MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

今までの資本主義で無視されていた人権侵害、気候変動、環境汚染などの外部不経済を抜本的に解決できるエコシステムを創出する。

勝見仁泰さん

高千穂大学経営学部4年/株式会社Allesgood 代表取締役CEO

MAKERS UNIVERSITY 7期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

元々、実家が八百屋で幼い頃から「商い」の仕組みを間近で見てきた影響で、自然とビジネスや商売に興味を持っていました。「ビジネスは人々の幸福度を上げる、すばらしいソリューション」だと感じました。しかし、高校3年生の時にバックパッカーとして東南アジアを訪れ、ビジネスが気候変動や児童労働などの社会課題の元凶となっている外部負経済の側面に触れ、衝撃を受けました。自分の消費行動や産業構造への疑問が生まれ、ビジネスで社会課題を解決したいと思いました。その後、貧困問題の解決の一助になりたく、途上国の特産品を活用したパーソナライズシャンプー事業をドイツで共同創業しました。お客様の髪や身体の状態をAIで分析して、状態に適した効能や香りを選出し、店舗で調合するというD2Cビジネスです。しかし、結果は失敗。組織崩壊、売上ゼロなどのhard thingsを経験し、ここで、社会性と経済性両立の難しさも痛感しました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

その後、一度企業に就職することに決め、就活の時に、サステナビリティを軸に就活していたにも関わらず、企業を見つけることができなかった原体験から、社会課題に取り組む企業と繋がれるサステナビリティ版LikedIn「エシカル就活」を発案しました。そして『テクノロジ〇で産業界のSX(サステナビリテイトランスフォーメーション)を加速させる』というミッションを掲げ、アレスグッド社を設立しました。現在、ローンチから1年で掲載企業45社(丸井グループ、ダイキン、キリンHD、ユーグレナ、など)、登録ユーザーも4000名突破しました。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

元々、5期生で応募しましたが、合格することができませんでした。その時は、就職するか、起業するか迷っているときで自分の中でも覚悟ができてなかったと思います。応募のきっかけは、知人の紹介です。「同世代の志を持った起業家がたくさんいるコミュニティーだからお前にピッタリ」と勧められて応募しました。

正直、自分の大学には「起業」などとは馴染みのない学生が多く、いつも自分だけ熱心に授業を受けていたのでシンプルに仲間が欲しかったというのは応募の大きな一つの理由です。あとは、自分の視座を上げたい、という期待感もありました。周りで起業家はそこそこいたのですが、”志”を持った起業家に出会えていなかったので、そのような起業家に出会えることをとても期待してました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

まず、自分自身にとても自信がつきました。毎月のMAKERS主催のメンタリングなどでも色々な支援を受けてますが、何よりも心理的安全性が高く、起業家として心置きなく挑戦できるようになりました。具体的には、失敗することへの恐怖心が少なくなり、よりCrazyに挑戦することができました。(もちろんリスクを考慮しつつ)というのも、過去の偉大な先輩起業家の方々でもこんなミスしてたのか!?みたいな事例を知るととても勇気がでます。そんな中で自分にもやれるぞ!という気合いとそれで失敗してもまた挑戦しようと思えるくらい周りのMAKERS生が挑戦しているので、とにかく自信がつきました。

Q.
佐俣奈緒子ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである佐俣さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

奈緒子ゼミで最も学んだことは、「組織」の重要性です。スタートアップでは結構プロダクトとか、市場とか、ファイナンスとか外部要因で失敗すると思われがちですが、個人的には組織や人など内的要因から崩壊していくケースが多いと思っています。実際に、奈緒子さんから常に、組織の熱量やコミット、さらには心理的安全性などの重要性を教えていただきました。特に、自社で抱えていた組織課題などもそもそも組織に関してそこまで重要だと考えておらず、なんだか危機に陥りました。

元々、奈緒子ゼミを志望した理由として、起業家→経営者へのマインドシフトを課題に思っていたので、起業家であり、経営者である奈緒子さんに教えを乞いました。組織が人・モノ・カネ・情報を創り出す、そのため、代表の人格や日頃の行いが重要だと。今でもまだまだできてないですが、日々挑戦中です。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

