STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー
「漢方×香り」で日常をチューニング。KAMPOで新しいカルチャーを生み出し、時代を超えて愛される圧倒的なブランドを創造する。
清水虹希さん
慶應義塾大学 総合政策学部4年 / 株式会社nonu 代表取締役
MAKERS UNIVERSITY 11期生

- Q.
- MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?
私は幼い時から、ファッションや建築、音楽、アートなど、人が生み出す表現やカルチャーがすごく好きでした。
世の中に新しい視点を提示したり、文化をつくっていく。そんな「ブランド」という存在そのものに惹かれ、これまでずっとブランド作りやデザインに携わる仕事をしてきました。
ただ、SFCの環境や仕事で多くの起業家やクリエイターと関わる中で、自分自身も含めて、メンタルの不調の課題を本当にたくさん目の当たりにしました。
そんな時に繋がったのが自分のルーツです。私は、4代続く鍼灸の家系に生まれて、漢方医学がとても身近な環境で育ちました。
漢方医学には、病気になる前のサインに気づく「未病」の考えや、心と体を根本から整えてていく思想があります。
現代の課題にこそ、対症療法ではないこのアプローチがフィットするんじゃないか。そう強く感じ、この思想を今の都市のライフスタイルに合う形で広めたいと、nonu(ノヌ)をスタートしました。

- Q.
- 現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。
漢方を軸にした都市生活者のためのセルフチューニングブランドnonuでは、第1弾プロダクトとしてフレグランスソープを展開しています。私たちが目指しているのは、単に香りのブランドにとどまらない「カルチャーづくり」です。そのため、プロダクトのみならず映像やグッズ制作など、多角的なアプローチでブランドの世界観を作り込んでいます。
西洋医学がベースの現代において、漢方は不調になってから治す「治療」として取り入れられるのが一般的になっています。しかしnonuが届けたいのは、なりたい自分を表現する「スタイル」として漢方を纏う体験です。都市のダイナミズムを愛し、その中で自分らしく生き続けたいと願う人が、日々のノイズや感覚のズレを意図的に調律(チューニング)していく。一時的な消費で終わるのではなく、普遍的な美しさと誠実なものづくりを土台に、時代を超えて愛される圧倒的なブランドを目指しています。

- Q.
- MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?
形になりつつあったnonuというブランドを、経営者としてどう社会に広め、事業としてどう力強く伸ばしていくかを学びたい、という想いが一番の理由でした。自分の現在地を客観的に見つめ直し、事業を成長させるための視座を獲得したかったのが大きいです。
また、MAKERSにはD2Cやブランドビジネスを牽引してきた先輩起業家が多く、縦の繋がりが非常に強いと聞いていました。実際にブランドを立ち上げ、伸ばしてきた方々との繋がりを作り、そのリアルな軌跡や知見から学びたいというのも大きな動機でした。さらに、第一線で活躍される起業家や投資家の方々からのメンタリングを通じて、自分自身の起業家としての立ち位置や軸を深く見つめ直す機会にしたいと考えていました。
- Q.
- 実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?
MAKERS期間は、決して順風満帆ではありませんでした。理想とするありたい自分や、nonuを通じて成し遂げたい未来とのギャップに直面し、矛盾を抱えて苦しくなる時期も長くありました。しかし、その苦しみの中で自分自身と徹底的に向き合い、「自分がこれまで大事にしてきた価値観は絶対に曲げない」という強い覚悟が決まりました。自分の至らなさや失敗から目を背けず、それらも全て抱えて生きていくこと。そしてこれからの人生において、間違っていると思う選択は絶対にしないこと。一人の人間として、そして経営者として、誠実に生きていきたいと思っています。
- Q.
- 奈緒子ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである奈緒子さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。
奈緒子さんが「自分が一番やりたい軸は何なのか、まずはその事業に向き合って伸ばせばいい」と言ってくださったことに、私は大きく救われました。
それまでの私は、「どうすればお金になりそうか」と焦り、本来の思いとは違う事業構想を詰め込んだピッチをしていました。しかし、公開メンタリングでいただいたその言葉によって、自身のルーツ・想い・好きが掛け合わさった「漢方医学×香り」に可能性を感じ、ブランドを世界的なものに育てたいという、自身のコアにある欲求に素直に気付くことができました。
その後も、奈緒子さんが香りやライフスタイルブランド単体としての可能性を真っ向から肯定してくださったことで迷いが晴れ、この軸に真っ直ぐに向き合い、育てていく覚悟が定まりました。私にとって毎月の奈緒子ゼミは、MAKERS期間中で最も安心でき、本来の自分を取り戻せる大切な拠り所です。

