MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

「資本主義の逃げ場」を創り、今の社会を共感資本主義社会にアップデートする。

池田航介さん

北海道大学環境科学院 / 株式会社Perma Future代表取締役

Q.MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

大学1年生の時に、研究室や農家のフードロスの野菜を使った食育メインの子ども食堂を創って、一食300円とかで実施していました。
地元の人ともフードロスの食材を使ったレストランを開催し、自転車経営をしていましたが、だんだんと自分のポケットマネーが減っていくことに焦りを感じていました。コロナを機にそれらの事業は閉じ、新規一転、様々な国や全国各地の農家を巡る旅に出ました。その時に出会ったエコビレッジという自給自足の暮らしをしている村があるのですが、その出会いが今まで私が探していた「幸せとは」の問いに答えてくれたような気がして、2020年にPerma Futureを設立し、「人の想い、自然の恵みが循環する共感を基本とした社会を創りたい」と思いコミュニティ事業や教育プログラムなどを仕掛けてきました。

Q.現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

1つ目は地球視点を持つ生き方やライフスタイルを伝えるために「EARTH MIND」という健康茶ブランドを創って広げています。エコビレッジでできた大量生産できない貴重な葉をブレンドし、「地球からのおすそわけ」として広げています。

2つ目は「No 農 No Life」略して、「ののの」というサービス。簡単に言うと農業×ワーケーションのサービスをしています。
エコビレッジに住んでいなくても、どうしたらもっと自分のライフスタイルをより持続的で幸福度の高いものにできるか、と考えた時に、私の考えは「農」を暮らしの中に取り入れることでした。しかし、都会に住んでいるとそれも厳しい。だからこそ、日本にある緑豊かな土地で農業とワーケーションを組みあわせたら、普通のワーケーションよりも半額近くで実施でき、加えて農家の労働問題解決にもつながると思いこのサービスを広げています。

Q.MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERS自体は大学1年の時にそんなものがあるということ自体は知っていました。(子ども食堂をやっていた時ですが、特段応募しようとは思っていませんでした。)
大学3年になりPerma Futureを立ち上げ、これから本気でこれで人生を仕掛けていこうと思ったタイミングで、MAKERSの応募がちらっとFacebookで横切り、改めて深く読んでみて応募するならこのタイミングしかないと思いいたりました。何より、「全校生徒、革命児」って激アツじゃん!絶対おもしろい!とよんでいてワクワクした記憶があります。
今まで自分で団体を立ち上げたり、旅に出たり、いろんなことをしてきてい、気の合う友達はいましたが、なんとなく孤独だったり気軽に相談できる人がいなかったような気がします。それをここだときっととんでもなくおもしろい人が集まってくるんだろうなという漠然とした希望を持ち参加しました。面談の時も、MAKERSはビジネスモデルに合格を出すのではなく「人」に合格を出す、と聞いてビジコンとかがあまり好きではなかった僕には響きました(笑)。

Q.実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

何よりも大きいのは、気軽に相談できるとんでもない友達が増えたことです。なにかに悩んだ時、躓いたときに本当に気軽に相談できるのはMAKERSの友達です。
そして、そういうすごい人達に囲まれいているからこそ、自分の当たり前の基準が大幅に変わった気がします。環境がその人を創るとはその通りで、自分の中の基準がMAKERSの参加前とは全然違う実感があります。実際自分が初めてブランドを創る時、すでに創っているMAKERS生が沢山いたし、クラファンやるときも、とんでもない金額を集めているMAKERS生が沢山いて、その人達と先輩後輩とかそういう関係でもなく単純に友達として相談できることが何よりもよかったです。

Q.荻原ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである荻原さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

荻原さんの存在自体が僕の人生にとって衝撃的で、起業家として生きる上での一つの目標であり、勝手にロールモデルにしています。(笑)
最初ゼミに参加するとき、僕は何かを得るためにしっかり準備してこなくては、と思いスライドを創り込んでいたのですが、実際荻原ゼミは何でもOK なんです。事業フィードバックを求めれば適切なフィードバックをしてくれるし、心が疲れた時は心のケアをしてくれるし、何も進んでいなくてもそういう時期なんだからそれはそれでOKなんです。起業家はこういうもの、事業をしていくにはこういう人間でなくてはいけないという自分の固定観念を良い意味で壊してくれました。
荻原さんのフィードバックの仕方や経営者としてのスタンス自体が自分にとっては大きな学びとなりました。

