MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

弱さを見せてもいいプログラムはMAKERSだけじゃないかなと思います。

岡田美優さん

早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科 博士課程4年 / 一般社団法人Knocku 代表理事

MAKERS UNIVERSITY 6期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

MAKERSに応募する前は、とにかく車いすバスケットボールに夢中でした。修士課程でパラスポーツの研究を行いながら、週5でチームの練習に通い、遠征や大会などにも出場し、ほとんど毎日パラスポーツのことやチームが日本一になることを考えて生きていました。修士課程を終えた後の進路を考えていた時、どうにかパラスポーツに関わり続けられる仕事が出来ないかと悩み、自分でパラスポーツを仕事にする起業という道を考えるようになりました。その年に思い切ってチームを辞め、博士課程に進学し、MAKERSを受けました。その時はコロナ禍でスポーツ活動はほとんど出来なかったため、任意団体としてパラスポーツのオンラインコミュニティやSNSの運営を行っていました。パラスポーツコミュニティの活動でネットワークを広げ、SNSで活動を発信していく中で、学校でのパラスポーツ研修の依頼を受けるようになりました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

現在は新宿区と千葉市を拠点に、パラスポーツの地域スポーツクラブを運営しています。クラブは5つのカテゴリーに分かれていて、トップチーム・セカンドチーム・アカデミー・チームスタッフ・ボランティアスタッフという分け方をしています。私が最初にパラスポーツに関わった時に専門性・コミットメントの高さから関わりづらさを感じてしまったことや、強いチームでマネージャーをしているときに、子どもたちや初心者の人がチームに入れずに残念がる姿を見る中で、様々な人たちが自分に合った形で自分のライフステージなどに合わせてパラスポーツに関われるようにしたい。そんな想いから、複数カテゴリーを設けています。クラブの活動を継続・拡大していくために、パラスポーツイベントやパラスポーツ研修・講演会の運営なども行っています。


Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

まわりに同年代の起業家が少なく、活動について相談できる相手や共感してくれる相手がいなかったので、同じような想いで活動する仲間と出会いたいという期待感で応募しました。実際、過去にMAKERSに参加していた先輩方はとても素敵な起業家の方々ばかりだったので、その一員になりたいという気持ちもありました。また、その時は起業前だったので今の活動をどのようにしていくのか決断するうえで、様々な人からフィードバックをもらいたいという想いもありました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

MAKERSのプログラムを通じて、より自分のことを理解できるようになったことが自分にとって一番大きな変化だったと思います。MAKERSのプログラムの中では、事務局の細田さんや内野さんが作り出す独特の雰囲気によって、MAKERSメンバーのみんなが自分自身のことを本音で語れる安心感がありました。
今までは会社の代表として気を張って自分を強そうに見せなくてはいけない場面が多かったのですが、プログラムの中では一見順調に見える人が実は大きな失敗をしていたり、悩みを抱えながら進んでいたりといったことを赤裸々に語っていて、完璧じゃない自分を表現してもいいんだと思えました。私は今まで自分がなぜいまの活動をやりたいのか自分で理解していたつもりでしたが、MAKERSの仲間と何度も本音で対話をしていくなかでもっと奥底にあった自分の内面を知ることができました。ここまで自分と向き合ってくれる仲間は他では絶対に見つからないと思います。

Q.
毛受さんや駒崎さんが自分自身や事業に与えた影響、メンターである毛受さん、駒崎さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。2ゼミ、それぞれ分けて書いていただいても構いません。

毛受ゼミ
毛受ゼミでは毎回メンタリングの時に保健室トーク(お悩み相談・共感ベース)か魔神トーク(厳しめなフィードバック・乗り越える壁)
か選ぶことができて、自分の状況に合わせてフィードバックをもらっていました。なので、序盤はわたしの営業プレゼンについてガンガンFBをもらい、終盤自分のメンタルが崩れた時にはじっくり対話をして私の内面と向き合ってもらいました。自分の軸やパーソナリティを改めて捉え直すことができ、自分のキャリアやビジョンを再考することができたという点で大きな影響があったと思います。毛受さんはほんとにお父さん、みたいな感じでした。

駒崎ゼミ
駒崎ゼミでは、これまでどんぶり勘定でやってきた事業計画から、細かな数字でKPIや価格設定、収支予測ができる事業計画書がつくれるようになったことが大きかったと思います。駒崎ゼミで財務モデルをつくるようになってから、プライシングの基準やKPIの立て方をより合理的に行えるようになりました。駒崎さんのゼミではゼミ期間終了後もメッセンジャーグループで誕生日を祝い合ったり、なにかで賞を取った時も祝福したりと、いまでも励まし合えるコミュニティになっています。
毛受ゼミにも、駒崎ゼミにもどちらも入れて本当によかったです。

