MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

医療のために暮らしがあるのではなく、その人の暮らしの中に、医療が自然に溶け込んでいる。そんな医療の周りにある暮らしを支える仕組みと空間を創る。

大嶋明仁さん

昭和医科大学・医学部・5年 / 株式会社JinVisionary 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 11期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

都内の大学病院と連携して、病気のお子さんとそのご家族、医療従事者のための住まい「セカンドリトリート東京」を1から立ち上げ、運営していました。起業したきっかけは、医学生として病院で実習やボランティアをする中で、遠方から治療に来る患者さんやご家族が、生活との両立に困っている現実を知ったことです。医療は患者本人を支える仕組みがある一方で、その周りにある暮らしを支える仕組みはまだ少ない。だったら自分でつくろうと決めました。その後、病院とホテルをつなぎ、治療に伴う生活の選択肢を広げる「Tomaru Medica」へと展開。病院の中だけでは支えきれない、治療中の暮らしを支える仕組みづくりを続けてきました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

今は、医療やケアが必要になっても、その人らしく暮らし続けられる「住まい」そのものをつくっています。

具体的には、医療やケアを必要とする人、医療従事者、地域の人など、さまざまな世代や立場の人が同じ場所で暮らしながら、必要な医療・介護・生活支援につながれる、多世代・多機能型のコミュニティケア拠点を開発しています。

これまで東京では、病院近くの住まいや、治療に伴う宿泊を支えるTomaru Medicaを展開してきました。現在は、自治体や病院とも連携しながら、住まい・医療・ケア・地域を一体で設計する新しい生活インフラづくりを進めています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

正直に言うと、応募したときはMAKERSのことをそれほどよく知りませんでした。以前参加していたETIC.の社会起業塾でメンターだった荻原さんが、MAKERSでもメンターをやっていると知って、「この人がいるなら」と応募しました。若手起業家の育成プログラムであるという認識で、採択前のオンライン面談では、話している相手の内野さんがMAKERSを立ち上げた張本人だということすら知らずに、淡々と自分の事業の話や将来のビジョンについて話していました笑。でも結果的に、このよく知らないまま飛び込んだ選択が、この1年で一番よかったと思っています。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

MAKERSは、同期と本音で話す時間がとにかく多い場所です。合宿でも日常のやりとりでも、事業のことも、そうじゃないことも腹を割って話す。すると自然と、自分の内面とも相手の内面とも向き合うことになります。そこから生まれた信頼関係が、僕にとって一番の変化でした。信頼できる相手がいると、なんでも話せるようになります。悩みを打ち明けられるし、わからないことは人に聞けるし、自分の想いを隠さず出せる。医学部という狭い世界で、事業の話ができる相手がいないまま一人で抱えていた孤独感は、気づいたらなくなっていました。そして、同年代の仲間が本気で挑戦する姿をすぐ隣で見ているうちに、自分のやりたいことに本気で挑戦していいんだと思えるようになりました。この感覚の変化が、いまの僕のすべての行動の土台になっています。

Q.
奈緒子ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである奈緒子さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

奈緒子さんのゼミは、起業を学ぶというより、生き方を学んでいるみたいな感覚に近いです。事業をどう成功させるかの前に、自分は何が好きで、何に挑戦したくて、どういう人生を送りたいのか。そこから考えさせてくれます。答えを教える代わりに「じゃあ、それってどうなんだろう」と問いが返ってくるので、考え方そのものが少しずつ身についていきました。事業に詰まっていたら、「難しいから、面白い」「迷ったら難しい方を選びなさい」と言われて、そのまま座右の銘になりました。計画は思い通りにいかない前提で、ずれたときにどう立て直すかまで考えておくこと。仲間は、能力よりも先に、自分という人間を好きになってくれる人を巻き込むこと。などなど、、どれも、いまの僕の判断軸になっています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

