MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

「交換」の世界から、「贈与」の世界へ。田舎ホームステイFamilyinnで相互扶助の社会構築を目指す!

杉本朋哉さん

東京都立大学退学/株式会社Familyinn 代表取締役社長

MAKERS UNIVERSITY 5期生

Q.
現在、どんな事業やプロジェクトに取り組んでるか教えて下さい。

Familyinnでは、地域交流のできる田舎・地方のお家に、20日以上のホームステイが出来ます。
今まで出逢う事がなかった人と、助け合う暮らしを通し、関係性を深めていきます。多様なコンセプトを持つFamilyinnホストと出逢い、新しい知見を得て、価値観を広げ、自分自身を向上させていきます。 互いに助け合う、友達であり家族のような暮らしをすることができます。

Familyinnホストは、農家、自然農法を扱うお家、交流盛んな若者シェアハウス、赤ちゃんのいるご家族、集落で自給自足の暮らしをしているご家族など、ユニークな方がいらっしゃいます。そのため、ゲストは地域交流をしながら様々な実践的な学びをすることができます。

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前は、どのようなことに取り組んでいましたか?また、MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERSに応募する前から既に法人登記をしていました。今は田舎のホストとゲストのホームステイ事業を行っていますが、MAKERSのプログラムの最中は東京のエリアに絞りマッチングを行っていました。

2社目のFamilyinnを創業した時には、主に2つの大きな不安がありました。1つ目は、大きな志を持つ友人も周囲にはいないこと。2つ目は、就職やインターンの経験がないため、会社の運営について全く分からなかったことです。全て感覚で行なっていた為、非常に効率が悪かったです。

その2つの不安要素を拭うために、MAKERSに応募しました。「全校生徒、革命児」の言葉に惹かれ、切磋琢磨できる仲間やメンターの方々に出逢い、本気で社会に変革を起こしていくと覚悟を持って応募をしました。

Q.
今の事業に至るまでの紆余曲折や、その間にどういう試行錯誤があったのかを教えて下さい。ターニングポイントや転機などがあればそれも含めて教えて下さい。

今の事業に至るまで必至にもがいていました。
紆余曲折やターミングポイントは数え切れないほどあります。起業すると大きな壁にいくつもぶつかりました。家から追い出されたこと、メンバーの出入りが激しく自分しか残らなかったこと、確信していたサービスが全くうまくいかなかったこと、PDCAの回し方が分からないこと、全く稼げないことなど、とにかく不安要素しかありませんでした。それでも自分の信念を信じ続け、暗闇の中をひたすら突っ走っていました。

負の状態を変えるには、何か大きなきっかけがあり劇的に変化できるのではなく、小さな気づきと改善を繰り返し続けることが必要でした。しかしSNSでは様々な意見や起業のノウハウが溢れているので何がベストな選択か分かりませんでした。結果として一度失敗を経験することの学びが一番納得感がありました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

起業当初、社会経験のない自分にとって社会に出るということが分からず、仕事の進め方が分かりませんでした。仕事を進めるにあたり、様々なステークホルダーの方と関わるのですが、自分の無責任な行動によって信頼が損なわれてしまったことがあります。
MAKERS生は僕より経験を重ねている人も多かったので、仕事の姿勢を指摘されたり、アドバイスを貰ったりしました。その結果、アポイントでのドタキャンや仕事の期日が過ぎることもなくなり、責任を持った言動をすることが出来たのではないかと思っています。

また、僕は完全にビジョナリーに全振りしたタイプだったのですが、ロジカルに社会実装をしていく実現性を重要視するMAKERS生に、「ユーザーと向き合うことが一番大切」とアドバイスを貰っていました。今思えば、MAKERS生にたくさん頼らせていただき、成長もさせていただき本当にお世話になりました。

Q.
成田ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである成田さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

ゼミでは成田さんから「いいじゃん」の一言を貰えることがとても嬉しく感じていました。起業した時に、多くの身近な知人からは「自分勝手」や「失敗する」のようなネガティヴな言葉をもらうことが多く、褒められる経験がなかったので、「いいじゃん」は純粋に嬉しかったです。

精神的なこと以外では、新しい事業を立ち上げるということが全く分からなかったため、事業の不安要素を成田さんに聞いてもらい、改善策や思考法など教えてもらったことで事業の改善をし続けることが出来ました。加えて、他の成田ゼミメンバーも、自分ごとのように、僕の事業を考えてくれたため、自分にはない視点が広がっていきました。やはり、同じフェーズもしくは自分より上のフェーズにいる人と関わることは大切なことだと感じました。

新しいホストさんとホストさんのお家で食事

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

得られたことは挙げさせていただいた通り、仲間・仕事の姿勢・ビジネスの視点です。加えて学術的視点からビジョンの解像度を高めることもしていました。MAKERSで得たことが一つではない理由としては、MAKERS生にはスタートアップ系・ソーシャル系・地域系・福祉系・アカデミック系など、様々なバックグラウンドのメンバーがいることです。