初めの合宿での、一人ひとりのバックグラウンドを合計6時間くらいかけて開示したセッションです。

とにかく長い笑。

正直、これ全部やるか?と思うくらい最初は信じられませんでした。しかし実際に取り組んでみると学びしかなかったです。自分自身のメタ認知にもなりましたし、これから1年間、そして一生付き合うことになる仲間のバックグラウンドを知ることができとても印象に残っています。家庭環境が複雑だった人、レールに敷かれて自分の個性に蓋をされていた人など本当に様々なストーリーがあり、自分は特別ではなく世界には色々な人がいて、結局大事なことは今どう生きるかが大切だと感じた時間でした。

※事前カリキュラムの詳細についてはこちら : https://makers-u.jp/syllabus

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

とにかく色々なタイプの起業家に出会うことができたことです。スタートアップ、スモールビジネス、非営利、団体など、ここまで、多種多様な起業家やリーダーに出会える場所は他にないと思います。組織形態は様々ですが、みんなリーダーとして、どうあるべきかをそれぞれで考えている。とにかくこんなに熱量の高い起業家集団に出会ったことがないですし、とにかく同期のみんなからもらう刺激は間違いなく自分のガソリンです。さらに、みんな自分の思想を持っていることも素敵だと思うところです。世の中が常識とされることをRethinkし、自ら世界を創り出す。そんなエネルギーをバンバンもらえる、異質集団なことがMAKERSでしか得られないことだと思います。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

とにかく、自分と向き合い続ける場だと感じました。これまで自分が参加してきた、アクセラレーターやビジコンなどでも事業をどうやって伸ばすか、拡大させるか。を問われますが、MAKERSでは「起業家としてどう生きるか」を問われる機会が多くあると感じました。事業が上手くいっている時も、上手くいっていない時も、常に自分がどうしたいかを重視して、プログラムが設計されているし、他人との比較やランキングではなく、自分を成長させてくれる場だと感じています。さらに、横の繋がりも特徴だと思います。ライバルではなく、同じ志を持った仲間のコミニュティーです。明治維新や明治政府で活躍した高杉晋作、伊藤博文などを輩出した松下村塾のような印象ですね。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

常に、自分に正直にいられる場だと思います。起業家であれば、hard thingsは付き物です。常に不確定要素の中でベストな意思決定をし続ける。そんな生き物ですから、時には虚勢を張ったり、自分を繕ったりします。けれど、MAKERSに戻ると「本当の自分はどうか・本当にやりたいのか」など常に正直な気持ちでいられます。それは、同じく失敗や苦悩を共にした仲間がいるから開示できる”弱み”であり、そんな居場所だと思います。現役期間は1年間ですが、繋がりや信頼関係は一生続きますし、これからより大きな向かい風もあると思いますが常に自分に正直にいられる場所であるMAKERSに感謝したいです。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

誰一人取り残さない世界を作り、資本主義世界の根底から変えていきたいです。今までの資本主義で、無視されていた人権侵害、気候変動、環境汚染などの外部不経済を抜本的に解決できるエコシステムを創出し、一人ひとりが幸せな世の中にしたいです。そのために、僕はビジネスで世界を変える。尊敬するアリババの創業者ジャック・マーの言葉に、「人生とは何を為すかではなく、どう生きるか」とありますが、自分がなりたい理想掲げながら、とにかく挑戦し続けたいです。産業界のSXは不可逆ではありますが、気候変動や環境問題に関してでは、時間が限られています。人を止めると書いて企業。己を走らせると書いて起業。自分は理想を掲げ続け、とにかく加速し、己を走らせ続けます。

(*このインタビュー記事は、2022年9月時点のものです)

PROFILE

勝見仁泰 高千穂大学経営学部4年/株式会社Allesgood 代表取締役CEO
23歳のZ世代起業家。高千穂大学経営学部4年。 高校時代に訪れた東南アジアで先進国と途上国の経済格差に関心を持つ。大学一年次よりフィリピンにて教育事業の立ち上げ、現地法人へ事業譲渡を経験。その後、文科省の展開する留学日本代表プログラム「トビタテ!留学JAPAN」に採用され、ドイツへビジネス留学し、途上国の特産品を活用した有機化粧品D2C事業をドイツ人と共同創業。帰国後、パタゴニア日本支社、ソフトバンク、ビズリーチなどでインターンを経験。社会課題という切り口で企業を探す選択肢がないことに疑問を抱き「エシカル就活」を発案。2020年に株式会社アレスグッドを創業。2021年6月より、社会課題に取り組む企業と学生が繋がるサステナビリティ版Linkedin「エシカル就活」をリリース。わずか1年で登録者学生数3500名突破。ダイキン、丸井グループ、ユーグレナなどESGトップ銘柄の大手企業中心に40社以上が導入。

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