Q.MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

2月に事前カリキュラムという長期間の合宿があるのですが、私たち第6期はコロナの影響で、MAKERS史上初のオンライン開催でした。しかし僕は耐え切れず、こっそりメンバーに声をかけ集まれるメンバーでエアビーを借りてミニ合宿を開催したんですね。(運営側にはばれていたかもしれませんが笑)
東京にいるメンバーで10人前後集まり、日中はMAKERSのコンテンツを受け、午後はみんなで夜まで語りあう。みんな経験してきたこと、やっていることは違うけれど自分の実現したいことに向けて走っている姿は本当にいとおしいなって感じていました。「VISIONが先か、金が先か」「愛とは」とかそんな哲学的な問いを語りあったことも鮮明に覚えています。解のない問いに自分なりの解を見出し、そしてそれを正解にするためにみんな動いているのだと。

※事前カリキュラムの詳細についてはこちら : https://makers-u.jp/syllabus

Q.MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

めちゃくちゃすごい最高の友人ができたことです。困った時やメンタルが落ちた時に連絡しても絶対話を聞いてくれるし、道は違えど同じように挑戦しているMAKERSの友達の存在がとてもありがたいなと思います。
いつも一緒に山に登っている友人もMAKERSですし、毎月誰かとご飯なり飲みなりに行っているような気がします。またSNSであまり連絡をとれていなくても、頑張っている姿を見れたり、全く新しいことを始めていたりしていても、合宿で濃い時間を過ごしたからこそ陰ながら応援しあえる仲が素敵だなと思います。いつか一緒に仕事がしたいな、と思う友達が沢山出来た気がします。

Q.学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

1つは、MAKERSはビジコンやアクセラというよりも、コミュニティということです。単純におもしろいやつらが集まっている一つの教室です。スタートアップよりの人もいればNPOよりの人もいるし、アーティストみたいな人もいるし、なんでもありなのがMAKERS。事業を育てるというよりも1人の人間を育てる場所な気がします。なぜ自分がこれをやるのか、なぜ今やるのか、私が本当にやりたいことはこれなのか。そんな問いを考え続けます。事業が進んでいることが良いわけではなく、止まってもいいし、変えてもいい。他の起業支援やアクセラとは全く違う異質な場所な気がします。

2つ目は、本気で起業家を支援したいということが伝わってくることです。他のプログラムはどうしても株式会社がやっていたりして、どこかフロントエンド感があり、見返りや拡大を狙っているようなにおいがします。しかしMAKERSは毎年決まって50人なので。

Q.あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

「カオスな教室」。共通点はみんなそれぞれが自分が作りたい世界に向けて挑戦をしているということ。
それ以外はバラバラ過ぎてカオスな空間(笑)。イケイケなザ起業家っていう人もいるし、とても難しい社会課題に挑んでいる人もいるし、自分のスキルを極めている人もいる。議論はしても、否定することはなく、MAKERSの期間が終わってもお互い応援しあえる友達ができる場所だと思います。MAKERSに留年制度を創ってくれたら、喜んで留年します(笑)。多分MAKERSに入っていなかったら今自分がやっていることも価値観も全然違うんだろうなって思います。

Q.あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

私は「資本主義の逃げ場」を創りたいと思い活動しています。利益中心、効率重視、成長が絶対、という今の資本主義社会に合う人は良いけれども、それに合わない人は省かれ、結果的に様々な社会問題を生んでいます。そうではなく、エコビレッジのように「農」を中心の生活を創っていけば、お金にとらわれず、もっと身近なものに共感し、感謝が循環する社会ができると信じています。
今の社会を共感資本主義社会にアップデートすること。そしていつでも逃げれるエコビレッジのような場所を増やしていくこと。そうすることが結果的に環境問題も貧困や精神病といった社会問題すべての解決につながるのではないかと考えています。そしてそれが私が今やっているEARTH MINDや農業×ワーケーション「ののの」を通じて実現したい世界です。


(*このインタビュー記事は、2022年10月時点のものです)

関連URL

幻の健康茶EARTH MIND
農業×ワーケーション「ののの」
4泊5日の教育プログラム「地球散歩」

メディア掲載歴

ココカラアース「エコビレッジから環境問題の解決を目指す〜株式会社Perma Future代表 池田航介〜」
家業ラボラジオ「「継ぐ」にプラスアルファを求めて!青果卸業八代目の新しい挑戦とは|#05 池田航介さん(前編)」
U-29ドットコム「エコビレッジが示す幸せとは?Perma Future 池田航介に聞く半農半Xの可能性」

PROFILE

池田航介 北海道大学環境科学院 / 株式会社Perma Future代表取締役
オランダを視察したことや全国各地の農家やエコビレッジを見て回ったことで、人間の本質的な幸せとは何かという問いを持ち、環境と経済と幸せの両立を目指すため2020年にPerma Futureを設立。エコビレッジ発の健康茶ブランド「EARTH MIND」や4泊5日の教育プログラム、「地球散歩」農的な暮らしを広げる農業×ワーケーション「ののの」を創り反資本主義的な考えのもとサービスを広げている。

戻る