MAKERS UNIVERSITY

STUDENT INTERVIEW
塾生インタビュー

MAKERSを通して、自分が真に腹落ちする事業が生まれました。

洪 英高さん

株式会社ダイバーシーズ 代表

MAKERS UNIVERSITY 3期生

Q.
MAKERS UNIVERSITYに応募する前はどんなことをやっていたか、教えて下さい。

MAKERSに応募する前は、2年間トビタテ!留学JAPANという制度を使って、約2年間、シリコンバレーに留学していました。
当時好きだった女の子から留学の悩み相談をされ、この女の子の問題を解決するには、留学生同士で自由にコミュニケーションし合えるような、「留学生限定のSNS」のようなものがあればすごく便利なんじゃないか、と当時思いつきました。
それがきっかけで、留学前にProgateでエンジニアインターンをし、「プログラミング」という一発逆転の必殺技の基本スキルを身につけ、留学に飛び立ちました。

留学中に、インターンで身に着けたプログラミングを生かし、留学相談サービスDiverseas(ホーミー立ち上げに伴い、現在はクローズ)を立ち上げ、その後、後述する本田圭佑氏との出会い、本田氏からの投資に繋がっていきます。

Q.
MAKERS UNIVERSITYを経て立ち上げたHomii(ホーミー)の事業について教えて下さい。

「Homii(ホーミー)」は、自宅の空き部屋を外国人に貸して共に住むホームシェアサービスです。
住む場所を探している外国人ゲストは、WEB上で自宅の空き部屋を提供しているホストとのマッチングが成立すれば、ホストの自宅に最短1ヶ月間から住むことができます。
ゲストは「Homii(ホーミー)」を介してホストに謝礼を支払うというモデルで、煩雑な契約手続きや初期投資なしで手軽に住む場所を見つけることができる、ホームステイプラットフォームとなっております。
一方ホスト側には、食事提供や清掃に関する規定を設けなかったり、ゲストからの謝礼制度を採用したりと、従来のホームステイサービスよりもゲスト受け入れの負担を軽くする仕組みを作りました。長期滞在を予定している外国人のホームステイに特化しているため、民泊という扱いにはならず、自治体への届出をせずともホスティングを開始することができます。

日本で暮らす外国人は年々増加しています。2020年の東京オリンピック開催、そして、今年4月に施行が決まっている入管法改正案の影響もあり、日本に移住する外国人は今後も急激に増えることが予想されています。しかしながら、現在の日本では、外国人であるという理由だけで、スムーズに契約ができない、不当な条件で契約をせざるを得ないといった問題が発生しているという事実もあります。
Homiiによって、滞在先を探している外国人ゲストと、外国人と生活したいホストとのマッチングを促し、お互いが家族や友人のような親しい関係を築くことができる仕組みをつくることで、現在の日本社会において様々な生きづらさを抱える外国人と日本人の心の距離を近づけ、共存できる社会を目指しています。

Q.
MAKERS UNIVERSITYにはどんな想いや期待感で応募しましたか?

留学先で、留学の相談サービスを作ってたので、よっしゃ起業しよう!と思って帰国しました。そこで、トビタテの留学成果報告会があって、ピッチをしようと思ったら、予選落ちでピッチすらできなかったんです。その後、トビタテ代表の船橋さんとご飯を食べていた際に、勧められたのがMAKERSでした。

その時は、あまり興味が持てなくて、「あー、別にいいっす。自分で頑張ります」と返しました。その後、トビタテの友人がMAKERS生だということを知ったり、別の友人からMAKERSのDEMODAYに誘われたりということが重なり、2期生のDEMODAYに参加しました。
DEMODAYに参加して、「あ、なんか面白いかも!」と考えが変わりました。
DEMODAYに参加して思ったのは、僕よりステージもフェーズも進んでる人も多かったなと感じたことが一つと、自分の特徴として、トビタテの時もそうだったのですが、コミュニティの中で、少し先ゆく人たちを見ながら、吸収しつつ貢献しつつ成長する傾向があるなと思い、MAKERSが自分の起業という新たな挑戦のそれになったらいいなと思い、MAKERSへの応募を決めました。