駒崎ゼミについて:https://makers-u.jp/people/makersfile/news/post-5410

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

最後の合宿ですかね。私達6期生はコロナ禍でプログラムに参加していたので、最後の合宿以外はすべてオンライン開催でした。最後の合宿で初めてメンバー全員と対面して、夜遅くまでワイワイやっていたことが一番印象に残っています笑 合宿中に休憩が挟まるとたいていの人は時間内に戻ってこないし、内野さんと飛鳥さんはそれを想定してゆるく進めてくれるし、笑 でも皆自分のプレゼンや他の人へのフィードバックになると真剣に、一生懸命向き合ってくれる、そんな感じの空間がすごく居心地がよかったのを覚えています。夜の飲み会は3軒もはしごして、みんなベロベロだし、酔っ払うとほんとに普通の人間だし、ますますMAKERSの皆のことが好きになりました。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

一生物の仲間ができたことですかね。私はMAKERSでできた友人といまでも飲みに行ったり遊びに行ったり、時々相談に乗り合ったり、一緒に仕事したりといった縁が続いています。SNSでも仲間が頑張ってる姿を見ると励まされ、「私も頑張ろう」と思わせてくれます。中には、私の活動に対し寄付してくれた仲間もいます。この先もそれぞれの夢に向かって助け合い励まし合える仲間がいることがどれほど心強いかわかりません。MAKERSがなければもしかしたら今の活動はしていなかったし続けられなかったと思います。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

弱さを見せてもいいプログラムはMAKERSだけじゃないかなと思います。他のアクセラでは一人ひとりの内面や弱さと向き合うプログラムはなく、「審査員やメンターに求められている良いプレゼンをすること」や「事業が上手くいってるように見せること」が求められるように感じます。もちろん事業を進める上ではそのようなプログラムも必要だとは思いますが、心のモヤモヤによって事業がうまく進まないこともあると思うので、抱えている悩みを吐き出すことも事業を進めていくうえで重要なことだと思います。また、助け合える仲間がいることはなによりの財産だと思います。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

どのコミュニティに行っても見つからない、ぶっとんでる問題児たちが奇跡的に同じ時間を過ごしている日本一カオスなコミュニティですかねぇ。MAKERSにいる人達はほんとに変な人ばっかりで、自己紹介聞いてるだけでとにかく面白いです。6期のプログラム初日も、ときめきを可視化?歌舞伎町の社会学?藍染?ツツジ?というように常にはてなマークが飛ぶような自己紹介で、普通に生活してたらこんな人たちに絶対会わないだろう人たちとMAKERSでは一気に出会うことができます。こんな多様性に溢れた人達が同じ時間を共にすることってほんとに奇跡に近いことだと思います。この多様性あふれる問題児たちを取りまとめているMAKERSコミュニティ、本当にすごいです!いつもありがとうございます。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

私はパラスポーツの活動を通じて、障害のある人たちが普通に街中にいて、他の人と同じ様に日常を過ごしていて、障害のある人とない人が一緒にいることが当たり前になっている世の中にしたいなと思います。最近はパラリンピックなどの影響で、障害のある人たちが当たり前に健常者と同じような生活を送り自己実現していく姿が見られるようになりましたが、まだまだ世の中には家や病院から出てこない人たちや福祉サービスの範囲の中だけで生活している人たちがほとんどです。現在は日本の障害者福祉制度や権利条約によって障害者が最低限の生活が担保されてきていますが、これからの社会では健常者と同じように障害者が「よりよく生きる」ためのサービスが必要になってくると思います。こうしたサービスを提供するのは、私達のような民間の非営利団体の役割だと思うので、よりよい未来に向けて今の活動を続けていきたいと思います。


(*このインタビュー記事は、2023年9月時点のものです)

関連URL

一般社団法人Knocku

メディア掲載歴

・Drive メディア 2020年3月9日
・毎日新聞 2020年11月27日 2021年7月31日
・朝日新聞 2021年3月19日
・TOKYO MX プラス東京インフォメーション 2021年9月10日
・月間バスケットボール 2021年12月
・スポーツイベント・ハンドボール 2022年1月
・スポーツイベント・ハンドボール 2022年2月
・NHK おはよう日本 2022年2月24日
・NHK おはよう日本 2022年2月25日
・東京新聞 2023年7月
・スポーツイベント・ハンドボール 2023年9月

PROFILE

岡田美優 早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科 博士課程4年 / 一般社団法人Knocku 代表理事
特別支援学校の教員である両親の影響と、11年間のハンドボール競技経験からパラスポーツに興味を持つ。大学4年生の時にトビタテ!留学JAPANプログラムでドイツに1年間留学し、ドイツの各地域にあるパラスポーツクラブを巡り、ドイツ車いすスポーツ指導者資格を取得する。帰国後、早稲田大学大学院に進学するとともに東京の車いすバスケットボールチームでマネージャーとして2年間活動する。活動する中で、もっと多くの人たちにパラスポーツに関わってもらいたい( する、みる、ささえる) という想いを持つようになり、自らチームを設立するため2022年に一般社団法人Knockuを設立。現在は、障がいのある人もない人も共に参加できるパラスポーツクラブを運営している。

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