- Q.
- MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?
これを「1番」印象に残ってる出来事にあげる人はなかなかいないかもな(笑)と思いながら、私はMAKERS生同士でチームを組みゼロから事業アイデアを練り上げる「事業構想ワークショップ(※2月の事前カリキュラム内で行うプログラムの一つ)」が印象に残っています。
全員忙しいので、普通低コスパでやろうとすると思うんです。でも、リーダーのお祭り男が引っ張ってくれて、リサーチ〜事業提案、資料作成まで結構密に行いました。
普段はそれぞれの組織でリーダーとして活動している人同士がチームを組むことってなかなか無いので、新鮮で刺激的でした。他の起業家たちがどのように課題に向き合い、リーダーシップを発揮してチームを牽引するのかを間近で学べたことは大きな収穫です。さらに、強い個性を持つリーダー同士が密にコミュニケーションを取るプロセスの中で、自分自身の強みやこだわり、得意なことが明確になり、起業家としての自己理解が一段と深まる貴重な時間になりました。
※2月の事前カリキュラムとは
※なぜMAKERSは忙しい皆さんを「拘束」してまで密度の濃い合宿にこだわるのか?
- Q.
- MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。
MAKERSに入ってよかったのは、自分のスタイルに少し自信を持てるようになったことです。
私は、目的のためなら要領よく何でも割り切って進められるようなタイプではないし、ルフィみたいな根アカ夢追い人でもないので、経営者に向いていないのではと悩む時期もありました。しかしMAKERSで、「時間を守る」「人の話に誠実に耳を傾ける」といった人としての基本を一番大切にしながら、コツコツと勝ち続けている経営者の方に出会えました。
その姿を見て、自分もこうした当たり前のことを大切にするスタイルを貫いて、誠実に努力し続けよう、と前向きな気持ちになれました。
- Q.
- 学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?
現在の日本で最前線で活躍されているトップランナーたちから、事業のスケールだけでなく「経営者として大事にすべき根源的な姿勢」を学べる点です。メンター陣はもちろん、「囲む会」などで来てくださる方々は、まさに今、第一線で事業を牽引している方々ばかりです。
そうした本物の方々との対話では、ビジネスモデルの精緻化やテクニックといった表面的な話にとどまりません。むしろ、どんなに時代が変わっても変わらない「誠実さ」や「覚悟」、あるいは困難な時にどう立ち振る舞うかといった、経営者としての生き様そのものを肌で学ぶことができます。最前線のリアルな基準に触れながら、経営者としてのあるべき姿を吸収できるのは、他にはない圧倒的な価値だと感じています。
- Q.
- あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?
起業家としての自身の「美学の輪郭」を確かめ、確固たるものにする場所です。
単に事業をスケールさせるためのテクニックや効率的なノウハウを学ぶだけの場所ではありませんでした。むしろ、自分自身の内面にある矛盾や弱さから決して目を背けず、真正面から向き合い続けることを求められる環境でした。
経営者として、そして一人の人間として、「絶対に譲れない価値観」とは何か。それを深く見極め、言葉にするための貴重な時間だったと感じています。周囲の評価や一時的な流行に流されることなく、自分自身の中心にある核を見つめ直し、いかなる時もブレない「軸」へと鍛え上げる時間になったと、今振り返って強く感じています。
- Q.
- あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。
KAMPOを、病気になってから治す治療としてではなく、なりたい自分を表現する「スタイル」として纏うカルチャーを創っていきたいです。
都市のダイナミズムを愛し、その中で自分らしく生き続けたいと願う人々が、日々のノイズや感覚のズレをその都度チューニングし、「ニュートラル」な状態を保ちながら自身のエネルギーを最大化できる社会。それが私の実現したい未来です。
nonuが世界的に愛されるブランドへと成長していくことで、多くの人々の創造性が生き続ける社会をつくっていきたい。そのために、nonuとしても、清水虹希としても、様々な挑戦をし続けたいです。

(*このインタビュー記事は、2026年9月時点のものです)
関連URL
メディア掲載歴
・TABI LABO:漢方を「モード」に着替える。23歳起業家が生んだフレグランスソープ「nonu」
・HOME/WORK VILLAGE note:【採択者インタビュー】「漢方×香り」で日常をチューニング。大学生起業家が専門家と歩んだ、ブランドの種が芽吹くまでの半年間|HOME/WORK VILLAGE

PROFILE
慶應義塾大学SFC / 株式会社nonu 代表取締役
2002年、東京生まれ。4代続く鍼灸の家庭で育つ。
高校留学を機に社会起業を志し、高校3年次に合同会社渋谷肥料の立ち上げに参画。その後、複数ブランドの立ち上げを経て、株式会社sevendexでは上場企業のコーポレートブランディングに従事。
2025年11月、いい風呂の日に株式会社nonuを創業。漢方を現代的なデザインと香りに落とし込んだ “Kampo Soap” を第一弾として、都市生活者に向けたブランドを展開中。
ファッション、源泉掛け流しの温泉とサウナ、おいしいもの(特に上ミノ)を好む。