Q.
実際にMAKERSに参加してみて、自身にとってどんな変化や進化がありましたか?

一つは、仮説が成功したということです。MAKERS生のみんなの考え方とか、メンターの考え方とかをある程度自分の力に出来たなということは感じています。僕はMAKERSに入るまでは事業をロジカルに考える、例えばCPAとかLTVとかそういう数字が絡むようなことを、ロジカルに考えるということはできていなかったです。でも、例えばたつと(MAKERS 3期生で留学コンパス 代表取締役CEO)ならこうゆう考えをする、小川(MAKERS 3期生でタイミー代表)ならタイミングを重視してうまくいったとか、MAKERSの期間に起業と向き合ったことにより、メンターやMAKERSメンバーの考えや思考を自分のものにできたと思います。その結果、今だったら対等に話せるし、起業家として最低限の能力を身に着けることができたのは一個の大きな変化かなと思います。

あともう一つは自分が信じられる事業、登る山を見つけることができたということです。
MAKERS入塾時点では、事業のことを信じられていない状況でした。なんとなく、留学中の勢いで立ち上げたものを続けてる感じでした。
そんな時、MAKERS1期生の吉田亮くん(株式会社DO THE SAMURAI 代表取締役)が100年後とか、1000年続く事業、文化を創るというようなことを言っていたんです。正直、最初は意味不明でした(笑)でも、間違いなく、自分の起業や事業への向き合い方とのギャップを感じた瞬間でした。
どうしたら、そんなに長い時間軸で考えられるんだろうと思いましたし、同時に自分の目線が、例えば売却とか、短期的になっていたなと思いました。

月1の古俣ゼミやクロコムを始めとしたMAKERSが外部的要因によって作り出した事業と向き合う時間や機会の増大のおかげで、自分が真に腹落ちする事業、つまりHomiiが導き出されたのかなって思っていて、その状態になれたことがもう一つ大きな変化だと思っています。
それは必殺技を手にしたみたいな感じです。100年、1000年と言っていた意味が今なら分かるし、文化を創るってこうゆう感覚なんだなということもよく分かります。

※注1)起業特別ゼミは、通称クロコムは、ファイナンス領域のメンターを務めるデジサーチアンドアドバタイジング黒越社長が主宰する特別ゼミ。黒越社長は、創業期のファイナンスを主に扱う「ファイナンスゼミ」と、この「起業特別ゼミ(クロコム)」の2ゼミを受け持っています。 この「クロコム」のみ、他の起業家ゼミとの兼ゼミが可能なため、1期生・2期生・3期生・4期生も、軸足となるゼミに所属しながら、クロコムに参加をしていました。登記済もしくは、MAKERS実践期間中に登記する予定のメンバーのみが参加できる名物ゼミです。

Q.
古俣ゼミやメンターである古俣さんとのやりとりで印象に残っていること、また、月1ゼミでの学びや気づきを教えて下さい。

古俣さんは見本です。僕にとって先駆者みたいな存在です。コンパスというほうが近いかもしれないです。
最初の一年は本当に何も分からなかったので、壁にぶつかることも多かったです。そのたびに、古俣さんからは、「自分の経験はこうだった。洪君ならこうしたら?」というアドバイスを頂き、それが自分の起業のステージが進むにつれて、ボディーブローのように効いてきたなと思っています。

僕は結果的にピボットしましたが、MAKERSの2月の事前カリキュラムのメンター特別講義で、「なぜ、そのタイミングでピボットしたんですか?」と質問していたんです。その質問に対して古俣さんは丁寧に答えて下さっていたんですが、その意味を耳では分かるけど本当に腹で分かったのは8カ月を通してだなとと思います。
後、タイミングが重要とか登る山を見つけてみたいな話など8か月を通して、本当の意味で血肉化していきました。
後、古俣ゼミのメンバーは良い意味で、お互いに高めあえる関係性でした。月1のゼミはそれぞれのメンバーの考え方や事業戦略を吸収できる時間でもあり、すごく貴重でした。

Q.
Homii(ホーミー)に至るまでの紆余曲折や、結果的に留学相談サービスからピボットを決めた背景などを教えて下さい。

2月3月4月くらいはMAKERS入塾したてで、留学相談サービスDiverseasをやっていた時期なのですが、うまくいくはずだという妄想と思い込みの中で頑張っていたという感じです。でも、実際は全く見当違いのことをしてたということに気づいたのが5月くらいでした。それを自覚してからは辛かったです。やっべー!。間違った意思決定しちゃったよみたいな。それで、次にやるべきこともわからなくなってしまいました。加えてお金も減っていてキャッシュアウト寸前までいき、吐きそうな毎日でした。
それを乗り越えさせてくれたのは、一つは同志の存在です。何かあったときにこういうことがありましたっていうのを言える場がMAKERSにはありました。一番つらかった時に、クロコムや古俣ゼミで、吐き出せたたり、事業に向き合う時間は、強制的にMAKERSが創ってくれていたので、進化のあと一歩手前までは来ることができました。

