MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

マネタイズできるかわからないような活動でご飯を食べようとしている私を受け入れてくれるのはMAKERSだけだなと思い、応募しました。

加藤海凪さん

明治大学 政治経済学部 3年 / 株式会社SAFEID代表

MAKERS UNIVERSITY 10期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

「SAFEID」の取り組みは、弟が知的障害であったこと、母が福祉の仕事をしていることから思いつきました。
弟のユニークな言葉は家族に余白をもたらし、とても自由な空気感で生活していました。
一方で、母はよく、福祉の仕事の中で感じる違和感を語っていました。
弟のゆるい面白さと、社会とのギャップを感じ、福祉のアプローチ以外で障がいのある人の課題解決をしたいと思うようになりました。
そこで着目したのがファッションです。小さい頃から好きだった服から、弟の選択肢を増やせば、自分が楽しみながら課題を解決できる、一石二鳥だと思いつきました。
自分の好きなことで、障がいのある人と一緒に楽しめるものや空間を作ることが「SAFEID」の軸になっています。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

「よだれかけをおしゃれに」を追求し、「flexibib」という服が生まれました。襟がよだれかけになる服や一枚の布からベストになる涎掛けをつくり、販売に向けて改良を進めています。また、弟との共同ブランドの制作もはじめ、彼の空気感を服を通して楽しめるブランドをつくっています。そして、障がいのある人とない人が音楽、アート、マーケットを通じて交わる、「インターチェンジ」というイベントをはじめました。カルチャーイベントという見せ方で発信し、気づいたら障がいのある人と一緒に遊んでいた!という動線を意識しています。身の回りで感じた違和感をかっこいい服やイベントという空間、コンテンツで表現しています。かっこいい人たちを巻き込んで、障害というフィルターを通さず、フラットに交わる世界をつくりたいです。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

U18のときにお世話になったメンターの方々がMAKERSに入塾していて、やりたいことが固まってきたら行くべきだとおすすめされていました。昨年は、服もイベントもとにかく形にしようと決めて活動していました。今までファンだった人と一緒に仕事をしたり、乃木坂によだれかけを着てもらったり、意味のわからない自分の表現が少しずつ広まっていくことが面白くなってきました。そして、イベントを本気で楽しんでくれる人がいることや、ここでしか生まれない人間関係の形ができたことが本当に嬉しく、これを仕事にして生きていきたいと思うようになりました。そのためには、お金を稼ぐことや事業として成立することを考えなければなりませんでした。経験不足な上に、マネタイズできるかわからないような活動でご飯を食べようとしている私を受け入れてくれるのはMAKERSかなと思いつき、応募しました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

自分について考えるきっかけができました。今までは、好きなことをしよう、思いついたことをしよう、というマインドで活動をしていました。
MAKERSに参加してからは、やりたいことを一つずつ紐解くようになりました。自分が当たり前だと思っていた考えや行動が、他人から見れば、ユニークな視点であることに気がついたからです。雰囲気ではなく、その自分しか持っていない視点を言語化できたことで、これからの動き方が整理されたと思っています。
また、今まで事業的な視点があまりなく、起業ももう少し後のことだと考えていました。しかし、他のMAKERS生が信念を持って仕事をしていて、好きなことを仕事にしていくことができるかもしれないという希望が持てました。

Q.
奈緒子ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである奈緒子さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

奈緒子さんが、会社としてやっていけるようになるよ、と言ってくれたことが印象的です。
起業したてで、お金のことやどのような手順でプロダクトを商品化していくかなど、わからないことが多すぎて勉強不足な自分に呆れていました。
しかし、奈緒子さんがお金の管理は慣れるようになるし、それ以外のところがおもしろいからなんとかなると言っていただき、このまま頑張っていけばもしかしたらこの事業で食えるようになるかもしれない、とポジティブに考えることができました。AIの活用方法や、企業と仕事をするときの関わり方など、具体的に教えてくださり、やるべきことが少しずつ明確になってきています。また、メンバーとのサブゼミも印象的です。全く違う事業をしているそれぞれの視点から議論することで、頭を整理する機会になり、モチベーションも上がっています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

最近、自信がなくなり勝手に涙が止まらないことがありました。
やるべきことは決まっているにも関わらず、そこに辿り着くまでの道筋がはっきりせず、頑張りたいのに何を頑張れば良いのかわからなくなってしまいました。
頭の中が絡まって、出てくる言葉や表現がやりたいことと少しずれているような、嘘をついているような感覚でした。
トンネルの中を一人で歩いているような気分になっていたとき、おちけん(大阪のチンピラみたいなMAKERS生)が話を聞いてくれました。
人との関わり方や、自分の事業に対する姿勢を教えてくれて、少し楽になりました。また、おちけんに3日間毎日5時半に起こされて、とりあえず仕事をしてみたら、自信がある・ないというベクトルで物事を考えなくなりました。とにかく何も考えずタスクを洗い出してスケジュールを引いてみた結果、やるしかない!というマインドになれて、良い友達を持ったな!と感じています。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

