6期生として入ったので、年上の先輩がたくさんいる環境に飛び込めました。そして、事業が0→1でキャッシュも産めていないフェーズで入ったので、事業のゼロイチのノウハウだけでなく、受託で会社として大きくしていくやり方、コネクションの作り方から、バックオフィスのやり方から、人生における悩みまで、全て相談できる環境だったので、MAKERSがあってよかったなと、とても感じています。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

MAKERSが他と違うところは2点あると思っています。一つ目は、メンターやMAKERS応援団を囲む会で来てくれる起業家が、実際に今の日本で最前線で活躍されている起業家であるということです。他のプログラムと違い、自分からコンタクトを取っても会えないような起業家とも繋がることができます。
また、もう一つは、参加している他のMAKERS生の質が単純に高いことだと思っています。覚悟ができていて、課題に心から向き合い、実際にアクションを起こしており、会社を成長させている起業家もたくさんおり、とても刺激を受けています。

※MAKERS応援団を囲む会とは?:月に1回くらいの頻度で、上場経験のある起業家など、百戦錬磨の起業家兼エンジェルを囲む会を少人数で開催します。(1期~6期生も合同)ここに集まるエンジェルは、ピュアにペイフォワードの気持ちで次世代の起業家を応援したい素敵な先輩起業家ばかりです。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

事業を本気で加速させられる場です。MAKERS UNIVERSITYにいると、周りのMAKERS生からの刺激、起業家とのメンタリングを通じて、事業を加速させることができると思っています。MAKERS生との近況報告などは合宿などのプログラム以外にもするのですが、その度に自分よりもさらに加速させていて、置いて行かれていると尚更頑張らなきゃと思えます。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

私が実現したい未来は、生まれつきハンディキャップを患ったことによる「やりたくてもできない」ことを0にすることです。これは、障害者のような生まれつきの先天的なハンディキャップを患ったことによって、ハンディキャップを患っていない人ができる選択を「やりたくてもできない」状態を0にすることを意味します。

特別支援学校に通学する小学生もアトリエに行きたい、ディズニーで働きたい、地元の友達と遊びたいなど、「やりたい」ことはたくさんあります。しかし、先天性の障害を持って生まれたことにより、それらの選択を諦めざるを得ない状況がこの社会にはあります。それらの障害を持って生まれたことによって、「やりたくてもできない」という状況を0にする未来を自分は活動を通じて実現したいです。

(*このインタビュー記事は、2021年9月時点のものです)

関連URL

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株式会社エラフルー公式Instagram

メディア掲載歴

u-29.com『アート教育を届ける!株式会社エラフルー 代表 山本亮輔さん(@Ryosuke_Yamamot)にきく、障害を持っている人を囲む社会の課題』
パーパスキャリア
zetty.com『「障がい」が身近にあったからこそ、僕は当たり前にその領域で挑戦する。』
PR TIMES『慶応・藝大生が障害を持つ子供向けのアートイベントを行う新規事業を開始【株式会社エラフルー】』

PROFILE

山本 亮輔 慶應義塾大学環境情報学部2年 / 株式会社エラフルー 代表取締役
2001年生まれ、神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学環境情報学部在学中。高校在学中にシード期のスタートアップでのエンジニアとしてのインターンや、フリーランスエンジニアをした後、MAKERS UNIVERSITY3期生の小川嶺さんが社長を務める株式会社タイミーの新規事業部でのインターンでフードデリバリーサービス「タイミーデリバリー」のゼロイチに携わる。後に、発達障害ポータルサイトを運営する株式会社LITALICOの発達ナビ事業部の編集部でのインターン後、特別支援学校に通学する生徒向けのアートイベントなどを行い、株式会社エラフルーを創業。
10歳下に重度の障害を持つ弟がおり、育児に9年間携わり、障害を持ったものを囲む社会に課題を感じ、障害を持った人への事業を展開している。

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