MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

MAKERSは創る側や支援する側の思惑がなくてすごくフラットなんです。それってすごいことだなと思います。

小幡 和輝さん

NagomiShareFund & 地方創生会議 Founder/内閣府地域活性化伝道師

MAKERS UNIVERSITY 2期生

Q.
現在、どんな事業やプロジェクトに取り組んでるか教えて下さい。

今は、いわゆる日本の地域というか地方の活性化と言われるようなところで様々な取り組みをしています。元々リアルなイベント作ったり、広告作ったり、クリエイティブが好きということもあり、「地方×クリエティブ」の領域で活動しています。

今一番力を入れてるのが地方創生会議という取り組みです。
地方創生会議は47都道府県すべてがつながる場所で、民間企業・自治体職員・フリーランス・クリエイター・学生 など全国に散らばる、地域が大好きな人が高野山に集まるイベントで、地方創生のプラットフォームを目指しています。

地方創生会議をきっかけに、様々な人と繋がり、そこで出会った仲間と新しい仕掛けや企みが広がっています。その中でも、僕が軸にしていることは、イベントとか広告とかクリエティブです。

僕、SNSがすごい好きなんです。地方創生会議も200人くらい全国から人来てくれるのですが、ほとんどSNSで人を集めてます。地域の人たちは、元々いいものは持っているけれど、それがうまく知られてない。そのような地域の魅力をうまく発信できないという日本中で起こっている課題を解決できるような仕組みを今は作りたいなと思っています。

予算をもらって発信代行しますよ、というようなやり方ではなく、僕らが実際に地域に行って地域の人を徹底的に鍛えるということをいまやっていて、僕はSNSを使ってものを売る、SNSを使って人を呼ぶみたいなことをやっています。他にも例えばインスタグラムで海外の人にすごくフォローされてる人とか、SNSも各プラットフォームごとで色が違うので、僕の周りにいるその分野に特化した様々な専門家を集めて地域に行って、地域の人たちを徹底的に研修するというような事業も力を入れてやっています。

あとは、MAKERSでの出会いがきっかけで、MAKERSのメンターでもあるデジサーチアンドアドバタイジングの黒越さんとも、主にお金の支援という文脈で一緒に色々事業をやらせて頂いています。

例えば、クラウドファンディングで地域の人がうまくお金を集められるようにサポートしたり、NagomiShareFundというファンドを作ってお金を投資して地域の事業を伸ばしていこうとか。基本的には地方で起業するとか地方でチャレンジする人を応援するとか一緒に自分も関わって事業作るとかそういうことに取り組んでいます。https://www.obatakazuki.com/21074477

Q.
地方創生や地域活性などそうゆうことに挑むようになった背景や想いを教えて下さい。

僕は、和歌山県湯浅町という人口1万人くらいの醤油が発祥の田舎町に生まれて、いわゆる消滅可能性都市なんです。人口がどんどん減っていきていて、地域のお祭りがなくなったり、保育園が潰れたり、そういう現実を昔から見てきました。

それで子どもながらに地域の文化とか魅力とかがなくなっていくんだろうなと感じていました。それで、僕は戦国無双とか信長の野望とか歴史を題材にしたゲームがめちゃめちゃ好きで、そこから日本文化とか歴史とか興味持ち出して、一般的にには知られてないけど、オーッっておもうものっていっぱいあるんです。そういうものをもっといろんな人に知ってもらいたいなって。

加えて、もう少し原体験でいうと、もともと学校にずっといけなくて、不登校だったんです。でも不登校だったけど、学校っていうコミュニティが最悪だっただけで、学校以外のところで不登校の友達のコミュニティがあったり、ゲームの大会でたり、非日常のコミュニティというか学校とは場所を少しずらしたところでは僕がすごく輝いていたんです。

