MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

目先の成功にとらわれない本質を叩き込んでくれるのはMAKERSしかないと思っています。

遠藤 玲希央さん

東京大学農学部獣医学課程獣医学専修5年 / 株式会社parnovi 代表取締役CEO

MAKERS UNIVERSITY 4期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

MAKERS UNIVERSITYに応募する前は、英語スピーチの全国大会にいくつも出場したり、HLABという教育系の一般社団法人で2,000人のコミュニティマネジメントを1人でやっていたりしていました。
大学では獣医学科で勉強しているのですが、そういった動物とは関係のないスキルをどのように動物の業界に還元しながら自分にしかできないことを見つけ、自分にしか歩めない人生を歩んでいくか考えている中で、「ペットサービスの口コミSNS」という切り口のビジネスでペット業界の社会課題を解決する方法を思いつき、それを実現するために奔走していました。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

parnovi(ぱるのび)という「飼い主の写真投稿からペットサービスを探せる新しい口コミSNS」を作っています。
parnoviでは、ペット関連サービス・店舗(動物病院・ドッグラン・カフェ・フード・おもちゃ etc.)の評価・口コミを写真と一緒に投稿することができます。お散歩仲間や気になる飼い主をフォローすることで、彼らの投稿をタイムライン上で閲覧・コメントすることができ、その他の口コミ・店舗情報の検索も簡単に行うことができます。
アカウント毎に信頼スコアが明示され、スコアの高い飼い主や店舗はポイントをもらえたり特典を受けられるなど、よりメリットを得られるような仕組みになっています。

“評価/レビュー項目”を上手くデザインすることで、啓蒙活動やメディア発信に依存することなく無意識にユーザーのリテラシーを向上することができます。また、評価経済の循環を創り出すことで、これまで「倫理をとるかお金儲けをとるか」の二項対立の狭間でもがき続けてきたペット社会の通説を覆し「倫理的に正しい人が報われる社会」を作り、持続的な社会課題解決を実現します。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

実は、MAKERS UNIVERSITYのことは僕の1つ前の3期の募集の時から知っていましたが、その時はまだ自分の本当にやりたいこと・自分にしかできないことが見つかっておらずあえて応募しませんでした。しかし、それから半年ほど経って、自分のコミュニティマネジメントやスピーチのスキルを自分の専門であるペット業界にどう活かすかを考える中で自分にしかできないビジネスを見つけ、活動を始めました。

その事業案で2018年12月に同じくETIC.が主催するTOKYO STARTUP GATEWAY2018というスタートアップコンテストで最優秀賞をいただき、改めてこの事業で起業しようと覚悟を決め、同じステージにいる学生たちと切磋琢磨できる環境を求め、MAKERS UNIVERSITYに応募を決めました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

やはり1番大きいのは自分と同じくらいのステージにいる仲間に出会えたことです。具体的には、起業して半年以内や起業直前くらい、あるいは起業していなくても自分の実現したい世界や社会を描き他のメンバーと活動しているような仲間がメーカーズには集まっています。そういった仲間と月に数回顔を合わせることで、彼らが何をしているのか、うまくやっている部分も悩んでいる部分も、全て共有しあうことができました。

そんな仲間ができたことで事業がどういう状態の時も自分には帰る場所があり、受け入れてくれる仲間がいるという安心感と、だからこそ常に挑戦し続けようという覚悟が芽生えました。

Q.
古俣ゼミやクロコムが自分自身や事業に与えた影響、メンターである古俣さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

古俣ゼミでは、毎月、これまでの1ヶ月の振り返り作業とこれからの1ヵ月の方向修正を行う重要な場所となっていました。自分は写真投稿の口コミSNSを作っているので、消費者同士での写真の売買サービスを運営している古俣さんからのアドバイスは非常に参考になることが多く、特に古俣さんが立ち上げ時にどういったことを行っていたのかや、いろいろな経験を経て今の古俣さんならどうするかを常に聞いていました。実際にサービスのグロースやメディアアプローチ、採用、投資家まわり、、、、など多岐にわたる超具体的なアドバイスをいただきました。古俣ゼミの同期もとても仲が良く古俣ゼミ以外のMAKERSの集まりでもいつも固まっています(笑)

クロコムではファイナンスの知識を学ぶ場所と最初は思っていましたが、それ以上に月1の泊まり込み合宿でいつも得られるのは、起業家として、代表として、どういう心持ちで、どういうメンタルで、どういう感情で、チームメンバーや、社員や、顧客や、クライアントや、あらゆる関係者に向き合うのか、自分自身がどう成長していくのか、ということでした。なかなかにハードなゼミなのでだんだん人が減っていきますが、その中で最後までめげずに生き延びてこられたことも自信に繋がっています。

※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

「決断」と「判断」についてMAKERSの仲間と考える時間があり、その時に大きな気づきを得ました。「決断」とは、絶対的な正解はなく最終的には自分の心の中で覚悟を決め選択することである一方で、「判断」とは適切な情報や手がかりをもとにより良い方を客観的に選択するということでした。当然、起業・経営の中で「決断」も「判断」も両方重要なのですが、代表であり羅針盤を持ち方向を示し続けなければいけない身としては、その2つを使い分けた上でいかに「決断」をしていけるかというのが非常に大事であると感じました。

