MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

人類社会の価値の源泉は研究だと思う。だからこそ、私は研究者が研究に集中でき、本質的な問題に取り組める環境を提供したい。

加納保昌さん

奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術専攻科先端科学技術研究科情報科学領域情報理工学博士後期課程1年 / 株式会社Tleez 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 7期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

MAKERS 1期の時にMAKERS UNIVERSITYの存在を知り、雇われるのに向いてなさそうなので、起業したいと思った。
当時はSNSもほぼやらず、起業に関わる友達もゼロ、知識もゼロ。一人で家庭教師のマッチングをやってみようと思ったが、なかなかうまくいかなかった。その後、起業にはプログラミングが必要だと思ってパソコンを買い、ETIC.のTSGというビジコンにも参加したが、すぐに落ちた。

そして、起業には人の心を動かす能力が最も大事だと思った。
全人類の過半数の人と直接コミュニケーションがとりたかったので、中国とグアテマラに留学し、日英中西語を習得した。
MAKERS UNIVERSITYの2期と3期は、書類選考で落ち、4期は応募し忘れ、5期は合格したが中退した。その後、エンジニアの友達を集めるため、価値創造の源泉である研究に詳しくなるため、そしてニッチな分野で世界一になるため、理転して大学院に進学。
その後同時翻訳の研究に没頭して自信をつけ、7期生として、入塾。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

大学院では、話し手が話し終わる前に翻訳を始める自動同時翻訳の研究をしている。そこでAI技術の本質を見極め、自ら研究者として技術的革新を起こし、それを自社でのAI開発に活かしている。

自社で行っている受託開発では強みである言語系のAI(自然言語処理)を活かしたプロジェクトをやっている。
言語とコンピュータが好きなので、それらを応用できて誰かの役に立てるとこを探していると言う感じ。困っている人をまず見つけ、その人の課題を解決するために、自分の強みや面白いと思うことを活かせないかと考えるようにしている。
また、新規事業でコピーライティングの自動生成にも取り組んでいる。最近は質の良いものより売り方がうまいものの方が売れるような風潮がある。
だから、質の向上のためものづくりに集中できるように、誰でも簡単にプロレベルの宣伝文句を生み出せるようにしたいと思った。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERS1期の募集の際にMAKERS UNIVERSITYの存在を知りほぼ毎年応募を考えていた中での、四度目の応募だったので、7期応募開始時は、今年こそは入塾!という強い気持ちがあった。
5期応募の時も、今年こそは入塾!という強い気持ちがあったが、5期の時は周りに起業とかしている友達も皆無で知識もほぼなかったので、起業に必要な知識や人脈、友達が手に入ればな〜とだけ思っていた。
あとは、なんか塾生が皆キラキラしているように見えたし、メンター陣もキラキラして見えたので、僕もキラキラしたところに入ってみたいという気持ちがあった。あとは、なんかワクワク楽しそう!という感じがした。異端児的な人が多くて、気が合う友達ができるかな〜という気持ちで応募した。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

代表的な起業家の講義がMAKERSの合宿の時にあって、自分が全く知らない生のビジネスの知識を知ることができた。
あとは、他の塾生のプレゼンを見て、起業家がメンタリングするのを見たのもかなり参考になった。自分が全く知らないような領域や文化などを専門を知ることができ、なおかつその分野の同世代の仲間と出会えると言うのはすごいことだと思う。
比較的、色々な経験をしてきた方だと思うが、それでも自分の知っている世界はまだ狭かったと感じさせてくれた。この小さな地球という星も、まだ知らないことだらけなんだなと改めて自分の小ささを実感した。

また、自分より事業のフェーズが進んでいる人も多く、良い刺激となった。
起業家ゼミも月1回というのは良いペースで、そこで話すネタを作るために、できるだけ進捗を出そうと、自分にもプレッシャーをかけることができたし、何か困った時はメンターも親身に乗ってくれたのでよかった。

Q.
小笠原ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである小笠原さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

まず見た目がかっこいいなと思った。髪の色や肌のツヤ、服装などにも気を使っている感じがして、モテそうだと思った。
また予定が詰まっているはずなのに、心に余裕があり、モテそうだと思った。小笠原さん本人も今現在進行形で、新しいことに挑戦しているので、親近感が湧いてよかったし、自分も何歳になっても挑戦し続けたいと思った。
小笠原ゼミは、結構ゆるくて、圧迫感がなく、リラックスムードなのがよかった。

その一方で、他ではあまり相談しづらい悩みがあるときには、真摯に考えてくれてサポートしてくれるのもありがたかった。
他のメンバーが「ヴィジョンないです」と悩みを相談した時に、「別にヴィジョンとかなくてもいいんじゃない?」と、ヴィジョンを大事にする人が多いMAKERSでおっしゃってたところが印象的だった。
多様なメンバーがいて、分野も違うので、皆やってることに統一感がなく、そこがまた面白いと思った。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

MAKERSに7期生として再入塾したことと寄附したこと。

僕はMAKERS1期の時ににMAKERSの存在を知り、2期落ちて3期落ちて4期応募し忘れて5期受かって途中まで参加したのに中退して、6期は修行期間で応募せず、7期生として再入塾している。
MAKERSのプログラムを最後まで楽しめそうな状態になるまで7年かかっているので感慨深い。7年というと、小学生が大学生になるまでくらいの期間。その間当然色々あったが、結局ここにまた落ち着いたというのは自分でもなんか感動の涙が出てしまう。

