MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

芋という可能性を秘めた素敵な農作物で、『IMOVATION』を起こす。

中村真緒さん

宇都宮大学農学部3年

MAKERS UNIVERSITY 9期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

高校生の頃、棒高跳びの選手をしていた私は、甘いものを食べたいけど健康にも気をつけたい!という欲張りな思いをきっかけに、さつまいもに惹かれ始めます。その後は、ビジネスというより、ただ好きな事を好きなようにやっていました。世界のさつまいも料理を作ってみたり、さつまいもの品種食べ比べ会をしたり、芋を育ててみたり、お芋のイベントの審査員になってみたり。
19歳の時、日本のさつまいもって甘くて美味しいけど、世界はどうなのだろう、と疑問に思います。気になって、さつまいも10キロ抱えてアメリカに飛び出し、シカゴで芋を配り歩いたり。アフリカにとても美味しい干し芋があるらしいという噂を聞いて、タンザニアに食べに行ったりという事をしていました。しかし、このままでは活動に限界があり、本格的に事業をやっていきたいと考えるようになりました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

現在も、芋の魅力をもっと多くの人に届ける為に活動しています。茨城県で畑と小さな干し芋工場を冬だけ動かしつつ、日本やアフリカのさつまいもにもっと付加価値を生みだそうというプロジェクトを進めています。日本では、さつまいも加工品の販売やアメリカ向けのお芋スイーツの開発を行っています。タンザニアでは、ビタミンAを多く含むOFSP「Orange-fleshed sweet potato(オレンジ肉のサツマイモ)」を加工し、高付加価値化を目指す活動を行っています。


Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

人生に大きな影響を与えた2人の先輩が、MAKERSに所属していたので応募しました。先輩方はどんな環境で育ったのか。覗いてみたかった気持ちが大きかったです。高校3年生の春、これから何をしようか、毎日モヤモヤしていました。3歳から高校生までは、ずっと何かに夢中で。水泳、エレクトーン、陸上など、大会やコンクールの為に練習に打ち込む毎日でした。
しかし、大学生になる直前、自分のやりたいことがよく分からなくなっていました。そんな時、ひょんなことから百貨店の催事でアルバイトをすることになり、そこで、同ブースに出店していた2人のMAKERS生に出会いました。
自分と5、6個しか年が変わらないのに世の中にはこんな変な人もいるのか!という衝撃。同時に、こういう風に生きてみたいと思いました。二人のMAKERSの先輩は自分の好きなこと・信じることへ突き進む姿が本当にキラキラしていました。
初めて、私にロールモデルというような存在ができた瞬間でした。それから2人のもとで、アルバイトをしたり、様々なお話を聞いたり、面倒を見て貰っていました。分野は違えど、何年も一緒に挑戦し続ける関係性に心から憧れました。
そして、9期生応募の少し前、先輩方の出会いがMAKERS UNIVERSITYの同期だったということを知り、迷うことなく応募していました。私も、自分の信じた道を突き進む同世代の仲間と出会いたい!という想いでしたね。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

起業家として生きることへの不安がなくなりました。生まれて20年、芋畑に囲まれた茨城の田舎ですくすく育ってきた私にとって、起業家として生きていくという決断はとても大きいものでした。そもそも、学生起業家という言葉すら聞いたことがありませんでした。しかし、MAKERS に入ってみたらびっくり。学生起業家がごろごろいるじゃないですか。隣もその隣も、前も後ろも起業家。こんな世界が存在するんだ、と、2月の事前カリキュラムはみんなの自己紹介に圧倒されっぱなしでした。
胃が痛くなって、合宿中に昼食のお弁当を完食できた日は1度もなかったです。いつもは食いしん坊なのに。そんなわけで、医療系起業家の同期に、毎日健康相談に行っていました。しかし、プログラムが進み、日々事業に全力で楽しそうに話す同期のみんなとそれぞれの夢について語り合う時間は楽しくて、この時間がずっと続けば良いのに、といつの間に願うようになっていました。起業家として私は生きていけるだろうか?気づいたら、そんな不安はすっかり飛び去ってしまいましたね。
この記事を書いている途中に、そんな不安があったことを思い出したくらいです(笑)

※2月の事前カリキュラムについて:https://note.com/makersuniversity/n/nf4bc074dbb2d

Q.
古俣ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである古俣さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

古俣さんには、ビジネススキルというよりも、起業家として私はこれからどう生きていくかという根本的な事について教えていただいていると思っています。自分の人生かけて登りたい山は本当にこれなのか。頂上を目指す登り方はこのルートだけなのか。他にはないのか。古俣さんの本質的な問いにより、ゼミのたび、自分の中に新しい発見があり、気が引き締まります。