あともう一つ、乗り越える大きなきっかけになったのが、自分たちの代の3期の時のDEMODAYでした。(https://makers-u.jp/demoday2019)
あの時、まだ、信じるられる事業が見つかっていたわけではないですが、DEMODAYで代表ピッチをすれば見つかる気がしたんです。いや、それまでに見つけるぞというつもりで、代表ピッチをしようと思ったんです。それで、すごく練習してDEMODAYで発表したら、みんな良いよって言ってくれて、自信になりました。
その後、MAKERSのサポーターでもあるゼネラルパートナーズの進藤さんと話したことがきっかけで、カウチサーフィンやAirbnbの長期版があってもいいなとひらめき、MAKERSの8カ月のピースが全部つながって、Homii(ホーミー)を思いつきました。

Q.
あなたとってMAKERS UNIVERSITYを一言で表すと何ですか?

僕にとって、MAKERS UNIVERSITYや古俣ゼミは、アニメ『ONE PIECE』に例えるなら、シャボンディ諸島のような存在でした。その意味とは、MAKERS UNIVERSITYにはそれほどステージが違わない同世代に加え、業界の第一線で活躍する歴戦の猛者(メンターと呼ばれる人)が集まっていました。そして、私は彼らとの交流によって、すごく切磋琢磨することができ、最終的に「新世界」へと旅立つことができたと感じているからです。

私にとって、MAKERS UNIVERSITYでの8ヶ月間は決して順調満帆なものではありませんでした。時に、ライバルとバトルし、時に、歴戦の猛者に敗れて挫折し、時に、目的を見失い迷走もしたからです。転んでも転んでも、その度に立ち直り前に進んでいくことができたのは、やはりMAKERSの仲間と師の存在があったからこそだと思います。

Q.
あなたの人生や事業を通じて「こんな世の中・こんな未来を実現したい!」というビジョンを教えてください。

「混ぜる暮らしで、世界はもっと豊かになる」このミッションの実現に、次の10年を賭けるつもりです。Airbnbが「他人の家に泊まる」サービスなら、Homiiは「他人の家に住み、一緒に暮らす」サービスです。イメージとしては下宿文化のアップデートのような感じです。
Homiiを利用して、同じ屋根の下で暮らすのは、地縁も、血縁もない全くの赤の他人同士。国籍はもちろんのこと、年齢にも、職業にも全く共通点はないかもしれません。

そんな人たちの人生を、暮らしを通して、混ぜ合わせにいくことが、Homiiの狙いです。
コンピューターサイエンスの博士課程の留学生と、プログラミングに興味を持ちはじめた中学生がいる家族。
将来ワイナリーを経営したいと思っている外国人と、長野のワイン産地に暮らす老夫婦。
伝統工芸を愛する留学生と金沢の13代目漆器職人。

Homiiでは、短期滞在では味わえない「一緒に暮らす」からこその濃密な体験を届けることに、徹底的にこだわっていきます。Homiiのテクノロジーとかデザインによってすそれらが全てデザインされてるという世界観ができたらいいなと思っています。
今は住むとなれば、賃貸かシェアハウスだと思うのですが、5年後・10年後に、「下宿でもいいんじゃない?」って言われるように社会を変えたいと思います。
ゆくゆくは、今言われてる社会の分断みたいなところの解決に寄与していきたいと思っています。

(*このインタビュー記事は、2019年9月時点のものです)

その後の活躍

本田圭佑と夢を分かち合った25歳。『Homii』リリースまでの道のり

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note
Homii(ホーミー)

PROFILE

洪 英高 株式会社ダイバーシーズ代表
㈱ダイバーシーズ代表(https://diverseas.co.jp/)。「混ぜる暮らしで、世界はもっと豊かになる」をミッションに「他人の家に住む」という”下宿文化”を、現代にアップデートする「ホームシェアリング・サービス」Homii(ホーミー)(https://homii.jp/lp/host)を運営。本田圭佑氏が最初の投資家として参画したことでも話題に。

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