MAKERSは対話の時間が多いため、多領域の分野を横断することができます。その時間が、一人では偏りがちな思考を柔軟にさせ、ビジョンの軸を確立させ、社会実装の現実性を帯びさせます。MAKERSの多様性があるからこそ実現したことだと思います。さらに、プログラム終了後も定期的に、MAKERS生と失敗や改善を共有する時間を設けていて、今では掛け替えのない仲間となりました。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

参加者の質は圧倒的に良いと思っています。質とは、人間性、相互に良い影響を与える、事業に対するパッションを指しています。参加者の質が高いと、プログラム期間終了後も継続して相互フィードバックを取り続ける関係になることもあります。

僕がMAKERSを推す一番の理由はそこにあります。もしかすると質の良い参加者が集まるのはMAKERSの選考やブランディングが関係しているかもしれませんが、MAKERS事務局の方々が参加者同士の深い関係構築のきっかけを多く提供しているからかもしれません。

他の観点としては、MAKERS事務局の方々の力量に驚きました。MAKERS生を批判することなく、心配までしてくださっていました。さらに、MAKERS生にとって重要となる人を紹介してくださります。MAKERSの現役期間が終わった後も、大先輩の社長もそうですし、MAKERSの先輩にも繋いで紹介してくださります。また、MAKERSの期を超えた交流も大変魅力です。

二人のゲストとホームステイ先で食事(ステイ先はMAKERS5期の黒川くんの家)

Q.
あなたにとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

一言で言うと、MAKERSはふるさとです。
僕がふるさとと言えるようになるには下記のようなプロセスを辿る必要があると思っています。
自分より経験のある方々からお世話になり、様々なことを学び、地に足を着ける。その後、外へ飛び出し、挑戦の連続をする。気づきと改善を繰り返し、結果を出す。成長し胸を張れる姿でまた地元に戻って来る。そして自分自身の経験を還元する。これがふるさとと言える関係だと考えています。
私は、自身の事業を伸ばし、MAKERSにペイフォワードの精神で恩返しをしていきたいです。
「ふるさと感」に関して、今手掛けている田舎ホームステイFamilyinnの要素が類似しているため、MAKERSの理念であるペイフォワードの精神は大変共感しております。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

資本主義に依存してお金に頼りすぎるのではなく、隣近所同士でお裾分け文化のあるような人と人の深い繋がりの中で助け合える「相互扶助の社会を構築」ミッションに掲げています。何かをするから対価が支払われる「交換」の世界から、この人のためにこれを与えたいといった内発的動機が伴う「贈与」の世界です。

また、ビジョンとして「持続可能な社会を実現する」を掲げています。私たちができるアクションとして、物を買わない選択肢があります。Familyinnの暮らしでは、物が足りなければ地域の人とシェアをします。そのような暮らしをすることで、人はシェア習慣が当たり前になります。グリーンウォッシュとして持続可能という言葉を活用するのではなく、本質を追求し続けた抜本的な持続可能性を追求していきます。

(*このインタビュー記事は、2021年9月時点のものです)

関連URL

公式サイト
ゲスト用LINE
ホスト用LINE

メディア掲載歴

・U-next
・複住スタイル
・キャリコネ
・観光経済新聞社

PROFILE

杉本朋哉 株式会社Familyinn 代表取締役社長
杉本朋哉 1998年生 23歳 東京都出身
親の転勤の都合で4つの小学校に所属し、田舎と都市(福井・兵庫・札幌・東京)で暮らす。小学校6年生から東京で10年間以上暮らす。
◼️大学時代
歌手の研修生として活動。2つの学生団体を立ち上げ、2回の起業。
*2017年4月 「学生が情報交換を行えるリアルな場作り」として150人規模の学生団体を立ち上げ運営。 毎月50人以上のイベントを開催し、就活斡旋なども行う。
*2017年10月 代理店として少数精鋭の訪問販売組織を立ち上げ、営業を行う。
*2018年9月 株式会社NaToRを創業。 大学選択の際に、質の高い意思決定を行うための自己分析を提供するキャリア教育事業を行う。
創業メンバーとの方向性の不一致が生じた時に、「人と人との繋がり」「人類の存続にとって必要不可欠」なサービスでないと人生を賭けて取り組めないと感じ、 「孤独問題」に辿り着き、 多様化する家族領域に着目。
2019年1月 株式会社Familyinnを創業
2019年2月 社会学者宮台ゼミに所属。MAKERS UNIVERSITY第5期生に選出。
2020年3月 家を追い出され、3組のお家に合計1年3ヶ月のホームステイを経験
2020年8月 田舎ホームステイFamilyinnをリリース
2021年3月 東京都立大学退学
2021年5月 次世代の観光産業を創造するPOOLO NEXT特待生

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