また、4時間語りつくした後のご飯会は、みんなが古俣さんに本気で人生相談をする会になるので、とても面白いです。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

20年生きてきた中で、最も色濃く、体力を使った1か月が2月に開催された事前カリキュラムでした。毎日、自分のこと、考えていることを一生懸命話し、仲間の想いを聞いて。正直凄く疲れましたが、思い出は楽しいものばかりです。自分の色々な面にも気づきましたね。特に印象深かったのは、初回合宿打ち上げの3次会です。合宿中あまり喋る事がなかった4人とたまたま同じタクシーに乗りました。せっかくならもう少し話そうという流れになって、池袋の少し落ち着いたバーへ行きました。30分程たわいもない事を話したり、お互いを分析しあったりしていました。そこでいきなり、衝撃的なことを言われまして「いもこって実はわがままだよね」と。思わず固まってしまいました。一緒の卓でご飯を囲むことはあっても、深くは喋った事はないメンバー。だからこそ、言われた事にびっくりして咄嗟に反応ができませんでした。よく分かったなって。
しかもそれを率直に私に指摘した事に驚きました。だから、言われた時は少しむかっともしたけど、やっぱりそうなのかと納得した気持ちもありました。友達の嫌なところというのはどうしても言いづらいものです。知り合って1週間の人なら尚更。今まで、はっきりズバッと自分の性格を分析してくれる友達はいませんでした。すっきりしたし、目が覚めました。
今まで、自分の嫌なところに蓋をして、というか気づかないふりをしていました。けれど、ここにきて自分の良い部分も嫌な部分も改めて認めることができたと思います。事業というよりも、自分の強みや弱みを見つめなおすきっかけになりましたね。そのままの自分を、素直に受けとめることができるようになったと思います。

※2月の事前カリキュラムについて:https://note.com/makersuniversity/n/nf4bc074dbb2d

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

年の近い頼れる先輩起業家が集まっているところかな、と思います。今、こういうところに悩んでいます!苦しいです!助けてください!!と緊急SOSを出したところ、9年間MAKERS生を見守ってきた内野さんから、この先輩と話すといいと思うよ~よ4,5人の先輩方を紹介してくださって。その通り連絡すると、お忙しいのに全員即快諾して下さり、新身に相談に乗って頂きました。本当にありがとうございます。百戦錬磨のMAKERSメンター陣にも、もちろんお世話になりましたが、起業ひよっこの私は年の近いMAKERSの先輩方に沢山救われました。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

布団。安心して、好きなだけ夢を見ることができるところです。1人で芋を生産したり、アメリカへ芋を配りに行こうとしたりすると、儲かるの?そもそもやる意味あるの?無理じゃない?大人なしくしてなよ、色々な言葉が飛んできました。当時の私はへへっと笑って誤魔化すことしかできませんでした。だけどMAKERSにいる時は、私がやりたいからやるんだ!!って自然と胸を張って言うことができます。外でがむしゃらに闘って疲れた時に、ふと休みに帰ってきたくなるところでもありますね。出会いからまだ半年だということに驚いています。愛おしいし、ずっと大切にし続けたいです。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

IMOVATIONを起こしたい。私の夢は日本・世界のさつまいもの価値が最大化されることです。少しでも多くの人が、芋という可能性を秘めた素敵な農作物に興味を持ってくれたら嬉しいですし、芋が世界で愛され続けていってほしいなと思います。人口が増え、地球温暖化が進む地球にとって、芋はなくてはならない作物です。多様な環境条件に適応可能で、準完全栄養食、そして美味しい。日本人を飢餓から救った歴史だって持っています。いつか、芋っぽいという言葉が褒め言葉になることを願っています。

(*このインタビュー記事は、2024年9月時点のものです)

関連URL

中村真緒オフィシャルサイト

メディア掲載歴

日経新聞 日本のサツマイモ、宇都宮から世界に発信 中村真緒さん
日経新聞 宇大発 栃木から世界に 学生が起業、興味を仕事に
毎日新聞 「さつまいもをもっと多くの人に」
ハバヒロ 「やっぱ芋ってすげぇ!」日本のサツマイモを世界へ、お芋好き女子大生の挑戦【#04 中村真緒】
ハバヒロ 「一緒に語れる仲間が欲しくて…」若手起業家が集う”秘密の合宿”に潜入!【#06】

PROFILE

中村真緒 宇都宮大学農学部3年
2003年、茨城県生まれ。 2022年に宇都宮大農学部農業経済学科入学。 高校生のときに、陸上競技の選手として体重管理などに気を使うなか、甘さと健康を兼ね備えたイモの魅力に取りつかれ、国内はもとよりグローバルにイモの調査研究、ビジネスとしての可能性などを検討している。

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