本当にたくさんありすぎて、選べないですが、強いて言うなら、合宿です。数日間寝食を共にして、昼は真剣に事業をぶつけ合っているのに、気づけばみんなで公園で鬼ごっこをしたり、みんな揃って遅刻したり。夜は、睡眠時間を削って、事業のことも、全然関係ないくだらない話もたくさんして、ふざけて笑って、誰かがやらかしたり、笑。それでも、あんなに笑って、あんなに本気で人と向き合った数日間は人生でなかったです。忘れられないのは、合宿の最終日に、同期から「前より表情が良くなったね」と言われたことで、それほどありのままでいられる居心地の良い場所になったんだなと思いました。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

一番は、同期の存在です。孤独じゃなくなったのも、もっと頑張ろうと思えるのも同期のおかげですし、マインドだけじゃなく実務のやり方まで、同期から学べることが本当に多かったです。深夜に急に呼び出して事業の壁打ちに付き合ってくれた同期もいれば、入院した同期のお見舞いに桃を持って行って、病院で2時間話し込んだこともあります。事業に関係ないことまで全部、腹を割って話せる仲間ができました。それから、素敵な背中を見せてくれる先輩経営者の方々。自分の夢の実現だけで終わらせず、受けてきた恩を次の誰かに、社会に返していく「恩送り」という考え方は、この場所で教わりました。あとは、楽しむこと。ワクワクを大事にすること。これも間違いなくMAKERSでもらったものです。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

起業ノウハウを教える場所ではなく、まず人とのつながり、コミュニティであることだと思います。カリキュラムはないし、「起業家はこうあるべき」という型に誰もはめようとしない。その代わり、自分は何に挑戦したいのか、何が好きで何が嫌いなのか、自分自身と向き合うことになります。面白い人たちが集まって、そこから自然発生的にいろんなことが生まれていく場所です。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

「わがままを、本気で応援し合う場所」だと思います。世間がイメージする、優秀ですごそうな起業家を育てる学校ではないです。社会のためにこうすべきだからでも、誰かに言われたからでもなく、自分が信じた道、自分が思い描く理想を本気で実現しに行く。ある意味わがままで、純粋な人たちの集まりだと思います。表面上の付き合いではなく、心と心で会話するので、人と向き合ううちに、自分の心とも向き合うことになる。だからこそ、自分に正直にもなれました。ここで、「この未来を、人生をかけて本気で挑んでいい」と思えるようになりました。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

病気になったり介護が始まったりした途端に、暮らしも、仕事も、人とのつながりも、その人の人生そのものが「治療」に飲み込まれてしまうことがあります。そうなったとしても、それまで大切にしてきた生活や人とのつながりを、できる限り失わずにいられること。医療のために暮らしがあるのではなく、その人の暮らしの中に、医療が自然に溶け込んでいること。そんな空間や仕組みをつくりたいです。一方で、やっぱり医療は命を扱う領域だからこそ、重く、深刻で、複雑で、それでいて尊くて、簡単には変えられないこともたくさんあると思います。だからこそ、自分はもっとその領域に踏み込んでいきたいし、一人の現場に立って人と向き合い続けて、その中で感じたことや、心が揺れたことを起点に、自分らしいやり方で挑戦し続けていきたいです。そしていつかはMAKERSで自分がしてもらったように、今度は僕が、誰かの挑戦に本気で向き合い、背中を押せる人になりたいです。

(*このインタビュー記事は、2026年9月時点のものです)

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プロフィール
事業

PROFILE

2002年生まれ、東京都出身。昭和医科大学医学部5年/株式会社JinVisionary代表取締役。医学部在学中に、起業。都内の大学病院と連携し、病気の子どもとその家族、医療従事者のための滞在拠点「セカンドリトリート東京」を開設・運営。現在は病院・ホテルと連携した治療中の医療宿泊支援「Tomaru Medica」の実証と、他の地域での多世代・多機能共生型のケア施設「医療やケアが必要になっても、地域の中で暮らし続けられる住まい」の立ち上げに取り組んでいる。

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