MAKERS UNIVERSITY

HOMEMAKERSな人々メンターインタビュー【vol.01】 NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事 小沼大地さん

MENTOR INTERVIEW
メンターインタビュー

【vol.01】 NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事 小沼大地さん

メンターインタビューでは、実際にMAKERS UNIVERSITYのメンターの方々にお話を伺っていきます。
第一回のメンターは、国際協力の分野で活躍する、NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事の小沼大地さん。メンターにかける熱い想いはもちろん、小沼ゼミではどんなことを学んでいるのかにも注目です。

__MAKERS UNIVERSITYのメンターをはじめたきっかけを教えてください。

僕たちクロスフィールズの活動とMAKERS UNIVERSITYの目指すところがとても似ていて、“日本の面白い文化を作っていこう”というビジョンや、“これからの次世代を育てたい”という想いに共感したという点が大きいです。それと、僕は将来学校の教師になりたかったくらい、人の変化や成長ことが好きなんです。大学でゼミを持つのが夢でもあったので、今ゼミ生たちと深い話をすることで自分の人生も豊かになっていますね。

また、今の若者が何を考えて、どういう価値観で社会と向き合おうとしているのか、僕自身とても興味があるので、自分の学びとしても役立っています。
若者の社会貢献や国際協力に対する関心の低下が問題になっていますが、僕のゼミを通して、それらに興味がある若者の層を増やしていくこともメンターを務める使命のひとつ。将来、魅力ある新しい国際協力のカタチを作っていける同志が増えたらいいなと思っています。

__メンターをする上で心掛けていることはどんなことですか?

僕にできることは、何かを教えるのではなく、自分ととことん向き合い、やりたいことの本質に磨きをかけていくこと。“内省を促すコーチング”に近いかもしれませんね。なので、安易に起業するよりも、たとえばインターンなどを行ったりしながらじっくり力をつけることを進める場合もあるなど、その人にとってその人にとって“Ready”な状態を待って欲しいと思っています。
僕がクロスフィールズで行っている、企業とNPOの国際協力をつなげる「留職プロジェクト」もMAKERS UNIVERSITYのメンターも、共通して言えるテーマは“共育”です。所詮、一時的な教育で目に見える成果を出すのは難しい。けれど、その人が進む人生の過程において、進む角度が1~2度変わるお手伝いはできるのではないかと。僕が関わったことでの変化はわずかでも、その先見えるゴールは、きっと違う世界になってくるはずだと信じています。
起業だけをゴールにするのではなくて、これからの人生を生きる上で、自分の核となる価値観や姿勢を身につけてもらうことが真の目的。僕のゼミにいる塾生が、「あの時メンターの小沼に言われた言葉ってこういう意味だったのか」と、将来どこかで思い出してもらえたら嬉しいですね。

__今の小沼ゼミの塾生は、どんなテーマを学んでいますか?

日本国内の難民問題を解決するためのNPO法人WELgeeを立ち上げた学生。
アフリカの健康について学んでいる学生。
カンボジアで農業とテクノロジーをつなげる起業を目指す学生。
インターンをしながら自分ならではの国際協力を模索中の学生 など…。

特に国際協力というテーマは、弱い立場の人へのサービスの提供であったりするので、すぐに結果を出すのが難しい分野。だから、「あの子がやったから自分もすぐに起業しなきゃ」などといった焦りは禁物なんです。慎重に誠実に、自分のやりたいことと向き合って欲しいと思っています。
僕のゼミは統一のトピックを行うのではなく、月に1回一人30分間、1対1で僕がメンタリングを行うというもの。個別に何かしらお題を出し、翌月までに考えをまとめてきてもらい、僕はその内省の深さを見ていきます。そこで一番大事にしていることは“誠実さ”。焦りや見栄はすぐに僕が見破りますよ(笑)。

__1期~3期までを振り返って、印象に残っている塾生はいますか?

ゼミに入ったときからやりたいことが明確な学生、漠然としている学生、いろいろいますが、何をやりたいか模索中だった学生がやりたいことを見つけて、すごく生き生きと成長する姿を目の当たりにしたときは感動しましたね。何かに圧倒的な使命感を持って熱中できるか。それが見つかったときが、僕が一番メンターのやりがいを感じる瞬間かもしれません。
また、MAKERS UNIVERSITY自体には卒業という概念がないので、1年間のゼミが終了しても続くコミュニティができつつあるのもすごく嬉しいですね。小沼ゼミOBを交えた現役ゼミ生との熱い会合が今でもときどき開かれたりしています。そんな仲間に出会えるのも、MAKERS UNIVERSITYならだと思います。

__途上国分野を担う学生に期待していることはどんなことでしょうか?

冒頭でも述べている、“国際協力の関心の低下”の理由としては、日本国内にも都市部の貧困層や地方再生など、近い距離に課題が見えるようになってしまった、という今の時代背景があると思います。その一方で、国際協力の在り方は昔と変わってきており、たとえば日本にいてもできることはたくさんあると僕は考えています。
最新のテクノロジーを導入したり、クリエイティブでスピード感のある今流行りのビジネスモデルのようには、なかなかいかないと思いますが、広い視野を持って、若い世代ならではの新しい国際協力の在り方をじっくりと見つけていって欲しいですね。
最初から素晴らしいビジネスプランを考えられる人はいませんし、起業に完璧はありません。どうしてそれをやりたいのか、誰のためにやっているのか。サービスを受ける側の立場のことをしっかりと考えながら進めていって欲しいですね。

__これからMAKERS UNIVERSITYに応募する人たちにメッセージを!

これからの10年は、国際協力や社会課題という分野においては、確実にターニングポイントになってくるでしょう。今20代である君たちが、その時代を切り拓いていく人たちです。
そんな人たちにとってMAKERS UNIVERSITYは登竜門的存在であり、とてもすごいコミュニティ。僕が20代だったら確実に入っていたと思います。自分自信と向き合う覚悟と勇気があれば、自分にとってやりたい何かがまだ見つかっていなくたって大丈夫。
ここでの経験は、自分の今後の人生の進路に何かしらの影響を及ぼしてくれるはずです。これからの時代を共に生きぬく、新たな同志に出会えることを楽しみにしています。

Photo : SHIHO AZUMA
Text : TOMOMI KATO

戻る