MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

多大なポテンシャルを秘める海をあまねく観測できるセンシング網を作り、いつか自分達が作ったシステムで宇宙の海を探査することが目標です。

野城 菜帆さん

慶應義塾大学大学院理工学研究科修士2年 / 株式会社MizLinx 代表取締役

MAKERS UNIVERSITY 6期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんな想いで、どのようなことに取り組んでいましたか?

MAKERS UNIVERSITYに応募する半年くらい前から、海で使える機械を作って、それを事業化していきたいと考えていました。ただ、当時はなんとなく作りたいものや実現したい世界はイメージできていたものの、まだまだ夢物語で、具体的にどう実現していくのかはほぼ考えられていませんでした。

これよりもさらに前は、漠然と起業してみたいなとは思っていたものの、どのような事業を起こしたいのかは自分でもよくわかっていなかったので、とりあえずいろいろなビジネスコンテストに出てみたり、産学連携の講座に参加してみたりしていました。その中で最も産学連携講座が心に残っており、科学技術を軸にした事業が一番面白いなと感じたのは覚えています。

Q.
現在はどんな事業やプロジェクトに取り組んでますか?その事業やプロジェクトに挑む背景や想いも含めて教えて下さい。

現在は海洋資源探査を効率化する観測システムを開発しています。海洋資源は大きく魚介類等の水産資源と、レアメタルやメタンハイドレート等の海底資源に分けられますが、今は水産資源向けのプロダクトに取り組んでいます。

日本は魚介類等の水産資源に恵まれ、古くから海の恵みとともに生活をしてきましたが、現在は資源減少や担い手減少が進行しており、水産業の持続可能性が失われつつあります。
そこで、私達は持続的な水産業を実現するために、漁業・養殖業の業務効率を改善するシステムを開発しています。効率的な操業が実現すると、収益性が向上するため漁獲量を抑えつつも収入を維持・向上させることができ、水産業の資源管理にも役立ちます。また、儲かる水産業に変化することで、人材の流入が見込めると考えています。

将来的には、本システムを発展させることでより遠く、深い海にある、レアメタル等の海底資源の探査に繋げていくことが目標です。
私達が開発するシステムが社会に実装されることで、海によって豊かになった国「海洋立国日本」が実現できると信じています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

MAKERS UNIVERSITYに期待していることは大きく分けて2点ありました。
1つは悩みを何でも相談できるような起業家の仲間ができること、もう1つはメンターや起業家同士のディスカッションを通して自分の事業案のブラッシュアップができることです。
応募前、MAKERSを紹介してもらった時は事業を進めていく自信を失いかけていたタイミングでした。だからこそいつでも相談できるような人、そして事業に対するアドバイスをくれる人がいる環境を一際、強く求めていたのだと思います。
MAKERSに入った結果、どちらも達成されているので大変有難く感じています。それに加えて、MAKERSの応援団との出会いの会などで、沢山の偉大な経営者の方々とお話する機会をいただき、とても勉強になっています。

※参考:応援団との出会いの会
MAKERS生のような次の時代を担う若いチャレンジャーを応援したいという志を持つ「MAKERS応援団」が総勢40人も一度に集まる一大イベント。
ユーザーインタビューに協力してくれる、最初の法人顧客になって実績作りを応援してくれる、オフィスを間借りさせてくれる、アプリのグロースの相談に乗ってくれるなどなど、ビジョンに共感した「応援団」が、事業の加速に必要な様々な知恵、リソースを提供してくれます。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変容や進化がありましたか?

完璧である必要はないなと思えるようになりました。誰だって不安になるし、誰だって不得意なことはあるし、誰だって失敗することもある…頭ではわかっていたことですが、いざプロジェクトを立ち上げて自分がリードしていく立場になると、それは許されないことだと無意識に思っていて、行き過ぎなまでに不安や焦りなどのマイナスの感情を抱いているところがありました。

しかし、MAKERSに入ってみると、実力者で、常時キラキラしているように見える人も、みんな普通に裏では苦しみもがいているということがわかりました。そこで肩の力が抜けて、だいぶ楽になった気がします。そして今の方が全然うまく物事を進められています(とはいえまだまだ反省の日々ですが)。