結局、選択するときにどちらが正しいのかなどわからなく、自分が選んだ道を正しくすることでしかないんだと。そしてその決断に対して覚悟と自信を持って歩める代表のもとに魅力を感じていろんなひともリソースも集まってくるのだと思っています。これまで決断と判断の違いさえ考えたこともなかった自分にとってマインドセットが大きく変わるきっかけとなりました。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

やはり1番大きいのは「仲間」です。初めての起業で当然すべての物事が未経験です。そんな中で信じられるのはちょっと先の道を歩んでいる、あるいは一緒に横を走っている仲間たち。彼らが半年前にやったこと、今やっていることをシェアしてもらえると自分の悩みも簡単に解決されるし、自分も仲間に対して経験をシェアすることで一緒に前に進んでいける。彼らと一緒に下した決断や判断は、もちろんポジティブな攻めの意思決定でも、たとえネガティブな”やめる”という意思決定であっても、心から自分に向き合って下した意思決定なのであればそこにいる仲間たちは受け入れてくれるという安心感が常にあります。

メーカーズは事業をうまくやるための場所ではなく、自分に向き合い、人生を開拓するための場所なのだと思います。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

MAKERS UNIVERSITYが他のプログラムと異なるのは、目的が「事業の成功」では無いというところだと思います。他の起業支援プログラムやアクセラレータはそもそもビジネスアイデアありきで、それをより具体的にする、つまりその事業を成功させることが目的であり、なぜその事業をやるのか・そもそもあなたは誰なのかを問われることはあまりありません。

一方で、MAKERS UNIVERSITYでは別に起業しなくてもいいし、結局起業は手段の1つにしか過ぎず、もっと根本にある、自分はどういう存在なのか・何をしたいのか・どのような世界を作りたいのかということが常に問われます。そういった自分の軸を磨き続けさせられるからこそ、今やっていることがより洗練される人もいれば、何かがずれていたと気づき新しいことにシフトできるひともいる。それが許され、目先の成功にとらわれない本質を叩き込んでくれるのはここしかないと思っています。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

『珍獣たちが走り回るドッグラン』
起業家としてはまだまだ未熟だしひとりで世の中に放たれるとどう走っていいかわからないからこそ、まずは広めの柵の中でいろんな仲間たちと自分が走りたいように走り回ってみる。そんなことがノーリスクでできる場所。そこで社交性や世の中のルール、起業のルールを身に付け、そうしてやっと柵の外の世界へリードなしでもお散歩にいける。

ただし、ここにいる子たちは多様でみんなタダモノじゃないのでもう大変(笑)ライオンも、ゾウも、モグラも、ネコも、オオカミも、プレーリードッグも、みーんないる。ドッグランというり、サファリパークかもしれないなぁ(笑)

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

『頑張っている”いのち”が報われる社会』を作ります。小さい頃から理不尽なことが嫌いだった僕は、だんだん大きくなって社会のいろんな負の側面が見えてきて、正直者が馬鹿を見るようなことがずっと嫌でした。特に、僕は生まれた頃から初めて話した言葉が「うま」だったくらいには動物が好きなのですが、ベット社会においてビジネスと倫理がまったく両立しておらず、倫理的に正しいことをして儲けられない人と倫理的に正しくないことをして儲けている人がいることが許せませんでした。殺処分や悪徳業者の社会課題もそういう社会構造に起因していると思っています。

ただそういった現状を変えようとしている人も既にたくさんいる一方で、依然として社会は変わっていないことにも理由があると思いました。そこで、啓蒙活動などではなく消費者心理をうまく利用して、直接社会課題について訴えかけなくても、便利なサービスを利用していると気がついたら社会課題が解決されている、そんなやり方で僕はベット社会のビジネスと倫理を両立します。

(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)

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メディア掲載歴

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渋谷のラジオ
BS12:夢らぼ
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PROFILE

遠藤 玲希央 東京大学農学部獣医学課程獣医学専修5年 / 株式会社parnovi 代表取締役CEO
株式会社parnovi 代表取締役CEO。東京大学獣医学科5年(休学中)。
沖縄生まれで、幼少期を中南米で過ごし、ガラパゴスやアラスカの大自然を目の当たりにして動物の道へ進むことを決意。
大学入学後には、ブラジルやアフリカの獣医大学を単身で訪問したり、英語スピーチで全国優勝や2000人のコミュニティマネジメントを経験。
大学4年次にTOKYO STARTUP GATEWAY2018にて最優秀賞&オーディエンス賞を受賞。現在はペット社会のビジネスと倫理を両立するべく、WEBサービス”parnovi(ぱるのび)”を開発中。
生まれて初めて話した言葉が「うま」なくらい動物が大好き。
愛犬はゴールデンレトリーバーの「あもる」。

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