学校は無理だったけど。だから普段あってる人たちと違うつながりのなかでなにか何かが生まれたり、人生が変わるとか、そういうの僕は実体験として経験してきたことだから、そういう場作りとかイベントとかすごい好きなんだと思います。そうゆうことが組み合わさって、今の仕事につながっているのかなって思いますね。

Q.
自身の不登校を経験にしたプロジェクトについて教えて下さい。

ここ1年くらいその不登校を軸にしたプロジェクトをたくさん立ち上げています。まず、1年半くらい前に自分の体験談をまとめた本を作って日本中の学校に配るというクラウドファンディングに挑戦しました。130万円くらい集めて、そのお金で1500冊本を創って配りました。その反響があったおかげて出版社から声がかかって、本を出版しました。

不登校で悩んでる人たちの支援というのはすごく大事なのですが、どちらかというと不登校に対する社会のイメージを変えていくとか、あとは不登校になった後どうするかを考えていく方が大事だと思って、最近は活動しています。

僕自身を振り返ると、僕は不登校だったけれど、不登校になってからの方が友達多いし、不登校になってからの方が僕は明るいんですよね。だから不登校になってよかったと思ってるんです。それは僕が特別というよりは不登校になった後に場所があったからだとおもっているから、それを作ろうと思っています。

最近では「不登校は不幸じゃない」というイベントを作って、不登校の人と今悩みを持っている人の座談会を国内47都道府県全部でやりました。あとはハッシュタグ、「#不登校は不幸じゃない」を使っていろんな人がSNSでメッセージを発信して、不登校のイメージを変えていこうというキャンペーンを仕掛けて、この1年で3万件くらい投稿されています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

もともと和歌山で会社を作ったのが高3で18歳の時でした。MAKERSに入った時は既に会社4年目でした。自分がとりあえず生きていくということは、フリーランスの延長線上みたいな感じでお金を稼げていたので出来ていました。

今は全国的にやっている地域創生の活動も、当時は、和歌山の中だけでやってました。ただ、和歌山の中だけでずっとやっていると、視野が狭くなる気がしていたタイミングでもありました。

ネットニュースなどで周りの同世代の活躍の様子を見聞きすると、このままでは良くないなって思ったんですよね。自分の視野をもっと広げるチャレンジをするということをやらなきゃいけないぞと思っていて、東京に行く機会をもうちょっと増やそうとも思っていて、ちょうどその時に、MAKERSを知って、応募しようと思いました。

こうゆう学生向けの長期間のプログラムに参加しようと思ったのはMAKERSが初めてでした。
僕はいわゆる資金調達をして上場を目指すという選択肢はあまり考えていなかったので、MAKERSはメンターの人たちが多様で、様々なバックグラウンドの人がいて、そうゆう意味でMAKERSは自分に合う気がしました。

実際MAKERSに入塾して、意外と地方税が沢山いたのも驚きましたし、その人しか創れないようなとんがった事業や、なぜそれをやるのかということが、深いメンバーが多くて、すごいいいなと思ったことを覚えています。

Q.
松田ゼミやクロコムが自分自身や事業に与えた影響、メンターである松田さんや黒越さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

松田さんに関しては泥臭くやるということを学びました。自分も、とりあえずやろう!手を動かそう!というタイプだったのですが、松田さんは僕以上でした。ゼミでの1ヶ月の進捗フィードバックの際に、もっとこれもできる、あれもできるねと、もっと手を動かせということを言っていただきました。やっぱり、まずは行動って大事だなということは改めて教えてもらったなと思います。

黒越さんに関しては、僕の考えていたことや良いなって思ってこと常に一つ上のレイヤーで形にしてる人だなと思っています。
僕はお金を投資するとか、一緒に事業を作って一緒に事業を伸ばして行くようないろんなものを掛け算して行きながら大きな経済圏作るということが好きなんです。そういったことを、すごく先のフェーズで事業化してるのが黒越さんだなと思いました。