視野や選択肢が広がったことです。障害をフラットにしたい、それをファッションや音楽などのカルチャーで解決したい、という漠然とした目標に辿り着くまでの方法はたくさんあるのだと考えるようになりました。実際にさまざまな方法で運営している起業家の方の囲む会や、スタートアップで起業しているMAKERS生、SNSを活用したクリエイターなどに出会えたからです。同じくらいの熱量を持っているけど、熱量のかけ方が違うといいう面白さを感じました。そして何より、MAKERS生に会うと毎回私も頑張ろうと思えます。正直に今思っていることを言えて、それをみんなの経験の中から方法を見つけてくれる強い味方だと思っています。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

本音を見せられるところだと思います。3月の合宿の最後には、今まで殻をかぶっていた人たちがどんどん正直になっていって、自分が本当に思っていることを言うようになりました。私は基本的に正直なほうなので、あまり殻をかぶったことがありません。だから、何人かが私に殻を破るにはどうすればいいか、自分が本当に思っていることって何だろう、と相談してくれました。どんどん考えが整理されていき、殻を破ろうとしているスピードに驚きました。唯一の取り柄だと思っていた正直さをどんどんみんなが吸収していくことに怖さも感じましたが、私が提供できるものは全て渡したいし、時間を使いたいと思えました。実際、相談に乗ったことで、自分が悩んでいたことがすっきりしたり、自分の得意不得意も理解することができました。できることとできないことを分け合えるのがMAKERSにしかないところだと思っています。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

一言で表すと、脱走しまくり動物園です。いろんなバックグラウンドを持つ人たちががいて、檻の中から飛びそうとする人、脱走する人もいて、道路を颯爽と駆け回っている。でもそれがなぜか楽しそうに見えて憧れる、そんな場所だと思います。脱走して街を荒らしたり、迷子になったり、暴走したり、遠くまで行ってみたりするけど、MAKERS合宿の時は一旦檻に戻って落ち着く。考えを整理して、助け合って、たまに喧嘩して、またそれぞれが走っていく。困ったときは違う種でも、檻の外でご飯を分け合って生きのびる。どんどん輪をひろげていって、勢力を広げて、気づいたらどこかの集落を支配してる、やば!みたいな生命力の塊が集まった脱走しまくり動物園だと思っています。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

障害のある人とフラットに、そんなことを言わなくてもいい世の中を作りたいです。隔たりがなくなって、共生することが当たり前にして、隔たりをなくすと言う言葉自体を無くしたいです。ファッションや音楽、アートなど私の好きなカルチャーの世界観にいる人たちは、この違和感に共感してくれる人たちが多いと感じています。だから、変わった服を作って、カルチャーで障害が関係ない世界を表現して、面白いことは面白いと言って、好きなことは好きと思ってよくて、そのまま生きればいっかと思える世界を作りたいです。言葉や雰囲気、流れで大切なことを隠している社会の中に、正直になってありえないくらい楽しめる時間を少しでも増やすことが今の目標です。

(*このインタビュー記事は、2025年9月時点のものです)

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メディア掲載歴

【TOKYOネクストデザイナーズ #3】乃木坂46MC★学生向けファッションコンクールに密着
【障がいについてどう思う?】Campanella、NEI、xiangyu、TOMMY、大橋裕之、さや(テニスコーツ)、FUCKER+しずたん他、参加者らの声を集めた【実験的イベント!⇄!記録映像公開】

PROFILE

明治大学 政治経済学部 3年 / 株式会社SAFEID代表
名古屋市出身。20歳。趣味は音楽とファッション。ピアノとダンスが好き。家族が聴いていた音楽に影響を受け、フェスやイベントに大ハマり。
(小学生になると、家族に隠れてメジャーな音楽を反抗して聴き、中学になると、マイナーすぎる音楽を聴いてイキリ散らかす)
勉強と部活に明け暮れていて、急に暇になったので、高校生3年生から「SAFEID」の活動をはじめ、「よだれかけをおしゃれにする」プロジェクトに取り組む。
「よだれかけおしゃれにしたいです!」と言いまくっていたら誘われて、MAKERSUNIVERSITY U18に参加。
大学に入学してから、100banchやQWSなどインキュベーション施設で活動し、今年の5月に株式会社SAFEIDを設立。

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