さらに、MAKERSは寄附で成り立っているコミュニティであり、そこに現役7期生として寄附させていただいた。
事業はまだまだだが、最低限寄附できる状態にはなったし、それをまず最初にMAKERSに寄附できたことが嬉しい。このMAKERSと出会った7年によって、その寄附ができるまで成長することができた。

※加納くんの寄付についての記事はこちら : https://makers-u.jp/people/makersfile/post-6570

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

自分では全く想像できないビジネスをしている人がいる。
例えば、5期生だと村の葬式をやっている塾生とか、7期だとギャルを企業に派遣してブレストする塾生とか。これはなかなか他のコミュニティでは出会えなかったと思うし、その存在も気づかなかったかもしれない。最近はメディアとかでもよく取り上げられるようになって知名度も出てきてるMAKERSメンバーも多く、すごい。
自分の事業を伸ばすことにももちろん役立っているが、自分の視野を広げるという役割も大きく持っている存在だと思った。
また、その視野を広げることによって、塾生同士で協力しあって新しい事業を一緒にやったりすることができるのも楽しい魅力の一つ。また、視野が広がるとみえるものが増えるので、普通に生きてて、人生がより楽しくなると思う。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

正直にいうと、最初はMAKERS以外全く知らなかった。MAKERSに入って初めてアクセラなどという言葉も聞いた。

最近思ったのは、ここはお金稼ぐのが得意な人や、社会起業的なことが得意な人、好きなことをとことん突き詰めるのが得意な人、色々な人がごちゃ混ぜになっているのが面白いなと思った。得意とする専門領域も皆バラバラなので、いろんな人と会えていろんな新しい刺激や視点を得られるのがいいなと思った。
ただビジネスの知識を得るだけならTwitterを有効活用したり本読んだりすれば身につくので、いろんな面白い人と直接会って話せるとこが魅力的だと思う。
ゼミとかも毎月あって自分より事業経験豊富な先輩がメンターとなって相談乗ってくれるし、ゼミでも自分と違う分野で違う価値観持った人の話聞けるので面白いと思う。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

一言で表すという質問なのに300~400文字程度で記入という制限が書かれていて笑ってしまった。

そうですなぁ。一言で表すなら….「愛」ですかね。
みんなそれぞれが愛する対象が異なるが、その対象としっかり向き合って、事業や活動に結びつけているって感じ。そしてその愛が強い故、メンバー間でも衝突が起こることがあるが、そこも良い経験になってるなぁと思う。
皆、いわゆる一般的な人ではなくそれぞれがそれなりの苦労をしてきているというのは共通してそうだけど、これだけ色々な価値観持つ人が一つのコミュニティに集まるというのはすごいなぁと思う。

えーさらにもう一言言うとですねーーーーーーーーーーーーーーー
「面白い!」

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

とりあえずなるはやで2兆円くらい稼いで、そのうちの1兆円で研究所と研究者育成機関を作りたい。
人々はGoogle検索ですごく生活が豊かになったが、googleにはインターネットが、インターネットにはそれを生み出す開発者が、その開発にはそのアイディアの基礎を生み出す研究が必要であったと思う。

私は人類社会の価値の源泉は研究であると思う。しかし、現状では、研究だけに集中できる環境にいる研究者というのは非常に限られていて、事務作業や教育なども兼任している。また、生活のために、短期的な業績を求められることも多い。
その結果、本質的に重要だが、いつ解決できるかわからない問題が、研究で放置されてしまうことがある。人類社会をより豊かにするために、そのような問題はいち早く解決すべきである。
だから、研究者が研究だけに集中でき、本質的で重要だがいつ解決できるかわからない問題に取り組める環境を提供したい。また、そのような問題を解決できるような優秀な研究者をたくさん育てたい。

(*このインタビュー記事は、2022年9月時点のものです)

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メディア掲載歴

毎日新聞に、当時約50万人が応募した絵画コンクールである読書感想画コンクールの中央審査優秀賞受賞者として掲載された。
また、人生ゲーム大会の予選優勝者としてTBSラジオに出た。

PROFILE

加納保昌 奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術専攻科先端科学技術研究科情報科学領域情報理工学博士後期課程1年 / 株式会社Tleez 代表取締役
経済学部では中国に留学し、金融を学ぶ。その時に人工知能が日本より流行しており、その仕組みが気になり、理転を決意。必死に勉強し、東大情報理工の院試に願書を提出した。しかし、受験勉強に集中しすぎて、受験日当日は自宅で過去問を解いており、気づいたら試験終了しており、不合格。その後グアテマラのスペイン語学校に短期留学。その後、奈良の大学院に進学し、24時間365日を自動翻訳の研究に費やす。自動翻訳の査読付き国際会議にも主著や共著の論文が採択され、株式会社Tleezを修士2年時に起業。現在はAIやアプリの受託開発と自社サービス開発を行いながら、博士後期課程に進学し世界トップクラスの研究を続けている。

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