僕はクラウドファンディングもたくさん使ってるのですが、クラウドファンディングでお金をもらう時と1人の人から大きなお金をもらう時は全然意味が違うなと感じます。

僕がなぜ、人からお金借りたり銀行から調達するのが嫌だったんだろうと考えると、人に自分の決定権を指図されたり、借金をしてる状態での意思決定とか、人からお金を調達した状態の意思決定っていうのが、本当に自分がやりたいことを100パーセントできるのかという違和感があり、多分嫌だったんだろうなということが、黒越さんのお金の色の話の講義を聞いてうまく言語化し、意識できるようになりました。

※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

僕が1億円のファンドを創ることになったのも、MAKERSに入ってメンターである黒越さんと出会っわなければ絶対起らなかったですし、本を出版することになったのも2月の事前カリキュラムで、花まる学習会の高濱さんと出会ったことがきっかけです。

事前カリキュラムで、高濱さんが来た際に、僕が質問して、そのやり取りで「君は本出した方がいいよ」という話になり、その後クラウドファンディングで本を出して、そうしたら高濱さんが出版社を紹介してくれて2冊目の出版が実現しました。
また、第一回の地方創生会議を開催した際も、MAKERSの応援団であるガイアックスの上田さんに声をかけて高野山まで来てもらいました。

わざわざ和歌山から東京に交通費も時間もかけてでてきて、和歌山での仕事を止めて東京にきているので、行くたびに何か得て帰らなきゃダメでしょという想いで、臨んでいました。和歌山に残って仕事をしていれば1回につき10万は稼げていたので、一回来るのにざっくり10万くらいマイナスなので、一10万円分くらいは最低回収していかないという想いはありましたね(笑)。おかげでMAKERSのカリキュラムは皆勤賞でした。

Q.
1億円規模の地方創生ファンド「NagomiShareFund」について教えて下さい。

いわゆるベンチャーキャピタル(VC)が投資する事業というのは、基本的に上場するかバイアウトするか、まあいわゆる急成長が見込める事業じゃないと出せないんですよね。

これは当然のことで、仮に僕がVCをやっていても、他の人からお金を預かって、7年後に返してねみたいな世界になるので、じゃあ投資する先も当然5年とか6年、その7年よりも早く返してもらわないといけないので、そうすると上場とかバイアウトみたいなすぐに大きなお金に還元できる出口でないと無理となります。良い悪いではなく、そういう仕組みということだと思うんです。

ただそういった成長のシナリオが、合う事業と合わない事業があって、現状はITの分野ぐらいでしかそもそも5年間で上場することなんてできないので、他の領域で事業をしようとすると調達できないとなるのが、現状のいわゆる資金調達の世界だと思っています。

地方の場合は、ほとんどの場合が銀行から借りるか、クラウドファンディングか、自己資金かくらいしか選択肢がないんです。だから地方で起業したいと思った時のお金のハードルが非常に高い。だから地方はのプレーヤーがすごい少ないと思っていて、だからそこにお金出せるようにしたいなという主旨で立ち上げたのが「NagomiShareFund」です。

それをMAKERSのメンターでもある黒越さんと一緒に創りました。上場するとか株式のリターンじゃなくて、売り上げのリベニュー次第で回収するというモデルなので、例えば1000万出すので5年間売り上げの10%くださいねみたいな、そういうレベルの視野でお金を回収するという仕組みを今作ろうとしています。

Q.
MAKERSUNIVERSITYに入ったからこそ得られたことや、MAKERSがあってよかったなと感じていることを教えてください。

いい人が多いですね。起業家支援プログラムを運営している側がVCだったりすると、当たり前ですが、投資先になり得る候補か投資先しか支援できないということになります。

そこには、そのプログラム作る側や支援する側の思惑ってあると思っていて、でもMAKERSはそれがないんですよね。ETICさんとか、MAKERSはすごくフラットな感じがあります。それってすごいことだなって思うし、逆になんかそういう人が集まっている感じがありますね。

