STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー
MAKERSは「本質と向き合い続け、覚悟と腹落ちを深めていける場所。」
平井 大輝さん
NPO法人CLACK代表理事/MAKERS UNIVERSITY 4期生/大阪府立大学4年
MAKERS UNIVERSITY 4期生
- Q.
- MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?
大阪にて経済的・環境的にしんどさを抱える高校生へのプログラミング 教育の機会提供をしていました。
第1期生10人に対し、半年間・週2回の対面でのプログラミング学習とキャリア教育を実施しながら、5教科の勉強や居場所支援以外の方法で、しんどさを抱える高校生が自分の進路の幅を広げ、しっかり自分で自分の道を切り拓いて行けるように伴走したいという想いを持って活動していました。
また、8月にシアトルで行われたリーダーシップの研修プログラムに参加をし、本気で世の中を変えたいという想いが強くなり、クラウドファンディングを実施しました。そのクラウドファンディングでも目標金額を大きく超えて180万円もの金額が集まり、何とか1期生をスタートできるぞ!という状態でした。
また、本当にしんどい状況の高校生にアプローチするための手段として、NPO法人でやることを選択し、卒業後も本業としてやっていこうという気持ちになってきた時期がMAKERSに応募する前のタイミングでした。
- Q.
- 現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。
色々マイナーチェンジはあるものの、現在も同じ事業で2期生にプログラミングの機会提供をしています。
経済的困窮層の高校生への継続的な対面でのプログラミング学習機会を提供しながら、高校入学時点で低学力の生徒や、不登校や困窮家庭といった困難を抱える生徒に対して、5教科の勉強以外の方法で、自分で自分の進路を切り拓いていくための自分で稼げるスキルを身につけてもらっています。
具体的なイメージとしては、未経験から稼げるまでに下記の3つのステップのプログラミング学習機会に伴走していきます。
ステップ1:高校生支援者と連携してのPC未経験でも直感で楽しめる出張プログラミング体験
ステップ2:オフライン対面で半年間の継続的な無料(PC・交通費支給)のプログラミング 学習機会の提供
ステップ3:生徒チームでの受託案件への挑戦、IT企業での有給インターン
以上の3ステップを大阪で実施中で来年度中には、東京でも展開予定です。
- Q.
- MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?
『同世代で尖った事業を実施しようとしているMAKERS生との横の繋がりが欲しい』『MAKERS1期生から3期生との繋がりが欲しい』そんな想いで応募しました。
なぜ、そんな風に思うようになったかというと、TOMODACHI-Microsoft iLEAP Social Innovation and Leadership Program(以下iLEAP)というシアトルでの研修プログラムに参加した際、そのプログラムにたくさんのMAKERS生が参加していたんです。彼・彼女らみたいな人がいるなら参加してみたいと思ったのが最初のきっかけです。
そこから、MAKERSを調べていくうちに、MAKERSで事業をもっと加速させたい、東京に出て機会と情報がもっと欲しい、事業の成長には代表自身の内面的成長が不可欠だと考えているため、リーダーとしての自分自身の内面的成長に繋げたい、教育やテクノロジー分野を先導する方々に触れ、視座をもっと高めたいという気持ちが強くなり、応募を決めました。
- Q.
- 実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化や進化がありましたか?
将来、僕がつくりたい社会とそれを実現するまでの道筋の解像度があがりました。自分よりも2・3年先で、困難を乗り越えて結果を出しているMAKERSの先輩方と同じ時間を過ごす中で、当たり前の水準が上がって、見ている視座が高まりました。
加えて、自分の枠を外して、Think bigで考えられるようになってきて、人を本気で巻き込んでいく覚悟が日に日に深まっていっていっています。
また、同じように本気で社会を変えようとしている仲間に出会えたことで、1人で戦ってるんじゃないんだなという安心感を時々感じられるようになり、自分より遥かにすごいと思える4期生に出会えたことで、そいつとなら世の中を本当に変えられるんじゃないかという気になってきました。
- Q.
- 毛受ゼミやクロコムが自分自身や事業に与えた影響、メンターである毛受さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。
毛受ゼミ:経験と実績豊富で、今も現在進行形で社会を変えるために実践し続けている毛受さんに、一回だけの点での事業相談ではなく、毎月1回という線で事業相談にのってもらえることは非常に僕自身やCLACKの事業を進める上で役立ちました。
特に毛受さんは、社会に良さそうなことではなく、本質的に社会をよくして行くということについて、問いかけ続けてくれたことが僕にとって印象的でした。
ゼミに行くたびに新しい視点や自分自身の考えの偏りに気づかされ、負荷はかかりますが、毎回、来月は毛受さんの期待を超えていってやるぞという気持ちで挑んでいます。
クロコム:クロコムでは今の僕やCLACKの数年先の状態である、MAKERSの先輩起業家の生々しい話に触れることで、自分がこれから直面するであろう困難を想像できます。人を雇うということの責任やお金の”色”といったことをシュミレーションではなく、自分ごととして真剣に考える機会を得られます。自分の事業で行うための新たな金融の仕組みを考えたり、視座を無理やり上げざるを得ない環境なので、僕にとっては楽しくて仕方がない時間でした。
※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。
- Q.
- MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?
僕は漫画がめちゃくちゃ好きなのですが、一番好きな漫画は何かと言われると選べなくていつも困ってしまいます。ベスト20くらいならなんとか絞って答えられるかなという気持ちになります。
加えて、過去を振り返るのが基本的に苦手で(あまり自分の過去に興味がわかない)、その時は強烈に印象に残っていてもすぐに忘れてしまいます。
以上の2点からMAKERSで印象に残っていることについても、一つに絞れない、かつどれが印象に残っていることか思い出せないので割愛させてもらいます。
ただ、一つ言えることはコミュニティに所属するのが得意でない僕がわざわざ大阪から通っても、毎回行くたびに新たな発見があって、MAKERSに参加してよかったなと思えるくらいにはいい機会だということです。
- Q.
- MAKERSUNIVERSITYに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。
今までの人生で出会ったことのなかった「やばい人」に出会えたことです。加えてMAKERS1期~3期生で、既に活躍している人に触れられるのは、とても大きな刺激になりました。
- Q.
- 学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?
3点あります。1点目はMAKERS生に関わってくれる大人の本気度です。他のアクセラレーションプログラムなどは起業経験のない人がメンターになっていることなども多いですが、MAKERSは本当に自分で1から道無き道を切り拓いてきて、今現在も挑戦し続けている方々が時間を割いて僕たちに対して向き合ってくださいます。そこが、本当に有難いです。
2点目は、MAKERSに参加する時点ですでに事業をはじめている人がほとんどなので、口だけの人がいないということもよかった点です。
3点目は、運営のETIC.の支援する姿勢です。「10年後を創る人を創る」というコンセプトでやっているので、会社の形が株式だろうとNPOだろうと個人事業主だろうと利害関係なく全力でサポートしてくれるところは、非常にありがたいです。支援における色を限りなく無くした上でMAKERS生をサポートする姿勢を徹底しているので信用できました。
- Q.
- あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?
本質と向き合い続け、覚悟と腹落ちを深めていける場所。
MAKERSでは、取り組む事業テーマは、本当に何でもOKで、自分の本質をひたすら見つめた上で、登る山を決めていく。登る山を決めたら、それを実現するためのリソースはMAKERSに散りばめられている(チャンスは与えてくれるがそのチャンスを掴めるかは自分次第)ので、すごく楽しいし、すごく苦しくて痛いものでもあります。
それでも、つくりたい社会、変えたい状況、表現したいことがある人にとってはこれ以上ない機会かなと思います。
また、みんな本気で自分の事業をやっていてどれも興味深いので、自分がそれまで全く知らなかった社会課題が自分ごとになっていくのは、いいなと思います。
- Q.
- あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。
「生まれ育った環境に関係なく、子どもが将来に希望を持ってわくわくして生きていける社会」の実現をしていきたいです。
今やってるCLACKの事業を、「子ども食堂」や「無料学習支援」のような子ども支援の新たな社会インフラへと進化させ、日本中で高校生なら誰もが、未経験から稼げるまでのプログラミングのスキルを身につけられ、自分で自分の進路を切り拓いていくための伴走支援を受けられる状態をつくる、
そこから、起業家や優秀なエンジニアを輩出し続けることで、貧困層の子どもにとってのロールモデルをたくさん作り、自分が今置かれている環境に関係なく「CLACKにいけば自分も変われるかもしれない!」という希望とわくわく感を持てる社会にしていきます。
(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)
関連URL
・CLACK Webサイト
・180万円集めたクラウドファンディング
・CLACK note
メディア掲載歴
・「生まれ育った環境に関係なく、将来に希望を持ちワクワクできる社会を目指して」

PROFILE
平井 大輝
NPO法人CLACK代表理事/MAKERS UNIVERSITY 4期生/大阪府立大学4年
1995年大阪生まれ。「生まれ育った環境に関係なく、子どもが将来に希望を持ち、わくわくして生きていける社会」をビジョンに掲げ、経済的・環境的にしんどさを抱える高校生にプログラミング教育の機会を提供。
自身も父親の自営業の廃業と両親の離婚により、中高時代に経済的に苦労してきた経験から、「自分と同じような境遇で苦しむ子どもの力になりたい」と思い立ち、大学入学後、貧困支援系のNPOで3年間活動。貧困の連鎖を断ち切るための居場所支援、学習支援以外の手段として、プログラミング学習の機会提供に取り組む。
現在はCLACKの事業を持続可能かつスケールアウト可能な仕組みづくりにしていくことに挑戦中。