Q.
上村ゼミが自分自身や事業に与えた影響、メンターである上村さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

上村さんは疑問点を潰し、迷いを解消し、背中を押してくださるメンターです。ゼミでは、進捗報告と相談を主にしているのですが、いつも的確なアドバイスとポジティブな意見をくださり、大変励みになっています。
他の上村ゼミメンバー達は私が全く専門外のところに取り組んでいるので、いつも話を聞いていて面白いです。そして、みんなもがきながらも(笑)、着実に前に進んでいっています。

また、ゼミの機会とは別に、上村さんに個別で相談させていただく機会があったのですが、その際の相談内容に対する回答の中で「これはみんなが通る道」「経営者になってきたということだね」と仰っていただき、安心したのを覚えています(もちろん回答内容本体の方も的確で、迷いも晴れました)。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入学してから、一番印象に残っている出来事は何ですか?

2月の合宿で行ったライフストーリーテリングが一番印象に残っています。(正確な時間は忘れてしまいましたが)確か1人30分程度時間を取って、自分のこれまでの人生を振り返りつつ、長い自己紹介をするというセッションでした。
自分が全く直面してこなかった経験談が聞けたり、自分では全く考えたこともなかったような問題意識などがどんどん出てきたりして、正直驚きました。知らない世界を沢山見ることができ、非常に楽しかったです。また、ここまで自分のことを長く話すことはあまりなかったので、自分のことを振り返る良い機会にもなりました。

Q.
MAKERSに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

起業家の友達やメンターが沢山できたことです。気軽に起業家ならではの悩みなどを相談できるのはとても心強いです。また、定期的に同期のみんなの進捗を聞くのはとても刺激になります。爆速で進捗を生んでいるメンバーが身近にいると自分の心に火をつけてくれます。
さらに、自分にはない考え方に触れる機会があるのも非常に勉強になります。挙げればキリがありませんが、MAKERS生が取り組んでいる事業の中には、一般的には変わっているよねと言われるような思想や経験に基づくものが結構あります。自分にはなかった視点を認識すること・取り入れることで、人生が豊かになっていると感じています。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

辛いこと、不安なことを普通に言えるプログラムということではないでしょうか。通常こういったプログラムは弱い側面はあまり見せず、ドライな感じで進むことが多いと思いますが、MAKERS UNIVERSITYはそんなことはありません。
むしろ内面をさらけ出すことが推奨されます。
やはり起業している以上、どうしても苦しい局面は出てきてしまうと思いますが、MAKERSではそれを気軽に起業家の先輩や同期に相談できます。別に綺麗に言語化できていなくても、感情的な部分の悩み事であっても、何でも相談できるというのがポイントです。このようなスタイルで相談できる場所は多くはない(それが先輩相手だとなおさら)と思うので、MAKERSには本当に感謝しています。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

私にとってのMAKERS UNIVERSITYは「学び合い、助け合う場所」です。MAKERSではいろいろな考え方の人が、いろいろな知見を持っていて、いろいろな情報を交換し合っています。自分もMAKERSで多くのことを学び、幾度となく助けられてきました。きっとMAKERS卒業後も交流は続き、学び合い、助け合い、お互いを高め合っていくのだと思います。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

遠洋であろうと深海であろうと、遍く海を観測できるセンシング網を作りたいと考えています。
海はまだまだ未知の事柄が多い領域です。そして産業的にも学術的にも、多大なポテンシャルを秘めています。
海を探究して、うまく付き合っていけば、おそらく今は想像もつかないような面白い世界が待っているような気がしています。

そしていつかは地球を飛び出して、宇宙の海に行きたいと考えています。実は、木星の衛星である「エウロパ」や、土星の衛星「エンケラドゥス」などには海があると言われています。これらの海を自分達が作ったシステムで探査することが目標です。

海洋と宇宙。人類のフロンティアとロマンを追求します。

(*このインタビュー記事は、2021年9月時点のものです)

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メディア掲載歴

PROFILE

野城 菜帆 慶應義塾大学大学院理工学研究科修士2年 / 株式会社MizLinx 代表取締役
1996年千葉県生まれ。大学院ではシミュレーションによる月面探査車の運動解析の研究に従事。長期インターンにてIoT製品のプロトタイプ開発を行う。2019年度京都大学技術イノベーション事業化コース優勝。2020年度Fukushima Tech Create、2021年度未踏アドバンスト事業採択。

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