メンターや応援団も、リターンとか別にいいよ、みたいな、基本の想いとして、後輩だから応援するよと。なんでですか?って聞くと、いや、おれも先輩たちにお世話になったからと。そういうペイフォワードの気持ちを持ってくださっているメンターや応援団が沢山集まってるなっておもっていて、それってやっぱりすごく良いですよね。

Q.
学生向けの起業支援プログラムやビジネススクールが沢山ある中で、MAKERS UNIVERSITYがそれらと違うのはどこだと感じますか?

私塾という表現通り、良い意味で、すごくふわっとしてますよね。どこまでMAKERSを使い倒せるかは本人次第みたいな。だから、いわゆる学校のカリキュラムみたいなかちっとしたものがあるわけではなくて、どこまでつかみ取れるかは本人の努力次第。

もっと公式カリキュラム以外でもMAKERSの人に、この人紹介してくださいとかこういうことやってくださいとかいうと、基本的に対応してくれる。
そういうのを含めて、スタンスがまあ、起業家っぽいですよね。

自分で考えて自分で動ける人にとってはすごく良い環境だなと、逆に自分で考えて動けない受け身な人はそんなに、みたいな感じかもしれないですよね。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

多様性かな。誰かがMAKERSを動物園みたいっていってたのですが笑、それはすごくわかります。

僕らも外からどうみられてるかみたいなのも、そろそろちゃんと考えなきゃいけないのかなと思っていて、MAKERS卒業生も、調達の金額もそうですし、程度社会的にも取り上げられることも増えて、「おっ!MAKERS生だ!」ってなる人たちが増えてきたじゃないですか。

だから、やっぱりMAKERSの名に恥じないようにがんばらなきゃみたいな想いはあります。逆に僕たちが頑張ることで、5期・6期と後に続いていくとも思いますしね。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

地方と教育が僕の中で一つ大事にしてるポイントで、じゃあなにが共通しているのだろうかと考えると、選択肢が少ないとか選択肢が奪われてるみたいなところかなと思っています。

たとえば不登校にしても、じゃあ本人が原因かというと、周りの環境のせいということもあるんですよね。地方にしても、そこに住んでいる人たちが悪いのかというと、そういうことでもなくて、たまたまそういう環境に生まれたということなんです。

実は可能性があるのに埋もれてるみたいなものに、ぼくはすごくもったいないなという思いを感じるんだろうなと思います。場所を変えたら輝けるとか、ちょっと見せ方を変えたら輝けるとか。そういうことをやっていきたいです。後は、僕自身が楽しそうに生きるということも大事にしたいです。

(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)

関連URL

公式ブログ
ゲムトレ

その後の活躍

今がつらくても、君の好きなこと、夢中になれることを大切に。10年間の不登校から高校生で起業した小幡和輝さん

PROFILE

小幡 和輝 NagomiShareFund & 地方創生会議 Founder/内閣府地域活性化伝道師
1994年、和歌山県生まれ。約10年間の不登校を経験。当時は1日のほとんどをゲームに費やし、トータルのプレイ時間は30000時間を超える。その後、定時制高校に入学。地域のために活動する同世代、社会人に影響を受け、高校3年で起業。様々なプロジェクトを立ち上げる。
2017年、47都道府県すべてから参加者を集めて、世界遺産の高野山で開催した「地方創生会議」がTwitterのトレンド1位を獲得。その後、クラウドファンディングと連携した1億円規模の地方創生ファンド「NagomiShareFund」を設立し、地方創生の新しい仕組みを構築中。
GlobalShapers(ダボス会議が認定する世界の若手リーダー)に選出。
2019年10月、日本初、ゲームのオンライン家庭教師「ゲムトレ」サービス開始。
著書「不登校から高校生社長へ」「学校は行かなくもいい」「ゲームは人生の役に立つ。」

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